3ヶ月連続リリースの秦 基博。そんな怒濤のリリーススケジュールで、楽曲のクオリティは下がらないのか?と思ったが、秦の紡ぐ音楽は留まる事と妥協を知らない。
今回はシングルの事を中心に聞いた秦 基博インタビューの第1弾!
—— 今回、8月、9月にシングル、10月にアルバムという3ヶ月連続リリースという事ですが、大変でしたか?
基本、アルバム制作という感じでやってました。でもシングル2枚分のカップリング含めて全部新曲にしたので、そういう意味では結構大変でした。
—— どういうきっかけでこの連続リリースをやろうと思ったんですか?
始まりから言うと、今年中に3rdアルバムを出そうと去年の秋口から曲を作っていたんですが、途中でNARUTOのテーマソングのお話をいただいて、まずそのリリースが8月に決まったんです。その曲「透明だった世界」は、かなりアッパーでアグレッシブな仕上がりなんですね。アニメの世界とのリンクを考えて書き下ろしたアルバムの本流とは少し離れた楽曲だったので、アルバムの匂いだったり、アルバムで僕自身が歌いたい事、言いたい事がより象徴的に伝わる曲を先行シングルとしてリリースた方がいいんじゃないかな、と思ったら、結果、立て込んだスケジュールに…(笑)。でもそれはとても重要な意味のある事だったんですよね、僕にとって。
—— まず第一弾シングル「透明だった世界」について。この曲は前作「アイ」とはがらっと変わって疾走感のある曲ですね。
アニメの世界観とか、また番組のオープニングを飾るという意味でも疾走感やアッパーな要素は必要だと思うんですね。そのイメージで曲は書き下ろしたんですけど、アニメと自分の共通点をどこに見出せて、自分自身の歌として歌えるポイントは何かな?と探っていた時に、少年性だったり、友達との別れだったりといった事が作品ともリンクして歌えるんじゃないかなと思ったので、詞はそういうテーマを選びました。
—— 「たまには街に出てみよう」は「GREEN MIND2010」@ 河口湖ステラシアターで初披露だったんですよね?
はい。あの3日前にレコーディングしてました。
—— どこか懐かしいフォークやカントリーミュージックを彷彿とさせました。何かインスパイアされたものはあったんですか?
ライブでも言いましたけど、とにかくずっとスタジオにこもって制作活動していたので、外の空気を吸って、また頑張ろう!と思えるような、そんな曲があってもいいのかなと。今の気持ちをそのまま歌にした曲を作りたいなと思ったので。その時に自然とカントリー&ウェスタン調の曲が自分が思い描く街のイメージに合うんじゃないかなと思って作りました。
—— 初回生産限定盤のDVDにも収録されているPVのスタジオセッションはせーの録りだったんですよね。
はい。前作の「アイ」の時に、弾き語りでカメラも音も含めた一発録りというのをやったんですが、今回はそれをバンドでも出来ないかなという発想から始まって。バンドメンバーと「せーの」でセッションして、カメラも10台近く入ったんですけどOKテイクのみで音も映像も構成するという緊張感溢れる収録になりました。
—— 録る時に何を大切にしたいと心がけましたか?
そうですね、ライブと共通する部分もあるんですが…アンサンブルの中で、それぞれのプレイがぶつかり合う事で生まれてくる表情だったり、化学変化っていうのは一人では現れないものだと思いますし、それこそが一発録りをする意味だと思うんですね。もちろんCD音源のようにきちんと整理整頓されたものを創るというのもひとつの表現方法なんですが、一発録りをすると決めた以上は、言葉で言い表せない余白部分とか伸びしろをどう表現できるか、というところは考えましたね。