ー それに夏祭りってちょっと特別ですよね!
佐々木:特に学生の頃の夏祭りって特別ですね。
ー 多分、この歌詞を見ている片想い中の子が100人いたら100人「分かる!」て言いそう。
三浦:おー!
ー この曲は実際、三浦委員長が中学の頃の想い出がベースになっているんですよね。
三浦:はい。中学の頃の夏休み中は、好きな子と夏祭りで会えるのが一番楽しみなんだけど、会えても挨拶程度しか出来なくて、新学期が始まったらまた頑張ろうという気持ちです。でも夏祭りの時も常に、その子の視界に入るポジション取りはしますけど。
佐々木:作戦だからね(笑)。
三浦:そう。見失ったら終わりだから(笑)。
ー 佐々木さんと岡田さんにとっての作戦コードを組んだ夏祭りの想い出は?
岡田:ちょっと遠目で見るくらいはあるけど、作戦まではないな。
佐々木:さすがに中学の時はなかったかな。…これは記事に載せなくていいんですが、中学二年の時に初めて彼女が出来たんです。
ー 載せましょう!
三浦:載せても全然平気でしょ。
テディ:見出しのコメントに載せようか?
<一同爆笑>
佐々木:でも中学生だから、恥ずかしいんです、二人でいる瞬間が。しかもクラスメートが茶化してくるじゃないですか。
ー あぁ。
三浦:何なんだろうね、あの男同士の「ヘイヘイヘイヘイ!」って、からかってくるテンションは。
佐々木:本当に張っ倒したくなりますからね(笑)。修学旅行の時も「せっかくだから二人で写真撮りなよ。ヒューヒュー」みたいな感じで、50人位にからかわれましたもん。
三浦:50人のオーディエンスは凄いね(笑)。
岡田:規模が違う(笑)。
佐々木:そういうのが嫌だったから、夏祭りも一緒には行かなかったです。
三浦:まぁ、嫌って言えるだけましですよね。それすら無かったから。
岡田:(笑)。
ー では音楽のことに話を戻します。少し話はさかのぼりますが、メジャー1stシングル『純愛、故に性悪説』のタイトル曲を制作する際はアレンジでかなり苦労されたと伺ったのですが。
佐々木:いつもはDTMで僕が全体的なアレンジを作って、スタジオに入った時にみんなで微調整していくんですが、「純愛、故に性悪説」の時はほとんどみんなで作っていきました。歌詞も普段は出来上がってから見せてもらうんですが、先に見せてもらったりして流れを考えながらみんなで作る。だからかなり制作に時間がかかりました。特に間奏後が全然出来なくて苦労しました。
岡田:僕たちの楽曲は歌詞推しなんですが、特に「純愛、故に性悪説」は歌詞を推したい曲だったんです。でも歌詞を推す為にはサウンドとしても最後まで飽きさせないアレンジにこだわっていので、時間がかかってしまいました。
ー 今回はいかがでしたか?
佐々木:「春恋、覚醒」は、デモがあったもののイントロが全然出来なかったんです。でもイントロの“ダダ、ダーダダ”っていうリズムが出来てからは全体的なイメージが見えてきて僕も作れました。
ー どの曲もそれぞれに聴かせどころはあると思いますが、ご自身のパートで特にこの曲のこの部分が聴かせどころというのを教えて下さい。
佐々木:僕はやはり「春恋、覚醒」のイントロです。イントロ1と2の部分はすごくカッコいいので、多分聴いたらみんな「おっ!」ってなると思うんです。だからそこは無の状態で聴いて欲しいです。
岡田:僕は「春恋、覚醒」の2番のAメロです。1番までは刻んできているんですが、2番からはリズムが変わって聴こえたりもするので面白いと思います。少し詰まるようなベースのフレーズから一転する感じも、映像が変わるような場面転換をイメージして弾いたので、是非そういう部分を聴いてもらえればと思います。
ー 三浦委員長は?
三浦:「マフラー少女」での、僕の歌の瑞々しさ!
ー おー!瑞々しさですか。
三浦:何でかと言うと(笑)、この曲作ったのが大学生の時なんですが、このメンバーと初めてスタジオで合わせた曲でもあるんです。自主盤でも収録しましたが、もう廃盤になっていて。その曲をもう一度録り直そうということになったんですが、多分大学生の時から色々な意味で僕はもう結構汚れてしまったので…。
佐々木・岡田:(爆笑)
三浦:色々なことを知りましたので、既に大学生の頃とは違うんですよね、多分。それを分かっていつつも、録り直す時には当時の三浦くんになりたかったので、意識したというよりは…逆かな。素で歌ったというか。まっさらな感じで歌いたくてレコーディングをしてみたら、意外とまだ瑞々しさは残っていたなと思って。それは曲にひっぱられた部分もありました。やはりメジャーデビューしてからもう一度この曲を出せるということは、すごく嬉しかったです。勿論昔の「マフラー少女」の方が良かったという人が出る怖さもあるんですが、やってみた結果として自分では満足でしたし、やったことによって浄化されました。
ー 浄化?
三浦:昔、ただ音楽がやりたくて音楽に向き合っている時の気持ちに戻れた感じというか。だからこの曲をレコーディングして良かったと思います。
ー なるほど。ちなみに佐々木さんと岡田さんはこの曲をスタジオで一番最初に練習した日のことを覚えていますか?
佐々木:すごく覚えています!三浦くんと岡田くんは繋がりがあったんですが、僕は三浦くんと会ったことがなくて、初めて三人でスタジオに入った時が初顔合わせだったんです。先のこの曲を音源で聴いてはいたんですが、アレンジがそんなにカッコ良くない印象がありました。
三浦:(笑)。
佐々木:でも声とメロディはすごく良くて。その印象が強かったんです。だから初めて入ったスタジオのこともすごく覚えていて。僕、全く弾けなかったんです!
ー それは当時の佐々木さんとしては難しかったということ?
佐々木:いや、練習していなくて(笑)。
ー コラ!(笑)いけませんね、委員長!
三浦:終わったなと思いました。“もう これは ないな”って(笑)。
岡田:そうだったね(笑)。
佐々木:それ以前に、僕が岡田くんと一緒にやっていたバンドは結構真剣にやっていたんです。でもそのバンドが解散したので、「サポートでいいから。」と言われて。だから正直あまりやる気がなくて(笑)。でもその時にかなり反省しました。ちゃんと合わせなきゃなって。本当に何も出来なかったよね(笑)。
テディ:っていうか、「やる気ないからサポートでいいや」はひどいね。俺はサポートだけどやる気はあるよ!
佐々木:そうだよね!同じ立場だもんね(笑)。
テディ:そうだよ(笑)。それは駄目だよ!
三浦・岡田:アハハハ!
佐々木:当時、就職活動もしていたので「まぁいいか。」って。しかも僕、2回目の練習をサボったんだよね。
ー それで今よく空想委員会として活動出来ましたね(笑)。
佐々木:そうなんです!!本当に感謝で。だから三浦くんにとって、僕の第一印象って最悪だったと思います。
三浦:スタジオを2時間借りて、始めの10分くらいで「あと1時間50分、どうしようか岡田くん…。」って感じでした。
岡田:僕は前から佐々木くんの性格を知っていたので、「まぁそうは言っても、いい奴だしいいギター弾くから。」って。
佐々木:でもそんなこと言われても説得力なかったよね(笑)。
三浦:だってもう無いと思っていたから。何なら「名前なんだっけ?」位の感じだった(笑)。でも、そもそもやる気がないことは分かっていたので、それでもいいから空想委員会の第三期として活動をしたかった。そこで駄目なら僕は音楽を辞めようと思っていたので、とりあえず居てもらって僕が考えたことを試してもらって、結果が出始めたら多分変わると思ったんです。そこまでは我慢というか。
岡田:僕も最初はメンバーというより、手伝いでいいからということでサポートとして活動していたんです。だから未だに「じゃあ正式メンバーね。」という話はしたことがないので、もしかしたら今でも僕たちサポートメンバーかもしれないんです。
三浦:アハハハハハ!
佐々木:本当に話していないんですよ!
三浦:(テディ、佐々木、岡田を指差しながら)ここ全員サポートっていう可能性もあるからね。
<一同爆笑>
佐々木:だから、結果が出れば変わるかもと思った三浦くんのイメージ通りになりました(笑)。そういう意味でも「マフラー少女」は三浦くんだけでなく、岡田くんにとっても僕にとっても歴史がある、特別な曲です。