ー 歌詞にもあるように「わからない、わからないことばかりだ」という感じ?
そうです。わからないことばかりだけど、そこからお互い自分の道に帰るというか、決別を決めて帰ってきた時の歌。その時にちょうど朝焼けが出ていたんです。それがまるで全部を見ているような感じだったので、“朝焼けの番人”というタイトルにしました。
ー 少し昔の曲だけど、レベッカの“MOON”みたい。
(歌いながら)MOON あなたは 知ってるの MOON あなたは 何もかも〜♪…あぁ、確かに。でもMOONの方が真っ当な悲しい曲に聴こえる。私がこの “朝焼けの番人”を書いた時って、正しい自分に戻るような気持ちで書いていたから。
ー 正しい自分?
正しい選択を選ぶために決別をした。そのことを書いた曲でもあるので、人間としての弱さやモロさが出ている気がするんですが、“MOON”の方が圧倒的に悲しさとかを全て真摯に受け止めている気がする。
ー あー、なるほど。
でもこの“朝焼けの番人”って、聴いてくださる人それぞれが全く違うシチュエーションを思い浮かべてくれるんです。例えば取材でも「こういう曲ですよね。」って説明してくださるんですが、それがみなさんそれぞれに違うんです。
ー それって面白いね。
皆さんが持っている想い出や情景が、そのままこの曲に投影されているのかなと思って私としてはすごく嬉しいです。
ー 先程言われていた正しい自分、正しい選択って難しいですよね。それを選ぶことが正しいとは思っていても、自分にとっては身を引き裂かれるほど辛いこともあるし。
よく言うじゃないですか。正しい道と楽しい道は違うって。
ー はい。
でも自分が一番大切にするべきことに対して背いていなければ、どちらでも良いと思っているんです。結果的に自分が一番裏切りたくない気持ちだったり存在だったり、ここだけは嘘をつけない、傷つけられない部分。守らなければいけない領域。そういうことに対してきちんと真っすぐでいられるならば、その時自分が楽しい選択をしようが辛い選択をしようがどちらでも良いと思っています。今は心底そう感じます。
ー 来年1月には東京と大阪で、歌とアコギとピアノでのワンマンライヴ【LIVE OF LAZWARD PIANO –青い廃墟-】が開催しますが、どういうライヴにしたいですか?
ピアノとアコギの編成でのライヴは来年で丸4年になるんです。でも、ずっとやってきたとはいえ、新鮮味を持ちながら新しいことも挑戦したいと思っています。今年の1月にもラズワルドピアノワンマンツアーを開催しましたが、またそれとも違うステージにしたい。まぁ編成自体は変わらないので、やれることは限られてくると思いますが、もっと新たな一面を見つけて、何かしらの形でそれが出来たら一番素敵だなと考えています。この編成が私としても一番自由に音楽を演っているというか、全身で音楽だけに打ち込める状態なので、それを是非観に来て欲しいです。
ー 最後にmFound読者のみなさんへ一言お願いします。
今この時期って、私はすごく音楽が良く聴こえる時期だと思っています。心の中に音楽が届き易い時期だと感じていて。偶然かもしれないけれど私、最近やたら音楽が楽しくて、聴いている分がきちんと入ってくるんです。それってすごく季節との関係が大きいと思っていて。少し肌寒くなってきたところで、みなさんの耳から入った音楽が頭の中でドラマのようにイメージが浮かぶ。そんな風に音楽を楽しめる季節に、この『ザクロの実』を届けられるのは嬉しいです。それぞれの胸の中までちゃんと響く1枚になっていると思いますので、是非聴いて下さい!ちなみに歩きながらイヤホンで聴くのがオススメです!それで、もし気になってもらえたら是非ライヴにも足を運んで下さい。
ー ありがとうございました。
取材・文/秋山昌未
■ 植田真梨恵「ザクロの実」MV オフィシャルYoutube
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