suzumoku

青に気付く

 

【カメラマン平野愛智さんとの宮城の旅】

 

辿り着いたのはとある小学校、

 

それもえらく古めかしい外観。

 

2日目はここに素泊まりすることになった。

 

 

 

 

 

学校内には磁石式電話機、足踏みオルガン、

 

ネジ締まり錠のついた廊下の窓

 

ノスタルジックなものがたくさんあった。

 

 

 

ここは、元々は林際小学校という学校で、

 

平成11年3月末に廃校になってしまったが、

 

卒業生達と町協力のもと、宿泊施設兼、

 

“グリーンツーリズム”の活動拠点として改装され、

 

平成13年4月に“さんさん館”としてオープン。

 

さんさん館という名前には、

 

“いつも日差しが差し込む温もりある里を守りたい”

 

そんな思いが込められているそうで、

 

仙台での“ゼロ村”と通ずるものを感じた。

 

 

 

そして、ここに着くまでの山道が、

 

これまた趣きある田舎の風景だったもんだから、

 

 

 

「“足跡”の世界観にピッタリですね」

 

「時間があったら周辺で撮影やってみよう」

 

 

 

といった感じで愛智さんと話してたんだけど、

 

なんと翌早朝まさかの

 

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積雪。

 

校庭一面に降り積もった雪に心動かされ、

 

その雪面で新曲「足跡」のMVを一発撮り。

 

FH000155.JPG

これが意外に吹雪いて想像以上に寒かったけど、

 

良いやつ、撮れました。

 

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音楽大好きと言う管理人の阿部あい子さん、

 

“あい子先生”、大変お世話になりました!

 

 

 

 

 

さんさん館を後にして向かったのは“歌津駅”だ。

 

そしてこの場所が、おそらくこの旅の中で、

 

自分にとって一番ショッキングな場所だった。

 

 

 

歌津駅そのものは、結構な高台にある。

 

“ここまで来れば大丈夫だろう…”

 

駅のホームに立って海の方を眺めれば、

 

誰もがそう思うかもしれない。

 

 

 

しかし、津波は駆け上がり、飲み込んだ。

 

土台は削られ、ホームの端は傾き、

 

曲がり、ねじれ、ちぎれた線路…

 

FH000187_2.JPG

その後、“歌津大橋”のあった場所にも行った。

 

基礎だけが崖っぷちに残り、

 

歌津大橋と書かれた看板が放置されていた。

 

 

 

 

 

当時の本当の光景っていうのは、

 

それを見た人にしか分からない。

 

俺は、ただ想像するしか出来ないのだけど、

 

俺が仙台にいた時に感じていた、

 

それの何倍もの恐ろしさがあったに違いない。

 

 

 

“どんな顔したらいいのか…”

 

またそんなふうに考えかけてふと視線を上げたら、

 

“これを眺めたらいいさ”と言わんばかりに、

 

南三陸の海が、青々と広がっていた。

 

素直に、綺麗だなって思えて、心も凪いだ。

 

 

 

俯いていては、大切な人達を置き去りにして、

 

どんどん深く、一人落ちて行くばかりだ。

 

顔上げてしっかり前を見なければ…

 

改めて、そう気付かせられた瞬間だった。

 

FH000199.JPG

(モノクロ写真のみ)

Leica,M6

Summicron,50mm F2.0

Ilford,Delta 100

2014,December

Japan,Miyagi

■ suzumokuプロフィール

2007年、アコースティックギターを片手に音楽シーンに突如現れ、アルバム「コンセント」でデビュー。
その荒々しくも正確なフィンガリング、独自性、強烈な歌声は“オルタナティブフォーク”と形容された。

当時の代表曲である「週末」は、社会に出て次第に世間に染まっていく若者の葛藤を歌い、時に優しく、
時に厳しく、常に明確なメッセージを伝えようとする現在のスタイルの萌芽が、この時すでに見て取れる。

2011年、ツアー先の仙台に向かう道中で東日本大震災が起こり、被災。
現地での避難所生活の中、互いを助け合う心に触れ、「僕らは人間だ」を作曲。
震災から二日後にYouTubeで発表し、チャリティーソングとしても大きな話題を呼んだ。


そして、東北の状態をより多くの人々に伝えるべく、ツアーの続行を決意。同曲を全国に届けた。

この体験から、メッセージをより遠くにまで届けたいという想いが強くなり、エレキギターを掴む。


以降、徐々にその音楽スタイルはフォークからロックへと変化してゆき、弾語りだけではなく、バンド編成でのライブも積極的に繰り出すようになる。

2013年、キャリア初のフルアルバム「キュビスム」を発表。
収録された「蛹」や「モンタージュ」は、独自の視点で捉えた様々な現代の側面を描き、その音楽性の広さと歌詞表現の多彩さを見せつけた。



2014年初頭、矛盾を抱えたまま空回りする社会に怒りをぶつけるが如く、さらに激しいロックサウンドへと移行。
バンドを率い、“毎回新曲を披露する”という公約のもと、同年5月より渋谷“CHELSEA HOTEL”でのフリーライブを毎月決行している。

2014年12月10日、自身にとって音楽生活の集大成とも言えるワンマンライブが決定。
その場では2015年2月にリリースとなるニューアルバムの超先行販売も行われる。

現在までにミニアルバム4枚、コンセプトアルバム3枚、フルアルバム1枚を発表。
デビュー前はギター職人という経歴の持ち主。

□ オフィシャルサイト
www.worldapart.co.jp/suzumoku/

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