元気ロケッツ「GENKI ROCKETS II 〜No border between us〜」インタビュー Page4


ー それでコラボミックスというわけなんですね。

玉井:そうです。だから楽曲の立ち上がりから言うとリミックスのリミックスのリミックスみたいな感じ(笑)


ー 今、DJやリミックスなどでプロを目指している人は多いと思うのですが、アドバイスとして、技術的に一番陥り易い部分や、逆におさえておきたいポイントを教えてください。

玉井:陥り易いのは「トラックとかMIXってこんな感じだよね」というステレオタイプ感ですかね。その枠からまずははみ出るというか。DJとかトラックメイキングそのもの自体に憧れる人もいるじゃないですか。でも、例えばリスペクトしてる誰かがいたとして、その人と同じことをしても、その人が現存する限り要らないわけですよ。厳しい言い方ですが。だから「他ならぬ自分がやるとしたら」という目線を色んな意味で強く持った方がいいと思います。あと、それ以上に抑えた方がいい部分ですが、グルーヴという概念や感覚が日本人はどうしても弱いのでそこはすごく研究してほしいです。元気ロケッツの作業はそこを掘り下げていく時間が結構多いですね。歌詞を書く時も曲を仕上げていく過程でも言葉やトラックが生むグルーヴをすごく重視しているし。内容やメッセージ×グルーヴ。言葉を発して連呼するだけで体が動き出す。ゴスペルではよくあるんですけどね。それって多分音楽の根源だと思うんです。音楽というと、すぐ五線譜に旋律を書きたがる人もいるけど実はそれ以上にグルーヴの質が大切。すべての音楽は基本的にダンスミュージックだと思っていて、それはバラードでも一緒。バラードでも心が揺れているわけですからそれがやっぱりグルーヴなんでしょうね。


ー お二人の音楽のルーツというのはどこにあるんですか?

水口:2つあって、リアルタイムではありませんが小学生の頃に聴いたビートルズの影響はやはり根底ににある気がします。あと83、4年に始まったMTVですね。音楽と映像がセットになっているという音楽体験は高校生位から始まっています。どちらかというとブリッド的なものが僕は多いですね。スタイル・カウンシルとか。

玉井:僕も小学校高学年位の時にミュージッククリップというものを初めてみて興奮したんですよ。デュラン・デュランやカルチャークラブ、ジャパン…。で、マイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナのようなアメリカのスーパースターもいっぱい出てくるし。僕はプリンスが大好きなんです。何がいいかって、もの凄く気持ち悪かったんです。こいつ何者だ!?って(笑)


ー あははは、でも分かる気がします。

玉井:もうひとつ言えば僕もジョン・レノンが大好きなんです。中学生の頃、自分で曲を作ろうと思った時に、ひとつ大きな発見をしたんです。これはどのアーティストにも話すことなんですが、「イマジン」のサビの4つ目のコードがあのコードか、そうでないかによって、あの曲ではなくなるんですよ。それは明確にわかる位。それを発見した時に、「あぁ、この人についていこう!」って思ったんだけど、その時にはもうジョン・レノンは亡くなっていました。でもジョン・レノンはジョン・レノンなりのブルースをやろうとしていたことに気がついて、それからブルースってなに?、R&Bってなに?ブラックミュージックってなに?って追い続けて、18歳位で結論が出ちゃったんです。これがみんながいいと感じるポイントなんだって。そういうのが分かってから今に至るまで、掛け算に対しての興味は続いていますね。あとローリング・ストーンズのライヴを観た時に自分が一生懸命悩みながら曲を作っている人の感覚で考えると「ズルいなぁ」って思ったんです。


ー ズルい?

玉井:その当時を想像してみて、リアルタイムであった隙間のおいしいところ、あの人達が全部かっさらっていっているように観えたんです。例えば黒人がブラスでやるフレーズをエレキギターで指3本動かすだけで再現している「サティスファクション」だったり。すごく簡単なことだけど、そこに気がついた人間の価値だよなって思うんです。 ある意味、今、元気ロケッツがやっているのは、その時への想いがあるからかもしれません。ビートルズもそうですが、ポップミュージックのパイオニアなんですよ。それで80年代に僕らがMTVに感動したこともそうですが、ビジュアルと音楽を掛け算した。どこかでそういうものに対しての憧れがあるのかもしれません。パイオニアでありたいというか、自分が出来ることを使って扉を開きたいという想い。


ー 今年6月に東京・銀座SONYビルOPUSで開催された<国内初 "参加型3Dライヴ" インタラクティブ3Dエフェクトライヴ>で「Cutiosity」の映像を観させていただきました。今迄のLumiのイメージと少し違いますね。

水口:今回はレーザーを取り入れているのが演出として面白かったね。全てCGではなく、実写やレーザーを使いましたし3Dの上限として新たな挑戦をしてみたくて、演出は「make.believe」から引き続きで東君(東弘明氏)にお願いしたんですが、「make.believe」とは反対側にあるイメージで、ややテッキーで力強く仕上げました。

玉井:人物、セット、レーザー、照明、これは実際にあるものなのでそれ以外をCGにしました。「make.believe」はフルCGにして3D感の追求にこだわりましたが、次の挑戦として、4つのピース×3Dにした時にどういう効果がでるのかを見てみたかったんです。あと今までとの大きな違いとしてLumiライブしてますもんねこの曲(笑)なんちゃってですが。結果的に衣装っぽいもん着てステージパフォーマンスさせてみることにしました。


ー 今回のアルバムを経て、すでに元気ロケッツはまた何かやってくれそうな予感がしているのですが(笑)

水口:今回は "II" ということで、この先どこまで続いていくだろうと。38とか…

玉井:49とか…

<一同笑>

水口: きっとアルバムが終わったら、また次の計画を話し始めると思いますよ。

玉井:今のところは黙っておきます(笑)作品はどこまで続くかわかりませんが、やれる間はやりたいですね。元気ロケッツはライフワークですから。


ー ありがとうございました。


取材・文/まさやん


 

アーティスト情報

元気ロケッツ「GENKI ROCKETS II 〜No border between us〜」インタビュー Page4
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LOUD 200th Issue Anniversary Party-「 WOMBLIVE ONE SPECIAL LIVE×LIVE」

会場:WOMB

日時:2011年9月10日(土)
OPEN 14:00 CLOSE 21:00

料金:前売り ¥2,500 / 当日 ¥3,000
※入場時、別途ドリンク代¥500

アートアクアリウム展 江戸・金魚の涼 「ナイトアクアリウムミュージアムラウンジ」 ナイトアクアリウムミュージアムラウンジ最終日SPECIAL EVENT!!

会場:日本橋コレド室町 三井ホール4F

日時:2011年9月12日(月)
OPEN 21:00 / LIVE START 22:00

料金 : 3,000円 / フライヤーご持参の方:2,500円

■ Link

元気ロケッツ 公式HP:http://www.genkirockets.com/