ー 以前の取材でも、どんどん色々な高橋優を曝け出したいということを言われていましたが、その表れでもあるんでしょうか?
そうですね。自分という人間が歌で生きていきたいと思う以上は、歌に全人格というか、自分自身を投影していかないとしっかりやっているということにはならないと思ったんです。だから真面目な部分ばかり見せても嘘になると思ったんです。どういう時も眉間にしわを寄せて何かを考えていますということでもないですし(笑)。
ー 確かに、人間ですからね(笑)
全部やめてチャラチャラ遊ぶときもあれば、部屋でぼーっとしている時もあれば、熱を出して寝ていることもある。親と電話して泣いている時もある。そういう色々な自分を全部出したいと思っています。まだ出せてない部分もあるとは思いますが。
ー 確かに今作は表情豊かに仕上がっていると感じたのはこの「気ままラブソング」の後に「あなたとだから歩める道」が来ていることですね。この曲をプロポーズで歌われたら、グッときますね。
ほんとですか!
ー はい!
でも自分が作った曲が、誰かのそういう結婚のきっかけになれば最高ですね。結構今迄もごくごく少数ですけれど、「高橋優さんのライブを、気になる子と一緒に言ってその後に告白しました。」とかあるんですよ。
ー おー!!
それで成功して今年やった握手会では彼女と来てくれて、「優くんのライブがきっかけで僕たち付き合うことになりました!」って。そういう人を見ていると、やっていてよかったなって本当に思います! この二人の愛は僕が居なければ、はぐくまれなかった訳ですから(笑)。でも、この曲は実際、ウエディングソングとして友人の結婚式に向けて作ったものなんです。
ー そうだったんですか!もうそのご友人の結婚式では披露されたんですか?
はい。ただ、その為だけに作ったので音源化するつもりはなかったんです。でも他の曲と聴き比べていく中で、例えばこの曲をライブでやったら、来てくれた人との絆の歌にもなりうると思ったんです。歌っていてそういう感情がすごく湧いてきたので、改めて自己紹介する意味でも、こういう曲がこのアルバムにはあってもいいと思って収録しました。
ー そのご友人はこの曲に対してどんな感想を持っていました?
すごく喜んでくれました。だから僕も嬉しかったです。人生の中で一応、結婚式は一度と考えると、その人の一度きりの時間を僕が作った曲で過ごすということになるじゃないですか。その5分間位は。
ー はい。
それがあんまり良いものじゃないって言われちゃったら、大失敗なので(笑)。
<一同爆笑>
ー 最新シングル「卒業」も収録されていますが、ちょうどリリース時は卒業シーズン。高橋さんの卒業式の思い出とかありますか?
結構ありますよ。中学校の時、僕、生徒会長だったんですが、2年生で生徒会長になりたての時は3年生を送り出す送辞を読んで、自分が卒業する3年生の時は答辞を読みました。10分間位読んだりもするんですよね。あれは自分で考えるんですけど。
ー 大変そう!
春うららかなこの山間で…とか、普段あんまり言わないこと言うので大変でした(笑)。まぁ生徒会長をやっていたことや、当時コピーバンドを作って学園祭で歌ったりもしていたので、学ランのボタンが全部なくなりました。
ー それはすごいですね!
でも男子ですけどね、あげたのは。
ー えぇ!!?
男子ウケが良かったんです(笑)。
ー あの…女子からは?
ボタンは5つだったんですが、1つだけもらってくれました。でも色恋沙汰というより記念に持っていったという感じでしたね、僕が見た感じでは(笑)。目がハートではなかったし。
ー あははは!
あと高校の頃は、それこそ僕が作った曲をクラス全員で歌いました。
ー それはすごいね。その曲は今でも覚えています?
覚えています。バラードだったんですが、当時これは自分の中で一生の思い出になると思ったし、一生懸命作った曲なので、今聴き返しても「頑張って作ったな」って思うんですけど、卒業式とは別にクラス全員で集まってみんなで歌ったものを録音したんですが、それがびっくりする位、ヘタクソなんですよ!!
ー えー!!
音痴なんです(笑)。それなりにみんなで頑張ってハモろうとはしているんですよ。男子パートと女子パートを分けてBメロはコーラスがいたり、サビでユニゾンとか。でも全然ユニゾンになっていなくて、みんなバラバラ(笑)。でもそれを感動して当時は聴いていたというね。
ー それは曲が難しかったとかではなくて?
いや、簡単だと思います。でもそれをみんな一生懸命歌ってくれたのが本当にいい思い出です。
ー まぁ、あからさまにヘタクソとか言えるのって、それだけ仲がよかった証拠ですね。
そうだと思います。