浜崎貴司がソロデビュー15年目を迎える今年1月30日、待望のニューアルバム 『ガチダチ』をリリース。ソロデビュー10周年を迎えた2008年に「GACHI(ガチ)」と題した弾き語り共演ライヴをスタートし、そこで知り合ったミュージシャンと、今度はアルバムでガチンコ勝負!ライヴも含め、コラボレーションの楽しさや、他のミュージシャンとのかかわり合い、そして今作への想いなどを色々語ってもらいました。
ー 浜崎さんは、ソロデビュー10周年を迎えた2008年から、ギター1本と歌のみで他のミュージシャンの方と共演される「GACHI(ガチ)」と題したライヴをされていますね。
はい。もう15、6人の方とコラボしてるのかな。
ー 元々、どうしてこういう形でのライヴを始めようと思ったんですか?
最初はプロデューサーに、僕の弾き語りライブの良さをもっと伸ばしていこうと言われたのがきっかけでした。そこで、「試練10番勝負」みたいな形で色々な人と弾き語りをやったら面白いんじゃないかというアイデアが出て、10周年の記念でもあるし「やってみますか!」という感じで始めました。
ー 今回、待望のニューアルバム『ガチダチ』が1月30日にリリースですが、そちらでもコラボした仲井戸“CHABO”麗市さんとも「GACHI(ガチ)」で共演。その他「GACHI(ガチ)」では、ムッシュかまやつさん、泉谷しげるさんなどかなりキャラクター性溢れる人達との共演が多いですね。
ええ。ムッシュ(ムッシュかまやつ)のことは最初、ムッシュさんと呼んでいたんです。そしたら「ムッシュに“さん”はいらないと思うよ、浜崎さん。」って言われて。でもそういうあんたが “さん”付けてるじゃないか!って感じだけど(笑)。
ー あはは!ムッシュさんはその後、浜崎さんのことは何と呼んでいるんですか?
今も丁寧に浜崎 “ さん”です(笑)。
ー ムッシュさんはどういうプレイをされる方ですか?
すごく柔らかいです。トークもプレイも含めて柔らかさと、しなやかさ、奥深さみたいなものを持っている方ですね。
ー 泉谷しげるさんはいかがでしたか?
泉谷さんは、ああ見えてすごく優しい方なんです。勿論観ている人にもすぐ伝わる部分はあると思うんですが。ただ、突然僕が知らない曲を始めたりするんです。
ー えっ、それは焦りますよね?
焦る焦る(笑)。だから泉谷さんの左手を観て、「あぁ、こういうコード弾いているのかな。」とか、耳で聴いて「こういう曲をやっているのかな。」とかその場で対応していくんです。そうそう、ムッシュの時も「ここでギターソロ!」とか言われて「いや、ギターソロとか殆どやったことないです。」って言うと「そうなんだ。」って優しく言われるんだけど、その後何回もフラれて、結局ギターソロを弾けるようになりました(笑)。
ー それって本当にガチ勝負じゃないですか(笑)。
でしょ!かなりそれで鍛えられましたね。あとCHABOさん(仲井戸“CHABO”麗市)は本当にひとつひとつにこだわっていくんです。自分で心に楔(くさび)が打てないと音楽に向かい合えないという人なので、 何でこの曲を一緒にやるのかとか、一緒にやる曲はこういうつもりで自分はやりたいとか。だから僕もその想いに対して手紙を書いたりもしました。
ー 手紙ですか!
丁寧なお返事を頂いたんですが、本当に音楽に向かい合う真摯さ、真剣さを学びました。先輩後輩関わらずではあるんですが、特に先輩方からは音に向かい合う姿勢や、お客さんへ向かうひとつのエンターテイメント性みたいなことを教わりました。
ー それはすごく貴重ですね。でも浜崎さんもソロになられて、もう15年目なんですね。2007年にFLYING KIDSも再結成して昨年9月にはアルバムもリリースされましたが、ソロ活動15年というのは長かったですか?
短かったような長かったような。ただ、今のことや明日のことばかり追いかけてやっていたので、パッと振り返ると「あぁ、後ろにはこんな色々なことがあったんだな。」という気分です。だから長いと思う気持ちと短いと思う気持ちが同時というか混在しています。
ー では改めてニューアルバム『ガチダチ』についてお伺いしたいのですが、このタイトルはまさにその「GACHI(ガチ)」で共演した人達、友達とのコラボアルバム。今回は何故この形でアルバムをリリースしようと思ったのですか?
最初、CHABOさんと共作した「ぼくらのX'mas-Song」と、中村 中さんと共作した「セナカアワセ」は、すでに出来ていて、それをフルアルバムに収録しようということになっていたんです。でも進めていくうちに和義くん(斉藤和義)ともやろうかというアイデアが出たり、「GACHI(ガチ)」で民生くん(奥田民生)と一緒に演るから、その時に歌える曲があったらいいねということで民生くんとも作っていくうちに、いっそのことコラボレーションだけで一枚のアルバムにしてはどうだろうかという話になったんです。だからソロで録っていた曲は一旦ストックして、今回は15th yearという打ち上げ花火的な意味合いも込めてコラボアルバムに決まりました。
ー じゃあ、初めからコラボという形で決まっていた訳ではなかったんですね。
徐々にこういう形に変わっていきました。
ー 今作は、それぞれコラボする人達のキャラクターが出ている楽曲達が揃いましたが、アルバムに統一したコンセプトは何でしょうか。
前作のソロアルバム『NAKED』という弾き語りアルバムの時からやっている方法なんですが、ギターとヴォーカルを一緒に録音するということです。そのライヴ録音を今回はコラボレーションという形ですので、共演者も同じブースに入ってもらって、せーので録るというのを第一のルールにしました。それでそこから他の色々な音を重ねていくんですが、その前段階はそういう形で録りましたので、どちらか一方が間違えると最初からやり直し。
ー 緊張しますね、それは。
でも、その一発勝負的なところが歌にとってはいいかなと、僕は思っています。
ー だから全曲ともライヴ感があるんですね。このアルバムは取材だから言うわけではなく、本当にサウンドもテイストも大好きで既にヘビーローテーションです。
それは嬉しいな。ありがとうございます!
ー 一部を覗き、殆どが共演者と一緒に作詞作曲をされていますが、どういう制作方法でしたか?
人によって多少やり方は違うんですが、大体の場合はタイトルを決めて、そこからのインスピレーションなどで曲を生み出していきました。