インディーズシーンで、強烈な存在感を打ち出して来た毛皮のマリーズ。彼らのメジャー進出はレコード会社の争奪戦となるが、とうとう今年4月にアルバム『毛皮のマリーズ』を日本コロムビアより発表しメジャーデビューを果たした。
寺山修司の戯曲「毛皮のマリー」から名前をとった事や、60、70年代を彷彿とさせるルックス、アートワークからも、かなりアンダーグラウンドな部分を持ち合わせているのかと思いつつ、今回のシングルの事も含め、ヴォーカルの志磨遼平に様々な話を伺ってみました。
Mary Lou
—— ”Mary Lou” の ベースの下降ラインがキュンとしました!個人的にモータウンのイメージを感じたのですが。
そうです、そうです!僕、モータウンも好きでまさにフィル・スペクターがよくやるウォール・オブ・サウンド的なリフを重ね録りする感じです。
—— 最初ディレクターさんに持って行った曲は「コミック・ジェネレイション」だったんですよね。
はい。でも「う〜ん…。」っていう反応だったので、「じゃあもう1曲書いてきますよ。」って言ってこの”Mary Lou”を書いたんです。そしたら「これ、いいじゃん!」っていう話になって。でもギリギリまでどっちをタイトル曲にするか悩んでたんですけどね。
—— シングルとしてどういうカラーにしようと考えていたんですか?
理想としては両A面的に2曲とも強力な曲があって、もう1曲はアルバムでは出来ないようなものにしたいと思っていたんですよ。3曲目の「デュマフィスの恋人」は最初、英詞の予定だったんです。ある時、スタッフの方から英詞の曲がないか聞かれたんです。実はタイアップのお話があったらしいんですが当時、英詞の曲はなかったので「それなら作ります!作ります!」って言って(笑)。僕、頼まれるの好きなんですよ、曲の書き下ろしとか。
ただやりだすと僕らは凝り出しちゃうので(笑)、時間的な事を考えてタイアップのお話はまた今度という事になったんですけど、曲としては制作を続けたんですね。それで、ドラムとギターが入ってくるパターンやアレンジが決まったり、ジョン・レノンっぽいピアノが入ったりトラックのベーシック部分を録り終えた段階で僕の中で曲としての「位」が上がりまして(笑)。だからタイアップとか関係なく曲としてちゃんと仕上げようって思って。
—— 瓢箪から駒的な感じですね(笑)。
そうそう(笑)。それで、今回ジャケットをデザインしてくださったアートディレクターの信藤 三雄さんからジャケット写真も出来上がってきて、メリールーという、1曲目で歌われている女の人からのアンサーソングというアイデアが僕の中で出て来たんです。だからこのジャケットがなかったら出来ていなかった作品なんです。
—— 「デュマフィスの恋人」というタイトルで、通常盤のジャケットの写真、イメージはやはり椿姫ですか?
まさにそうなんですよ!!