昨年『100万回の「I love you」』が脅威のロングヒットを記録したシンガーソングライターのRake。それに続く、今年3月7日リリースの『フタリヒトツ』は、まるでその恋人同士の第二章のような物語で、ストレートな歌詞に軽快なメロディをのせた楽曲。また、震災後に出来たカップリング曲「希望の歌」へ込めた想いも含め、自身も被災した震災へ対する今の気持ちや音楽へ対しての取り組み方、好きなミュージシャンの話などを聞いてみた。
ー ご無沙汰しています。昨年、渋谷クラブクアトロでのツアーファイナル以来ですね。
もうそんなになりますか!ご無沙汰しています!!
ー 昨年は『100万回の「I love you」』が大ヒット。元々はCDリリースの予定ではなく、2010年11月に着うた(R)でスタートし、脅威のロングランを続けていますが、昨年はRakeさんの年と言っても過言ではないですよね。
ありがとうございます。嬉しいです!
ー 今の時代、J-POPでこれだけ息の長い楽曲というのは正直、珍しいと思うんです。
嬉しいですね。曲というのは、リリースしてみなければ分からないし、色々なタイミングや巡り合わせもあってのことだと思うんですが、本当にここまで長い間、こんなにも沢山の方々に応援していただけるということは正直、想像もしていませんでした。でも、誰でもやっぱり笑顔になりたいし、楽しい気持ちになれる音楽というのを求めているんだと感じました。1年以上も皆さんに応援していただいて、曲自体も成長していっていると思います。
ー 今言われた、「楽しい気持ちになれる音楽」を求めていたという部分以外でヒットの要因は何だと思いますか?
なんでしょうね?! それは本当に沢山の皆さんの応援のおかげだと思ってます。
ー なるほど。
歌っている内容はいたってシンプルで、誰しもが一度は思うことかなという事を歌ってます。大切な人が出来て想いを伝えたい。好きだとか愛してるとかI LOVE YOUとかあるけれど、何回も何回も言っても伝わらないという想い。みんなの心に響いてくれたのなら、多分そういう部分が全てなんじゃないかなと思います。
ー USEN J-POP総合年間チャートランキング男性1位を獲得した他、様々なランキングにチャートインしていますが、昨年12月に150万ダウンロード!相当凄いことですよね。
それは応援してくれる皆さんやスタッフの支えがあってのことなので、応援して下さる皆さんに感謝です。自分が作った曲が自分の手を離れて多くの人に聴いてもらえるというのは作り手としては本当に幸せですし、中学生の頃からずっと曲を作ってきて、チャートインは初めての経験なので純粋に嬉しいです。
ー その分、かなりお忙しかったんじゃないですか?
本当にほぼ毎日歌っていましたね。
ー 体調は大丈夫ですか?
震災を経て、気持ちも整理がついていなくて、多分色々な疲れとかもあったんだと思うんですが、精神面でも体調面でも正直少しキツかった時もありました。でも、そういった意味で『100万回の「I love you」』という曲には、僕自身助けられました。聴いてくれているみんなともコミュニケーションがとれてエネルギーをもらえましたので、夏以降は忙しかったんですが、それと同時に充実感がありました。音楽で繋がって、みんなからもらえるパワーの方が勝っていたんですよね。なので、疲れたという感覚はありませんでした。
ー 仙台で結婚式のサプライズライヴもされましたが、あれはどういうきっかけだったんですか?
『100万回の「I love you」』を是非結婚式で歌って欲しいという要望を本当に沢山いただいたんですが、僕がライヴをさせてもらった結婚式の新郎新婦さんというのは、震災で大変な被害にあわれた方々だったんです。僕も同じ仙台人、東北人として想うことはあったし、普通にハッピーなだけの結婚式とは感じるものが違ったと思うんですが、そこにはやはり愛が溢れていて、二人の門出を暖かく見守っている親御さんや親戚、ご友人の姿をみていると、そこで歌わせてもらえたのは、ミュージシャンとしてありがたいですし、本当の意味で曲が響いたと思います。お二人の中で、この曲がかけがえのないものになってくれたならすごく嬉しいです。
ー 本当にそうですね。そういえばその時『誓い』も歌われていましたが、もうピアノは慣れましたか?
だいぶ慣れました。一昨年に初めてピアノを始めて、今は好きになってきました。しかも先週(取材時)、鍵盤を買っちゃいました!