8/8リリースのシングル『ユリーカ』(読売テレビ・日本テレビ系全国ネットTVアニメ『宇宙兄弟』オープニングテーマ)をリリース後、8/22にはSelf Cover Best Album『DOUBLES BEST』をリリースのスキマスイッチ。『DOUBLES BEST』では、大橋卓弥(Vo,G)、常田真太郎(鍵盤)の二人だけでリアレンジの上、新しく録音をした。その制作秘話や、10th Anniversary Yearに突入したスキマスイッチを振り返りながら、様々な話を伺った。
ー 8月8日リリースのシングル『ユリーカ』ですが、疾走感溢れていて、サビで上昇する感じがとても気持ちいい夏にピッタリのナンバーですね。
大橋・常田:ありがとうございます!!
大橋:夏フェスとかでこの曲をやるのは自分達も楽しいですし、みんなすごく盛り上がってくれます。
ー タイトル曲の「ユリーカ」は、読売テレビ・日本テレビ系全国ネットTVアニメ『宇宙兄弟』オープニングテーマになっていますが、こちらは書き下ろしですか?
大橋:そうです。監督さんからは、バラードではなくアッパーな曲で、歌詞も恋愛テイストのものでない方がよいということはお願いされましたが、後は好きに作らせていただきました。
ー タイトルの『ユリーカ』とはどういう意味ですか?
大橋:元々はギリシャ語の「エウレカ」から来ているんですが、その英語読みが「ユリーカ」なんです。数学用語だったりもするらしくて、公式を自分で発見した時とかに「やったぞ!」とか「発見した!」という意味で使われていたみたいです。
ー 何故そのタイトルにしようと思ったのですか?
大橋:今回タイトルに関しては二人ですごく悩んだんです。元々、シンタくん(常田)が付けてくれていた別のタイトルがすごくしっくりきていたので、そのままいくかと思ったのですが、歌詞をブラッシュアップしているうちに段々タイトルの意味からイメージが離れて、分かりづらいものになってしまったんです。だから、そこで色々悩んで考えた結果、この「ユリーカ」が一番ピッタリだということになりました。
ー 書き下ろしということで、漫画やアニメの世界はかなり意識しましたか?
大橋:実は最初、このお話をいただいた時に、アニメも漫画も読んだことがなくて、絵しか知らない状況だったんです。それで、スタッフからこの話を聞いて、ふと浮かんだメロディをその場でレコーダーに録音しておいて、シンタ君にも「こういうのどうだろう。」って聴いてもらいました。ベース部分はシンタ君が作ったんですが、僕の作ったメロディも折り合わせながら作りました。
ー 曲のラスト付近の「心の中に住み着いている〜胸の淀みがスーっと消えた音がしたんだ」という歌詞だけカギカッコがついていますが、それはどういう理由でしょう。
常田:自分の心の声や、天の声のようなものと言えばいいのかな。自分の中の別人格のようなものです。元々あの部分は喋っているイメージがあったんです。というのは、歌詞のたたき台を書いたのは僕なんですが、そこの部分だけ違う雰囲気にしたくて、そこで出て来た案が「早口みたいなものがあったら面白いよね。」というものでした。「それならそこは卓弥(大橋)、やってみてよ。」という感じで、僕と卓弥の書き分けでやってみました。そういう意味では、当たり前ですが書いている人間が違うので、別人格のようなニュアンスが出ましたし、それはそれですごく面白くて、それならここだけ鍵カッコで括ってしまったほうが、別人格的なイメージになるし、何より目で見てすぐ分かるんじゃないかという話になりました。
ー 確かにあの部分で歌の世界がより立体的に感じました。『宇宙兄弟』は、子供の頃に宇宙飛行士を夢見た兄弟がその夢を現実にすべく奮闘するストーリーですが、お二人は子供の頃、何になりたかったですか?
大橋:僕はマジシャンになりたいと思ったんですけど…(笑)
ー え!、マジシャンですか? マジックが得意だったんですか?
大橋:僕が小さい頃、うちの父親が僕にマジックを披露してくれたんです。でも最初、何でそうなるのか全く意味が分からないんですよね(笑)。ティッシュをいくつか丸めて、手を広げる度にその数が変わっていくという、今考えると単純なものだったんですけど。僕自身、小さい頃から人を驚かせたり楽しませたりすることが大好きだったので、それを見た時にマジシャンになりたいと思いました。でも、誰にもその夢を言ったことがなかったんです。人にはF1レーサーになりたいって言ってましたから。
常田:F1レーサー!?(笑)
ー 何でまたF1レーサーなんですか!?(笑)
大橋:小学校の卒業文集に、将来の夢を書くじゃないですか。
ー はいはい。
大橋:それで僕はマジシャンって書こうと思ったんですが、隣の席のすごくカッコいい奴は本当に車好きで、「F1レーサーになりたい」と書いてあって、その響きがカッコいいなと思って。
ー え、便乗?!
大橋:そうそう(笑)。それで卒業文集にはF1レーサーになりたいって書きました。
ー でも本当はマジシャンになりたいわけじゃないですか。何か練習とかしたんですか?
大橋:練習しましたよ。いくつか出来る手品もありますし。
ー じゃあそれを今度ライブで是非披露してください。
大橋:それ良く言われるんんですけど、最後列の人は何をやっているのか全く見えないですよね。
ー じゃあ、大型スクリーンがある大きな会場で。それこそオーガスタキャンプとか(笑)
大橋:オーキャンでね(笑)。でも僕、体が真っ二つに割れるような手品ではなくて、いわゆるクローズアップマジックと言われるテーブルマジックが好きなので、すごく地味ですよ(笑)。トランプの数字が変わってる位とか。
常田:これ…変わってる? 微妙に…消えてない? って感じ?
大橋:そうそう(笑)だからその時間があればもう一曲お届けしたいです。
常田:確かに!(笑)
ー 常田さんの子供の頃の夢は何ですか?
常田:僕は、スポーツ選手か、ガソリンスタンドの店員さん。
ー ガソリンスタンドの店員さん?
常田:かっこ良かったんですよ。すごく喋りかけてくれたし、ハキハキしてかっこ良かった。僕は今でもそうなんですが、子供の頃は今以上にハキハキ物を言えなくて、誰かに挨拶しても、それを横にいる父親には聞き取ってもらえなくて「お前、挨拶したのか?」って怒られるんです。それが悩みだったんですが、ガソリンスタンドの店員さんは大きな声で「いらっしゃいませーーー!!!」とか言うじゃないですか。だからすごく憧れました。
ー でもスポーツの方は、始球式をされたり、草サッカーチームに所属されたりしていますよね。
常田:そうですね。才能はないんですが体を動かすことが子供の頃から大好きだったので、特にサッカーに関しては好きでい続けてよかったと思います。