ー まぁ聴き手としては色々な欲求が出てしまうんですけどね。
それは分かります。やるとすればライヴかな。スタイリスティックスみたいな全編ファルセットとか。
ー いい!!!!!
先日、クローズドイベントで「You've got a friend」をやったんですが、あえてジェームス・テイラー位の低いキーで歌ってみたんです。「When you're down in trouble〜♪」ってね。
ー やばいです!今、キューーンってしちゃいました!!!!
あはははは!!!
ー これはライヴでないと味わえない醍醐味ですね。楽曲の話に戻りますが、“ありふれた午後”はかなり昔の楽曲なんですよね。
大学生の頃に作った楽曲なんですが、2年前位に手直ししました。
ー どういう手直しですか?
Aメロだけ気に入っていたので、それを残してBメロとCメロはちょっと活きが悪く思えたので、全く変えました。
ー この曲は当時ライヴの最後に流していたということなんですが。
はい、今でも流していてそのテイクを収録しました。
ー 何故そのテイクを今回アルバムの最後に収録したんですか?
アルバムの締めとしてライヴと一緒の感覚を持ちたかったんです。「終わりましたよ!また頭から聴きますか!!」という感覚になって欲しいです(笑)
ー なるほど(笑)
ライヴでも絶対流れますから。だからアンコール後にこの曲が流れると「もう何もやらないんだ」というのが分かる(笑)。たまに外国のミュージシャンで暗転して誰も出てこないまま「本日はありがとうございました〜」ってアナウンスされると、「何だ、もうやらないのか!!」っていうのがありますけどね(笑)
ー 初回限定盤には昨年12月22日に行われた、クリスマス・スぺシャル・ライヴ音源9曲がボーナスディスクとして収録されますが、その中の未発表曲“そっと振り向いて”について、どういう想いで曲を作ったか教えてください。
最初、優しい感じのポップスになれば良いなと思って作ったんですが、アレンジャーの笹路さん(笹路正徳)に「この曲はちょっとボサノヴァっぽいね。」と言われて、「確かにリズムはそうだな。僕がホンワカさせたいと思うとボサノヴァになるのか。」と気がつきました。まぁ、ボサノヴァとは縁遠い歌い方してますけど(笑)
ー …は、はい、ちょっと(笑)でも普段ボサノヴァを聴いたりはするんですか?
いや、そんなには聴かないかな。せいぜいスタン・ゲッツのアルバムを聴いたり、アントニオ・カルロス・ジョビンや、アストラッド・ジルベルトのような有名どころ位。決してボサノヴァマニアではないですね。
ー じゃあ今回はたまたま。
そう、本当に偶然。少し切なげなメロディだし、ゆったりする感じがいいと思ったんです。でも最初タイトルが決まっていなくて、仮で「哀愁のボサノヴァ」というタイトルをつけていました。
ー そうだったんですか!
ええ。みんな納得していましたよ。確かに哀愁があるし、リズムがボサノヴァだし(笑)。まぁ最終的には「そっと振り向いて」というタイトルにしましたが。
ー ジャンクさんは、歌詞や曲を作る時はどういう環境で作ることが多いんですか?
殆ど「さぁ作るぞ!」と思って机に向かい合うタイプです。半分作家になった気分でね。
ー 作家ですか。
短編の作品。曲にのせるとほんの4、5分位の物語を書くイメージです。
ー 別れてしまった人の影を思い出している感傷的な“Lonely Days”の歌詞を見ていても思うのですが、ジャンクさんはロマンチストですよね。
そうかもしれませんね。でもカッコいい人が「自分はロマンチストなんです。」って言うと気障ったらしく聞こえるかもしれないけど、こういう人(自分を指して)の場合はそう聞こえないところが得しますよね(笑)
<一同爆笑>
ー 音楽のこととは一旦離れますが、ジャンクさんってお休みの日は何をしているんですか?
ボウリングしたりプラネタリウム行ったり。あとはテレビの競馬中継を観たり(笑)
ー 競馬好きなんですか?
というかね、データをとるのが好きなんです。色々分析したりデータをとって予測する。それと、そこにある騎手同士の人間ドラマなんかも好きです。
ー 落語とかも好きじゃなかったでしたっけ?
落語は好きです。でも最近行けてないので動画サイトとかで、画は観ないで音だけ聴いて楽しんでいます。僕は想像力をかき立てられるから音だけの方が好きなんです。