7月にシングル『Ah Yeah!!』をリリース後、11月19日にシングル『パラボラヴァ』をリリース。その後12月3日にシングル『星のうつわ』と、アルバム『スキマスイッチ』を同時リリースするなど、リリースラッシュのスキマスイッチ。更に『星のうつわ』はアニメ映画『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』の主題歌として話題を呼ぶことは必至!デビュー11年目にして更に加速するスキマスイッチの大橋卓弥と常田真太郎が、作品を通して今、面白いと思うことや、音楽、そして自分たちの在り方に対しての想いを語ってくれました。常に第一線で音楽と向き合っている二人だからこそ感じる本音は必読!
ー『Ah Yeah!!』に続き、11月19日にリリースしたシングル『パラボラヴァ』の各タイトル曲のミュージックビデオ(以下:MV)では、結構挑戦していますね。
大橋:そうですね(笑)。
常田:“Ah Yeah!!”も“パラボラヴァ”も柿本ケンサクさんという監督さんなんです。
ー “パラボラヴァ” ではスタントをつけたとは言え、お二人もかなり体を動かしていましたし。
大橋:身ひとつで壁を乗り越えたりジャンプしたりする「パルクール」というスタントで、何か面白い映像を撮りたいと監督からアイデアが出たんです。それであのすごいグループの方々にご協力いただいたのですが、最後のカンフーシーンは実際に殺陣をつけてもらい、僕らもアクションに挑戦しました。
ー かなり練習されていましたよね。
大橋:練習しましたね!なかなか難しかったけど、作品としては面白いものに仕上がったんじゃないかと思っています。
常田:あの日は気温が高くて、僕は殆ど上着を脱いでいました(笑)。でもこうやって、今みたいに話題にあげてもらえる作品を作りたいと、常々思っていたんです。そういうことを分かっていただける監督さんと出会えたので、色々なところで「MV、観ましたよ!」って言っていただけて嬉しいです。
ー しかも冒頭からお二人に矢が刺さるというインパクト!
大橋:そうそう(笑)。
ー でもそういうことを、デビュー11年目にして楽しめるお二人が最高ですよね。
大橋:面白いことをするのは好きですね。
常田:何もしない選択肢もあるんだろうけどね(笑)。でもせっかくだから、全部楽しい方がいいじゃんって思っちゃうんですよ。
ー『パラボラヴァ』初回特典DVD「Uketometai THE MOVIE~I Wanna Catch~」でも、スーパーパラボラ兄弟と称して、かなり面白いことをされていましたし。
大橋:アハハ!あれもバカバカしいしいですけど、せっかくのおまけじゃないですか。普通にMVを収録してそれを楽しんでもらうのも良いんですが、ああいうところで人柄みたいなものが伝わると音楽も、もっと伝わっていくんじゃないかな。そういう気持ちがあるので、「そんな二人が作っているこの曲が!」とか、「あんな馬鹿なことをやっている二人が“星のうつわ”みたいな壮大なバラードを歌っている!」という感じに繋がってくれたら嬉しいです。
ー 楽曲の話になりますが“パラボラヴァ”は、ヨコハマタイヤ「アイスガード ファイブ」CMソングにも起用されていますが、本当にラブ度が高い曲ですよね。この曲は常田さんが作詞を手がけられたんですか?
常田:あくまでもたたき台というか、テーマ決めの部分ですけど。
ー 最初、大橋さんが歌うのを少しためらったと伺いましたが。
大橋:そうですね。ラブソングを書く時って、相方の恋愛観みたいなものを垣間みる部分もあって。
ー なるほど。
大橋:まぁ “パラボラヴァ”に関しては、あれがすべてシンタくんの恋愛観かどうかは想像にお任せしますけど(笑)。
常田:ごく一部です(笑)。
大橋:ああいうストレートな歌詞を歌わずにいたところがあったので、最初に歌詞を読んだ時は、確かに恥ずかしいという気持ちがありました。でも曲が呼んでる感じとはすごくマッチしていると思っていたので、シンタくんの書いたたたき台を元に「どうせやるなら、もっともっとラブ度を増していこう」って、二人でエスカレートしていった部分もあります。今迄それをやってこなかった分、このタイミングでああいう曲を歌うと、あんなに純粋なラブソングなのにどこか皮肉に聴こえたり、もしかしたら裏のテーマまで想像してもらえたりするかなと思って作りました。
ー 今迄、こういうラブソングを歌ってこなかった理由は何かあるんですか?
大橋:僕らがやらなくても、色々な人がすごく純度の高いラブソングを作っているので、スキマスイッチはもっと別のことをやろうという意識が、お互いの中で結構強いのかもしれません。
常田:とは言えストレートに聴こえつつも、歌詞の中で「好き」とは言っていないので、ひねくれていることはひねくれていると思いますが。回りくどいというか(笑)。その部分はあまり変わっていないかもしれません。やっぱり僕らは「好きです。愛しています。アイ・ラブ・ユー」みたいなところにいかないこだわりというか、面白さはあまり崩したくない気持ちもあるんです、実は。でも、イキきっているとは思います。
ー そう思って聴くと面白いですね。サウンド面では、同じAメロでも演奏が違ったり、独特の拍の付け方をしていたりと、やはりスキマスイッチさんらしい細かさで構築されていますね。確かオフィシャル動画でもコメントされていると思いますが、カラオケで歌うのが難しそうですよね。
大橋:あー。
ー この曲だけでなく、スキマスイッチさんの曲は結構難易度高いんですよね。
大橋:よく言われます。
常田:1回コケると、ついていけなくなると言われます(笑)。
大橋:あと、歌詞が余るとか(笑)。
常田:そうそう(笑)。
ー あります!
大橋:結構二人とも、音の響きやリズムが出る歌詞が好きなので、作っているうちに複雑になったり「これは歌えないかな?」と思う言葉数でも、二人で「こういう歌い方をしたら入るんじゃない?」って話し合いながら作っていると、刻むものが多くなったりするんです。だからちょっと独特な節回しかもしれませんね。
常田:よく先輩ミュージシャンに言われます。「歌えねーよ!」って(笑)。だから、譜割りも難しいかも。
ー 槇原敬之さんやKANさんも譜割りが独特ですよね。
大橋:あとaikoさんとか。
ー そう。譜割りや節回しが独特なので、ぱっと聴いただけだと「歌えるかも!」と思うけど、実際は…。
大橋:本当は、みなさんに沢山歌って欲しいんですけどね。
ー スキマスイッチさんのアッパーな曲を、うまく歌えるコツはありますか?
大橋:コツかぁ…なんですかね。まず譜割りは覚えてください。節回しも含めメロディっぽくなっているところが、スキマスイッチらしさというかカラーでもあるので、なるべく僕の節回しをコピーしてもらえれば、雰囲気は似ると思いますし、案外原曲に近いものになるんじゃないかな。あの節回しをカットされる方が多いんです。
ー それは、難しいから出来ないんですよ!
常田:アハハ!
大橋:まぁそうなんですが、そういう意味では歌えないものが歌えるようになることって、音楽の楽しさのひとつじゃないですか。
ー 確かに。
大橋:僕も誰かの曲で「この部分難しいな。」と思ったところは、歌えるようになるまで口ずさんでみたりするんです。そうすると歌えるようになった時に、その曲が自分の中でも「あ、この曲になった。」という実感が生まれるので、すごく楽しいと思います。とは言え、実はテクニック的にはめちゃくちゃ難しいことではないんです。ちょっとややこしいだけで(笑)。
常田:そこだよ!(笑)
<一同爆笑>