Rake インタビュー


昨年はシンガーソングライターとして、ギターを弾きながらこれから歌を歌っていくんだ! って決意した1年だった。


—— 6/9にファーストミニアルバム「all you need is…」がリリースになりますが、どんな仕上がりになっていますか。

全体としては、ロックだったりファンクだったりといろんなジャンルで構成されているんですが、ざっくり言ったらとってもポップな作品に仕上がったと思います。
この6曲はミニアルバムを作る体(てい)で作っていた曲という訳ではなくて、この1年間、デビューに向けての準備期間中に1曲1曲向き合って作ってきた曲達なんですよ。
それが今回ミニアルバムの曲として選ばれたんです。
でも結果的にポップで、鼻歌でも口ずさめる曲が集まったんじゃないかなと思っています。

—— 全曲、シングルカットされてもいい位のクオリティですよね。

そうですね。いつもシングル向けとかアルバム向けとかを考えずに曲作りをするんですよ。でも今回はたっぷり思いが詰まった曲が集まりました。

—— では今回の楽曲はどの位前に出来たものなんですか。

ちょうど昨年1年間の間に全部の曲が仕上がったんです。
僕は仙台出身で、仙台で音楽活動をしてきて、去年は少しライブ活動しないで制作に時間を注いで、その中で生まれてきた曲なんです。
シンガーソングライターとして、ギターを弾きながらこれから歌を歌っていくんだ! って決意した1年だったんで、素直な自分の言葉をメロディにのせて歌を歌っていくという思いが6曲ともすべて共通しています。


—— レコーディングはスムーズにいきましたか?

曲によってかな。出てくるアイデアや音が、いいじゃんいいじゃん!って凄くスムーズにいく場合と、何回歌ってもニュアンスが違うなぁっていう場合があったし。
その時の自分の気持ちとかにもよりますよね。極論で言ってしまえば、出来の善し悪しって自分の感覚じゃないですか。でも、機械じゃなくて人間が歌って人間がプレイしているので、今日はうまくいかなかったな。っていう日もふまえて作品って出来上がっていくと思います。


—— 今回のアルバムで、Hi-Fi CAMP(ハイファイ・キャンプ)のAIBAさんがピアノで参加されていますね。

はい。最初は自分のつたないピアノ(笑)で弾いていたんですけど、やっぱり納得いかなくて、誰かいないかなと思った時にやってもらえる事になって。
事務所の先輩だし元々彼らも仙台で活動もされていたっていう、色々な経緯があったのでお願いしました。


—— Rakeさんの曲は、今回のリード曲でもある「all I need is…」や、「Fly away」など、英語の歌詞も結構多いですがやはり洋楽の影響が大きいですか?

うん、洋楽邦楽問わず音楽は好きで影響を受けたものもありますが、音楽って自由なものだと思うので、どうしても英語のもつグルーヴ感やサウンドに乗る感じが欲しいときは、英語を使います。まぁ臨機応変にっていう感じですが。
洋楽を通しての英語が好きっていうのもあるんですが、でも語学としても好きなので自分の要素の中では大切な部分かもしれません。
英語と日本語って文法も含めて、発音とかも全然違うじゃないですか。英語ならではの流れる感じやアクセントによってグルーヴも出て来てそれが英語のひとつのよさだし、日本語の場合は母音が伴う温かさがあるので、それが生きるようにはしたいなとは思っています。
あとは、同じ曲で日本語バージョンと英語バージョンの両方を作ってみて、どっちがいいかなって試したりもします。


—— それ面白いですね。ファンとしてはそんな未発表曲も聴いてみたいですね。

そうですね。アルバムのボーナストラックに入れるのも面白いかも(笑)

—— Rakeさんの虹のようなロゴのコンセプトは「同じキモチ」。という事ですが、あれはご自身で考えられたのですか?

いや、あれはデビューにあたってロゴを作りたいと思った時、自分の曲を色んな人に聴いてもらったんですよ。デザイナーさんとか。で、Rakeの音楽って、音楽で歌い手と聴き手が繋がったり包んだりする感じがあるよねって言っていただいたんです。
人間って十人いれば十個の色や形があると思うんですが、例えばライブを通じてみんなのエネルギーがひとつに繋がっていく感じって、音楽のなせる素敵な事だと思うので、ロゴのコンセプトをそういうところにおいた提案に賛同しました。


—— ”Rake” というアーティストネームの由来はなんですか?

”Rake”っ て、「鍬(くわ)」とか「熊手」っていう意味なんですけど、そういうものって土地を耕すものですよね。音楽も人を元気にしたり温かくして心を耕して豊かに するような力があると思っていて、誰かの心にしっかり届いて耕して花が咲いてくれるような、そんな歌が歌えたらいいなと思って、”Rake”という名前を つけました。


人の曲をカヴァーするって事は結構タフな事だし、敬意をはらってやるべきだと思っているので、今迄そういう勇気がなかったんですよ。


—— 家にあったアンティークギターを弾いた事が音楽をはじめるきっかけとなったという事ですが、それはいくつ位の頃ですか。

い くつだっけなぁ(笑)。ほんとちっちゃい頃ですよね。まぁちゃんと自分はギターを弾くんだ!って思ったのは10歳位かな。家に父親のギターがあって、それ をおもちゃ感覚で弾いてたんですよ。僕、あんまりテレビゲームとかに興味をしめさない子だったので、そのかわりにギターがおもちゃだったというか。
まぁ普段は友達と野球やったり、外を走り回ってるのが好きだったんですが。
で、家に帰ったらギターで遊ぶという感じで。それが段々面白くなってきて、ちゃんとギターを弾きたいんだという事を両親に話して、クラシックギターを習い始めたりして自分で意識的にギターにのめり込んでいったのが、 10歳位の時ですね。


—— 1番最初にカヴァーした曲は覚えていますか?

これがですね、誰かの曲をカヴァーしたいと思ってギターを始めたわけではなくて。ほら、おもちゃとして、あぁこうやれば音が出るのか。っていうところからギターを始めたので。だからあまり人のカヴァーをしないまま来たんですよ。
クラシックギターやってたから、勿論教則本に載っているようなものはやりましたけど、それ以外はなかったなぁ。


—— じゃあ、ビートルズとかもやらなかったんですか?

うん、やらなかったですね!
まぁ、高校になってバンドを組むようになった時にメンバー全員が共通で好きだったのがハードロックだったのでMr.BIGとかのコピーしたりはしたんですけどね。
それこそ5月から地元仙台のラジオでコーナーをやらせてもらう事になって、その中で「カヴァー曲を歌っていこう。」っていう企画があるんです。それに向けてここ1、2ヶ月は ほんと人生で初めてっていう位ちゃんと色々な人のカヴァーをやっています。
でもすごく新鮮で楽しいです。


—— 誰の曲をカヴァーしたいですか?

そ うですね。みんなが知っているカーペンターズの “Close To You” とかエルトン・ジョンの “Your Song“とか。あとは、スピッツさんとか久保田利伸さんとか洋邦問わずやりたいですね。いい曲って自分でプレイしてても気持ちいいし、それを自分なりの 演奏で聴いてる人が楽しんでくれればいいなぁと思うし、自分が楽曲を作るうえでも絶対いい経験になると思います。だから最近はカヴァーが楽しくてしょうが ないですね。

—— カヴァーに関しての経緯としては珍しいですよね。

う ん、そうかもしれませんね! 2月に大阪のラジオ番組のコーナーで、生でカヴァー曲を演奏するっていうのがあったんですよ。で、だいたい皆さん自分の得意カヴァー曲ってあるじゃないで すか。でも僕は全く持ち合わせていなかったので、その数日前にマルーン5の曲を必死に練習して本番に挑みました(笑)。

—— どうでしたか?

いや、なんか新鮮ですね。これからもこういうきっかけを生かしてアルバムやライヴでもカヴァーに挑戦していけたらいいなと思います。
…実は僕にとって、人の曲をカヴァーするって事は結構タフな事だし、敬意をはらってやるべきだと思っているので、今迄そういう勇気がなかったんですよ。
でも、最近少し胸を張って「これが自分の音楽です」って歌えるようになってきたので、やっとカヴァーをしたいって思えるようになったかな。それは良かったって思います。


—— デビューのいきさつを教えてください。

ずっと仙台のライヴハウスやストリートで音楽活動をしていたんですけど、2年前位に…大げさにいえばこれから自分はどうやって生きていこうって考えていて。
勿論ライヴとかには自信を持ってのぞむんですけど、でも心の中では、まだ何か足りないって考えていたんですよ。ただそんな事をいつまでも言っていても決し て満足する事は出来ないと思ってデモテープを音楽関係者の人たちに聴いてもらって、仙台にある今の事務所に音を気に入ってもらえたのがきっかけです。



音楽ってその人の人生や生活の中から出てくるものだと思うので、自分も慣れた仙台を離れて東京へ行くっていうのも効率のよい事じゃないと思った。


—— 今も仙台を拠点にしているんですか?

はい。今日も朝、新幹線で来ました!

—— 活動の拠点を東京におく予定はないんですか?

周 りには東京へ行った人が数えきれない程いました。まぁ自分はきっかけがなかったとか色々な理由はあるし、 勿論プロのミュージシャンになりたいっていう夢はあったんですけど、 振り返ってみるとおもちゃがわりにギターを弾いた事から始まって、自然に自分の日常の生活の中に「音楽」っていうものがあったんです。
だから音楽をする為にどこかへ行くっていうのが、ある意味おかしな話なんじゃないかなって気がするんですよ。誰かに師事する為にその人のいるところへ行 くっていうのは別の話ですが、音楽ってその人の人生や生活の中から出てくるものだと思うので、自分も慣れた仙台を離れて東京へ行くっていうのも効率のよい 事じゃないと思って。
だから絶対東京じゃなきゃ!っていう意識はなかったですね。
それに仙台の街って緑も多くて、とっても住み易いんですよ。まぁ時代が違えば僕も東京にいかなきゃって思ったかもしれませんけどね。


—— 今、通信の発達がすごいですからね。

うん、それが凄く大きいと思います!昔だったら東京でレコーディングしなきゃっていうのがあったかもしれないけど、ある意味、今は世界のどこにいても色んな事が可能になっていますからね。

—— デビュー前はキマグレンのツアーのオープニングアクトを務めていたという事ですが、その時期やデビューしてからのご自身のライブで全国をまわられていると思いますが、ライヴは今後も勢力的にやっていきたいですか。

あぁ、もうそれは間違いなくやっていきたいですね!音楽を通じてお客さんと面と向かってコミュニケーションするっていうのは、元来の音楽の楽しさだと思うし、基本はライヴで音楽をずっとやってきたので、あたりまえのように自分の中にライヴっていうものはありますね。

—— ライヴはかなりあちこち行かれてますね。

行きましたねぇ〜!すごくありがたい事に、今年の1月に出した「Fly away」という曲がラジオのパワープレイを沢山いただいたので1月2月で43都道府県。途中自分がどこにいるのか分からない位の(笑)勢いでまわらせていただきましたね。

—— 趣味のスノーボードはやっていますか。

今年は全然いけなかったので、来年こそはって思っています。
3月にあった岩手の安比高原でのライヴがスキー場でのライブイベントで、前日入りの予定だったんですよ。で、その日にスノボやって、次の日ライブやれたらこんな楽しい事はない(笑)と思ってたんですが、飛行機が天候の都合で全然動かなくて駄目でしたねぇ。
あれは残念でしたけど、来年こそはスノボやりたいです!怪我しないようにね。
これはね、全くのプライベートだったんですけど、昨シーズンは友達とスノボ行ってデジカメとかビデオカメラでみんなが滑ってるところを録ってそれをパソコ ンで編集して自分で作った曲を上からかぶせたりしたんですよ。スノボのDVDとかあるじゃないですか。あれの自分たち版を作って。チャプター作ったり! (笑)

(スタッフ達も感心)

—— みなさん(レコード会社や事務所)は観た事ないんですか。

音楽関係者、誰も見てないです!(笑)ちゃんと写真がブーンって出て来たりするんですよ!! で、それを作ってそのスノボ仲間が仙台を離れて就職するので、手みやげにしてあげて。

—— すごい貴重な手みやげじゃないですか!

まぁそれは本当に自己満足の世界ですけど、いつかそういうスポーツシーンと音楽のコラボレーションが出来たらいいなとは思っています。
でも僕がスノボを始めたのが3、4年前なのでまだあまり上手くなくて、僕が映ってるところはたいていコケてるシーンです(笑)
僕がゲレンデでこけてると、未来の國母選手みたいなちびっ子がビュンって横を猛スピードで通り過ぎるとちょっと切なくなりますね(笑)


—— オフの時はどうしていますか。

今は1日まるまるオフっていうのが少ないんですが、たまの休みはカヴァーの練習したりしています。

—— 音楽漬けですね。

う ん、でもありがたい事に大好きだった音楽を仕事にできてるし、ギターを触らない日はないです。昔ね、修学旅行に行くのが嫌だった位、それこそ毎日ギターを 弾いていました。修学旅行にギターを持っていけないじゃないですか。少し弾かないと弾けなくなっちゃうんじゃないかと思って。そんな事ないんですけどね (笑)
まぁでも、結局旅行中は新幹線に乗ったくらいから騒ぎだすんですけどね。やっぱりそこは中学生なので(笑)


—— 最後にmFoundをみている人たちへメッセージをお願いします。

僕 はデビューしたばかりなので、「はじめまして」の人も多いと思うんですけど是非ミニアルバムを聴いてもらって、出来ればライヴで皆さんと会って、生の音も 届けたいと思います。僕はシンガーソングライターなので、ギターを持ってどこにでも行ってライヴをしたいと思っていますので、皆さんと会える日を楽しみに しながら、沢山の人にRakeを届けていきたいです!

—— ありがとうございました。


取材・文/まさやん

アーティスト情報

Rake インタビュー
Amazon

<収録曲>(順不同)

  1. □ 「all I need is...」
    (フジテレビアニメ“ノイタミナ”「さらい屋五葉」エンディングテーマ)
  2. □ 「Fly away」*デビューシングル
    (ドラマ『TAXMEN』主題歌/『APPI 2009-2010winter」CMソング/『DANCE@TV」1月度エンディングテーマ)
  3. □ 「世界は今日も僕らをのせてまわる」*2ndシングル
    (日本テレビ系「音楽戦士MUSIC FIGHTER」3月度パワープレイ)
  4. □ 「輝く明日へ」
    (TOKYO FM「クロノス」エンディングテーマ[4月〜6月])
  5. □ 「sweet bitter days」
  6. □ 「桜並木の下で」

今年1月のメジャーデビューからわずか半年。
Rake初のミニアルバム「all you need is...」発売!!
デビューシングル「Fly away」、2ndシングル「世界は今日も僕らをのせてまわる」含む、全6曲収録!!また、フジテレビアニメ”ノイタミナ『さらい屋五葉』のエディングテーマ曲「all I need is...」。 TOKYO FM『クロノス』エンディングテーマ(4〜6月)の「輝く明日へ」。 と、ボリューム満点の1枚!!

※初回特典(紙ジャケット仕様・フジテレビアニメ『さらい屋五葉』書き下ろし特典付き

Rakeプロフィール

仙台出身のシンガーソングライター、Rake(レイク)。
家にあったアンティークギターを弾いた事が音楽をはじめるきっかけとなった。 野球に熱中した中学時代と、ハードロック・バンドに賭けた高校時代を経て大学生で“歌う”ことに目覚める。洋楽邦楽を分け隔てなく聴いて育まれた音楽性は幅広い。 好きなアーティストはRAUL MIDONやJASON MRAZ、MONKEY MAJIK、Mr.Childrenなど。
趣味は読書とスノーボードとバイク。

公式サイト

http://www.rake.jp/