GENERAL HEAD MOUNTAIN 松尾昭彦 インタビュー
ただ激しいだけではない。GENERAL HEAD MOUNTAINの紡ぐ世界には優しさや温かさ、切なさなど「叙情」が詰まっている。私はそんな彼らの作る世界をライヴで観た時に一発で魅了されてしまった。インディーズ時代も含め、GENERAL HEAD MOUNTAINを作って10年という節目にある今年、また新たな彼らの世界が作り上げられた。今回、リーダーの松尾昭彦に「GENERAL HEAD MOUNTAIN」を語ってもらった。
—— 11月17日リリースの「バタフライエフェクト」について、GENERAL HEAD MOUNTAIN公式サイトのライナーノーツで松尾君自身が「今作にテーマはない」と書いていますね。
はい。作品を作る時はいつもテーマから入るんですが、前作「深まる日々に、微笑みを。」がすごく充実感や達成感があってずっと前から作りたかった形に出来たので、ひとまずゴールという気持ちだったんです。壁とか線とか引きまくってあれやらないこれやらないって言って作り続けていたんですけど、とりあえず一回ゼロにして普通に音楽をやってみようっていう純粋な気持ちから入りました。
—— 10年目の原点回帰?
どうなんでしょう。自分のバンド人生振り返った時に、バンドらしい事やってねぇな。って思ったんですよ。作品を突詰める事が楽しかったから。
—— バンドらしいことのひとつとして、ライヴも沢山やっていますよね。
ライヴはやってますね。でも振り返ればあっという間でした。ただ人間的にいい変化をもたらしてくれた10年だったかな。
—— どんな変化ですか?
昔は1枚壁を作って、否定から入っていたんです。「近づいてこないでよ。」っていうような…。それがゆっくりゆっくり無くなってきました。だから22歳位の僕を知ってる人は、僕の変化に驚いていますね(笑)。
—— 「テーマがない」と言った今作ですが、実際仕上がりはどうですか?
軽い気持ちで始まったんですが、実際にライヴがすごく詰まっていたので常にライヴの事が頭にあったんですよ。でもそれなら逆にCDにライヴ感を足す事も可能だと思えてきて、「ライヴでこういう曲が欲しいな!」という考え方が形になった感じです。今迄は似てようが、この作品の何番目はこの曲じゃなきゃ駄目なんだよ!っていう作り方だったんですけど、バンドとして普通の事が出来ました。僕の周りでバンドをやっている仲間達を見てると、普通ってこんな感じだろうなっていう普通っぽさ。
—— それが美学の崩壊から、また手に入れた美学?
そうですね。結局何でもいいじゃん!っていうね(笑)。今迄も美学っていうものを、すごく考えてきたんですが、捨てたら捨てたでモロいもんじゃん、って。自分が作った壁だから、欲しくなればまた作ればいいなって。
—— 松尾君の書く世界は、ひどく自虐的かと思えば、これ以上ないっていう位に温かくて深い部分もあって、それが作品上で上手く共存しているけど、それは松尾君そのもの?
実際、僕は優しくなりたいし、そうありたいんですけど、何か上手くそういう風になれないので、理想めいた事が入っているとは思います。
—— 松尾君は自分でどういう人間だと思う?
解りにくい奴だろうなって思います(笑)。でも優しくはありたいです。
—— インディーズの頃の作品も含めて、今作は曲調やリズムに新たなGENERAL HEAD MOUNTAINを感じたんですが、それは佐久間正英氏や江口亮氏をプロデューサーとして迎えた事が大きいですか。
それは絶対理由のひとつとしてあると思いますね。アルバム全てにプロデューサーが入るというのは初めてだったんです。今回、お願いする曲を初めから分けたんです。佐久間さんは今迄の延長線上にありながら違う形で格好よくしてもらいたい曲をお渡しして、江口さんには今迄なかったような感じで何でもあり感が欲しかったので、そこをお願いしました。
—— 具体的に言うと、どの曲がどちらのプロデュースですか。
「揚羽蝶」と「林檎」と「蜃気楼」が江口さんです。
—— うん、分かる気がします!特に私は「林檎」を初めて聴いた時に違和感さえ感じたの。
あぁ、なるほど。





























