昨年4月にリリースしたフルアルバム『JUNKLIFE』では、特徴的な音やメロディに特化した楽曲を楽しめる作品だったのに対して、6月6日リリースの『SEVEN』では、人間の本質や願望を長澤知之という人間のパーソナルな視点で描かれている気がする。そんな長澤に、今作のことを歌詞の面、サウンド面のことを中心に話を聞いてみた。
ー アルバムという形では『JUNKLIFE』からは約1年ぶりで、その間シングル「カスミソウ」もリリースしましたが、アルバムとして、次はこういう作品にしようというイメージは何かありましたか?
『JUNKLIFE』が出来た後、これといったイメージがすぐに湧いたわけではなかったのですが、今回のミニアルバムのテーマを考えている時に、次第に”SEVEN”というワードや”虹” というものが頭に浮かんできて、僕にとって音楽に例えやすいものを引き出して、色々な曲を集めて出来たという感じです。
ー ということは、この『SEVEN』というタイトルは虹のイメージ?
それが強いですね。タイトルに関しても、難しくずっと考え続けるよりも、ある意味分かりやすい言葉で名付けたいと考えていたんです。だから元々、”Color of Life” というタイトルを付けていたんですけど、何かそれだと説明臭くて(笑)。 それで、SEVENがいい!って思い、名付けました。
ー それは楽曲達に対しても同じですか?
そうですね。それぞれ色とりどりで、一つ一つの曲がどんな色でもビビッドに輝いていて欲しいという想いがあります。
ー それがあのジャケットの絵に表現されているわけですね!
はい。
ー キャンバスの大きさは2m40cm×2m40cm!!
はい。大きい絵を描きたいってワガママを言ったら用意していただけてすごく楽しく出来ました。時空を切り裂いて街の中でを音楽を演っているというイメージなんですが、虹を描く、虹を刻む、音楽を楽しくやっていますよという雰囲気をジャケットにしたかったです。
ー 制作にはどれ位の日数かかりました?
これは4、5時間位かな。
ー え、そんな短時間で描き上げたの?!
ええ(笑)。このために用意していただいたスタジオで描いたんですが、色の混ぜ具合とかを画家の方にご指導いただきながら、色の感じを調整していったので、時間的な面でもとても助かりました。
ー 頭の中で元々、絵のイメージは出来上がっていたんですか?
すごい雑なデッサンはあってブログには載せたんだけど、何かアホみたいなデッサンで(笑)
ー アホみたいって!!!(笑)でも、このジャケットが公開されてからファンの間でも結構話題になりましたよね。
嬉しいです。
ー さて、楽曲の話ですが『JUNKLIFE』で培った曲のバリエーションや、楽器の音の面白さをすごく感じたけど、今作『SEVEN』では、より長澤知之という人間でありミュージシャンの日記のようなイメージを受けました。
そうだとしたら嬉しいです。自分の中の想いを嘘もなく書けたらいいと思っていたので。何が自分らしさかという部分は、自分では客観的には分からないですが、自分の考えたことや想いが作品という形として、いい方向へ向いていればいいですね。
ー『JUNKLIFE』とも確実に違う作品や空気感ですね。
『JUNKLIFE』では色々なイメージの楽曲を沢山入れようと思って作ったんですが、今回は七色に決めて、その中でどういう風にキラキラさせようかと考えたので『JUNKLIFE』ほどマッドに渦巻いているのではなくて、もう少しフワフワという感じなのかな。そういう雰囲気にしたかったです。
ー では作品のことを伺います。「あんまり素敵じゃない世界」ですが、タイトルの ”あんまり素敵じゃない”というのが、”素敵”って言い切ってしまうよりリアルで好きです。
リアルでしょ!
ー 歌詞メロディも、今までの長澤君の目線と少し違う方向を向いているように感じました。単純な言い方すれば、まっすぐで前向きで、とても新鮮でした。
その部分はある程度、意識しているところもあります。例えばメロディの乗せ方なんですけど、日本語って、ひとつの音に対してひとつの言葉が乗っかるじゃないですか。たまにひとつの言葉にふたつのメロディを無理矢理乗っける方法もあるし、そういうやり方をする人もいますが、今回は「にーじ、ぼくーは♪」って、簡単に歌えるようなポップさを出したかったんです。