ー 確かにそれはあるかもしれないですね。
だから始めから難しく弾こうとするのではなくて、より自分がその曲自体を楽しんで弾くというのが、一番大切なんじゃないかと思います。
ー 特に今作の中で弾き語りが難しいと思うのは、どの曲ですか?
意外と“きらきら”は難しいかもしれないです。この曲、コードがずっと同じ上にリズムも同じなので、淡々とアルペジオを続けるだけなんですが、この淡々とした感じをただ淡々とやってしまうと、曲としてつまらなくなってしまうと思うんです。そこでちょっと歌詞に合わせて強めに弾いたりすると、その曲の表情がきちんと出てくるので挑戦してもらうと面白いかもしれません。
ー 是非皆さんに弾き語りをして欲しいですね。それと“しおりのR&R”も、今迄と少し違う新山さんを感じました。
この曲はプロデューサーの笹路正徳さんの作曲なんですが、今迄歌詞を書く時って、良い意味でラフに書くことが出来なかったんです。だからこの曲も、メロディに言葉を乗せるのにすごく苦戦しました。でもレコーディングで歌録りをしていく中で、笹路さんとやりとりしながら引き出してもらった部分が大きいと思います。そうやっていくうちに自分からも出て来た歌い方を含めて、今迄にない私の一面をかなり楽しんでもらえる曲になったんじゃないかと思います。
ー アルバム最後の“Hello”。今回アルバムにタイトル曲はないですが、この曲で「Hello and good-bye」という歌詞が出てきますね。
今回のアルバムの一番キーになっている曲です。この曲の歌詞は自分が20歳になる前日の夜を想像しながら書いたんです。
ー 面白い発想ですね。
「10代から20代に向かっていく」、「これからまた新たに進んでいく」というのが最終的にこのアルバムのコンセプトになっているので、大切な曲です。
ー どんな20代になるでしょうね。
なんかまだ全然想像がつかなくて(笑)。それも少し楽しみだという気持ちも歌詞に入っています。
ー 今の段階、10代を終える淋しさと20代を迎えるワクワク感みたいなものは、どちらが多いですか?
(少し考えて)20代に向かっていく気持ちかな。曲も今はアコギで作ることが多いんですが、折角ピアノを習っていたので今後はピアノでも曲を作れたらと思います。
ー ギターとピアノ、両方で曲を作る人の話を訊くと、かなり音の構成が変わるっていいますよね。
そうだと思います。ピアノで何となく出て来たメロディーを弾くと、すごくメロディアスなんです。ギターではなかなか出てこない流れもあって面白いですね。だからもっと、そういうことにも手をつけていきたいと考えています。
ー 最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。
今迄私の曲を聴いてくれていた人たちも、初めてここで知ってくれた方も、本当に一曲一曲通して楽しめるアルバムだと思うので、何よりこの『ハローグッバイ』を手に取ってそれを味わってもらいたいです。これからライヴも、もっと色々な場所でやっていけると思うので、是非遊びに来ていただきたいです。
ー ありがとうございました。
取材・文/秋山昌未
■ 新山詩織オフィシャルサイト
http://niiyama-shiori.com