70年代を彷彿とさせるようなブライト感溢れるポップサウンドを歌うジャンク フジヤマが、待望の1stアルバム『JUNK SCAPE』をリリース。楽曲への想いや歌へのこだわり、パッケージで音源を楽しむことの喜び、音楽で自身が目指すものなど熱く語っていただきました。
ー 3月6日、待望の1stアルバム『JUNK SCAPE』がリリースですが、まずアルバムコンセプトを教えていただけますか。
タイトル通り、ジャンク フジヤマが織りなす音楽の景色が12曲入っています。それぞれ映像であり景色が見える音楽を作りたいという想いから出来上がりました。
ー 最新シングル『シェダル』のタイトル曲“シェダル”も収録されていますが、ジャンクさんのシングルは過去作品『あの空の向こうがわへ』『PROUD / EGAO』ともブライト感に溢れていますよね。アルバムとシングルでは制作するときの意識は変わるものですか?
アルバム1枚通して作るのと、シングルを作るのでは作り方の面ではやはり変わりますね。ただ本当の意味で、シングルの作り方を始めたのはメジャーになった昨年6月からですから。でもシングルとはこういうものだという自分の中での羅針盤というか、目指すところは見えていました。
ー ちなみにジャンクさんの目指すシングル像とは?
一番意識する点はアルバムへの期待度を上げるということです。ホップステップジャンプで言えば、ホップステップの部分。当然、ナンバーワンヒットになればいいと思っていますが、いきなりなれるとは思っていないのでアルバムで、より一層ジャンク フジヤマの音楽を聴いていただく準備段階だと考えています。とはいえ、シングルはシングルでとても大切なものだと考えて曲作りをしています。
ー では改めて何曲か、楽曲についてお伺いします。“誘惑”は情欲的な歌詞とファンキーなサウンドのバランスが最高にジャンクさんの世界観を映していますよね。しかもシンガーとしても跳ねてるし。 個人的にも大好きなナンバーです!
ありがとうございます!
ー この曲は 坂本竜太さん率いるSPYCY KICKIN’と共演。
はい。この曲は竜太さんが作った曲なんですが、バックトラックも担当させて欲しいという依頼でしたので、完全にお任せしました。ブラス・アレンジを担当したFIRE HORNSとも知り合いなので「一緒にやろうぜ!」というノリでレコーディングも楽しく出来ましたし。でも、冒頭の「AH! AH!」という部分からのリズム取りは非常に難しかったです。
ー 歌詞はジャンクさんが書かれていますが、テーマは何でしょうか。
まず、竜太さんから曲を頂いて、僕の中で奔放だった80’sのイメージが浮かんできたんです。その時代のへのアンチテーゼみたいな内容。理由なき奔放というか(笑)。僕は83年生まれなので物心ついた頃にはバブリーな時代は過ぎてしまっていたので、これはあくまでも想像ですが、例えば家を出たら外にはBMWが停まっていてアッシー君みたいな人がいる感じ?
ー あー、はいはい。ありましたね、そういうの(笑)
そういうものへのアンチテーゼです。
ー AORなサウンドの“Wandering Again”は、歌詞が他の作品ともまた違うイメージを受けました。
都会で生きる孤独な男をテーマに書きました。ドロドロとした社会の中で虚脱感に襲われて疲れきっている。疲れきっているけれど、やらなければいけないことが頭の中にもたげている。でもやらなければいけないことが見つからない。「自由というやっかいな」という歌詞があるんですが、つまり何もやることがなくて暇を持て余している感の辛さがこの曲の主人公を苦しめているんです。やることがあるということは幸せなことなんだというメッセージです。特にこの曲では起承転結をつけているので、最後にはことの次第がわかる作り方をしました。
ー それは、このアルバムを購入して歌詞を読み込んで欲しいということですね!
はい!(笑)
ー 特にこの曲は映画や小説の一片のようにも感じたんですが、ジャンクさんはそういうもの世界観から歌詞のインスピレーションを受けたりしますか?
それがゼロではないですが、どちらかというと曲からイメージする方が多いですね。
ー “パズル”は元々インディーズ盤の『JUNKTIME』(2010年)に収録されていましたが、今回はそのCalm Ver.。
はい。元々は熱いバラードでした。「これがバラードです!!!」みたいな楽曲で、イメージとしては玉置浩二さん。
ー なるほど!
それを今回はあえて、もっと混沌とさせたかったんです。つまり抑揚を付けすぎないこと。バラードは、沈んでからどーんと上昇してまた沈むというように壮大さが欲しいじゃないですか。
ー そうですね。
でも、そこを削ぎ落した感じにして穏やかで優しい印象にしたかったんです。それで副題に「Calm Ver」と付けました。
ー コードも変えたんですか?
はい、コードも全く変えました。それにアレンジも変えているので、出来るだけ厚ぼったくならないようにクールな歌を心がけました。
ー 資料によると、ご自身としてはヒーリング要素をイメージしたということですが。
はい。でも、そうやったって結局熱くなっちゃうんですけど(笑)。