ー 何やら顔が笑っているんですが(笑)。
正直、サウンドとしてはすごく使いづらかった!!
<一同爆笑>
だってパーソナルな曲なのに、ホールの大きな音響だからリバーブを0にしてもリバーブがかかっている状態だったから(笑)。まぁ記事としては「僕の後ろにはスタッフがいて、僕の前にはお客さんがいて、 “さかいゆう”が存在する。」だけでいいです(笑)。
ー アハハ!きっちり使わせて頂きます(笑)。
でも実際本当に自分だけでは、アーティストとしての“さかいゆう”は成立しないと思っています。だからこういうコラボもありだなと思って。
ー やはり楽しいですよね、音楽で繋がれるというのは。
そう思います。
ー NHK BSプレミアム「アイアングランマ」主題歌にもなった「闇夜のホタル feat. 日野皓正」ですが、イントロから日野さんのトランペットはヤバいですね!
人間性もヤバいですけどね(笑)。
ー え、どういうこと?(笑)
宇宙人。木星人くらいかな。結構遠いでしょ(笑)。
ー かなり(笑)。
例えば一言コメントを頂きにマネージャーが行くと、5、6分喋っているような人。完全に自分の中で生きている人だから。
ー なるほど。
それとものすごいピースフルな人で、愛に満ち溢れている。多分色々なことを乗り越えすぎているんだと思う。だからステージがちょっと常人とは違う人です。でも僕ね、そのひとつ下くらいの景色までは見えている気がする。
ー それって凄くない?
自分のステージキャリアが少ない分、みんなにはそういうアティチュードを取らないけど、でも見えているのはそういう景色。だからすごく分かる!あの方は音楽に真っすぐで、音楽のこと以外は別にどうでも良いというか。僕もそうだから。でも僕がそういう態度を取ると、色々な人に迷惑をかけるだろうと思うから、ある意味“さかいゆう”を演じている部分もあるけれど、基本的に音楽と向き合っている時は皓正さんの感覚がすごく分かります。音楽のこと以外で自分がどう観られていても構わない。ピュアに、ライヴなどでその場にいる人たちを楽しませたい。
ー じゃあもっと経験を重ねたら、日野さんみたいになるかもしれないですよね。
なりそう(笑)。ただ日野さんはまだご自身のことを未熟だと思っているようで、「(モノマネで)今、HIPHOPとか色々盛り込んでやっているけど、まだ次のステージにいけないんだよ。神様か誰か分からねぇけど、お前はこのステージで色々とMIXして、実験してやれ!って言われてるんだ。でも本当はそんなことどうだっていいんだよ。音楽ってそういうことじゃねぇんだから」って言っていました。話のスケールが大きいでしょ(笑)。
ー 確かに(笑)。
でも僕もそのチャンネルを持っているから分かるんです。
ー 息子さんの日野JINO賢二さんがベースを弾くことがきっかけで今回コラボすることになったらしいですが、JINOさんもお父様の血は引いていますか?
引いてますね(笑)。でもやっぱり親父の方がすごい!だってお父さんのキャリアは凄いですからね。今の人たちはあまりピンとこないかもしれないけど、本当に偉大なる人ですから。今回もそうだけど日野さんのトランペットって音が違うじゃないですか。「いい仕事をしている」というレベルじゃない。
ー ひと吹きだけでドラマが広がる。
そうそう!でもレコーディングの時、僕のことをずっとアレンジャーだと思っていたらしくて「シンガーの女の子、来なかったね。」って言ってた(笑)。
ー アハハハ!「ゆう」っていう名前だから?
しかも声が高いから。
ー あぁ!
男性のジャズシンガーって結構声が低いから。で、「僕がシンガーです。」って言ったら、「(モノマネで)えー、誰がぁ?嘘でしょ〜(笑)。」ってずっと言っているから面白くて。
スタッフ:すごく似ています(笑)。
歌詞の内容云々というよりは、“こういうのが欲しいんだろ?”って、 波動で分かってくれている人でした。だから僕が描いていたイメージより、もっともっと素晴らしい音を入れてくださいました。
ー 6年目に突入しましたが、今後の目標は?
バンドで全国ツアーをしたいです。だからもっともっと頑張って人気者にならなくちゃ。5年って時間かけているといえばかけてる方だと思うんです。でも僕は時間をかけて良いタイプだと思っているし、多分ついて来てくれているファンの人たちは今後も来てくれるだろうと思うんです。
ー でも、ここにきて人気が一気に急上昇しているイメージがありますが。
いや、そんなことはないと思います。少しずつじゃないかな。だって急上昇していたら横浜アリーナワンマンとか出来ているでしょ。
ー もう出来るでしょう。
どうかな?でも僕は順序を踏んでいきたいんです。スタッフと歩んでいくというのも楽しみのひとつだし、人気が出たからいきなり大きなステージでということでなく、徐々にステップアップしていくのが楽しい。それでバンドでの全国ツアーをして、ミュージシャンに満足のいくギャラを払って、美味しいものを好きなように食べられて。冬のツアーだったら毎回お寿司が食べられて…。
ー 話が食べ物へ向かってるけど(笑)。
でもそういうのがモチベーションを上げてくれるんですよ。だって一人でお寿司食べても楽しくないじゃないですか。みんなで食べたい。
ー 確かに。
それにはもっともっと売れろって話だけど(笑)、そういうことをひとつの目標にしています。あと、自分の音楽を好いてくれる人も好いてくれていない人も含めて自分の仲間だと思っているから、音楽を作り続けていきたいです。続けることが大変なのは僕もよく分かっているから。
ー 確かに継続することが一番難しいかもしれない。
そう。才能だけでは駄目だし、人気だけでも駄目だし。
ー 最後にmFound読者のみなさんへ一言お願いします。
今作『さかいゆうといっしょ』で、音楽を一人で作っているのではないというのを感じて欲しいです。歩んでいくと自然と仲間が増えて、その人たちと音を奏でたらこんなに素敵なアルバムが出来ちゃいました。是非チェックして下さい!
ー ありがとうございます!
取材・文/秋山昌未
■『さかいゆうといっしょ』特設ページ
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/sakaiyutoissho/
■ さかいゆう公式サイト
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/