今年8月に、シングル『彼に守ってほしい10のこと』でメジャーデビューした植田真梨恵。ポップさとキャッチーさが前面に打ち出された前作から約3ヶ月後の11月19日、セカンドシングル『ザクロの実』をリリース。今作は「大切なものを失うということをテーマに作ったひたすら切ないシングル。」だと植田は言う。そんな今作のことを中心に、今の植田真梨恵が感じていることを色々と語ってもらった。
ー 前作のメジャーデビューシングル『彼に守ってほしい10のこと』は、歌詞もサウンドもキャッチーさが際立っていたけど、11月19日にリリースの今作『ザクロの実』は、ある意味で真梨恵ちゃんらしさを感じさせるシングルだと感じました。
『彼に守ってほしい10のこと』はかなりポップな感じで、疾走感溢れる爽快な雰囲気を打ち出しましたが、今作ではもう少し「陰」の部分を意識しました。
ー デビュー後初のワンマンライヴ【植田真梨恵 LIVE TOUR 2014 UTAUTAU vol.1】でも“ザクロの実”を披露されましたが、ライヴレポートをさせていただいた東京公演もすごく盛り上がりましたね。
盛り上がりましたねー!すごく楽しかった。真っすぐに自分の音楽を届けるというスタンス自体は今迄と変わりないんですが、それ以上に私自身がパワーアップしていないといけないとは思っていて。特にメジャーデビュー後、初のワンマンライヴということもありますし。
ー なるほど。
ワイワイ楽しいライヴも素敵なんですが、それ以上に歌うことでみなさんにパワーをあげられるみたいな、そういうライヴをしたかったので「UTAUTAU」というタイトルをつけました。でも実はすごく怖かったんです。
ー え、何?
みなさんのパワーがめちゃくちゃアツかったので、ライヴが始まってすぐに自分が楽しくなりすぎちゃいそうで(笑)。1曲目からお客さんに触発されて、すごく舞い上がりそうになったのが怖かったので、ひたすら私は私でパワーを放つ!みたいな気持ちで、中盤くらいまではかなり緊張感を保つことを意識してライヴを進めていました。
ー そうだったんだ。でも確かにオープニングから真梨恵ちゃんのパワーとお客さんのパワーがぶつかり合うくらいにヒートアップはしていましたしね。
本当にみなさんのパワーをすごく感じました。それは大阪公演も同じですが、ファンのみなさんが待っていてくれた気がしたので、ひたすら楽しい2公演でした。
ー そして今作のタイトル曲“ザクロの実”ですが、出来たきっかけの一端は、NHK「みんなのうた」で流れていた“メトロポリタン美術館”だとか。
この曲、知ってます?
ー 最初は分からなかったんだけど、曲を聴いたらすぐ分かりました。「あぁ、大貫妙子さんの曲だ。」って。
そうそう!私、小さい頃からNHKが大好きで(笑)。だから風邪で学校を休んだ日は朝から夜までずっと観ていたし、学校から帰って来てもみんなポケモンとか観てるけど私はずっとNHKで「忍たま乱太郎」とか「天才てれびくん」を観ていました。それに小さい頃から歌うのが大好きだったので、子どものころは「みんなのうた」や「お母さんといっしょ」で流れていた曲を殆ど覚えていたくらいだったんです。
ー それはすごいね。
だから、「みんなのうた」で流れていた“メトロポリタン美術館”は今でも大好きな曲だし、ちょうど“ザクロの実”を作るころに“メトロポリタン美術館”を久しぶりに耳にすることがあって、ああいう曲のように子どもでも口ずさめるような、ピアノと呼吸感のある雰囲気で、もう少し暗いメロディの曲が書きたいと思っていたんです。
ー じゃあ、歌詞というよりメロディラインに影響を受けた?
そうです。だから“メトロポリタン美術館”のAメロと“ザクロの実”の始まりの部分はかなり譜割りが似てるんです。だって参考にしたもん!って(笑)。
ー あはは!それ位ハッキリ言い切るのは気持ちいい(笑)。でもアレンジで真梨恵ちゃんらしいサウンドに仕上げていますよね。
“メトロポリタン美術館”はかなり80年代らしいポップでポコポコしたサウンドですが、 “ザクロの実”は、ピアノロックの4つ打ち感を出しています。