sleepy.ab インタビュー Page1
札幌を拠点にしているsleepy.ab。初めて彼らの音を聴いた時に、雪のにおい、凍るような空気感を感じた。そして何層に折り重ねながらも、決してその繊細さを欠かないサウンドの魅力。今回のアルバム「Mother Goose」の収録曲に込めた思いや、sleepy.abというバンドそのものについて成山 剛(Vo、G)と山内 憲介(G)に話をきいてみた。
——エムファン初ですので、まずsleepy.abのことを教えてください。現在も札幌を拠点にして活動しているんですよね。やはり札幌という土地がいいですか?
成山:そうですね。札幌にいながらにして全国ツアーも回れますし、 普通に好きだということが大きいかもしれません。自分達ではあまり感じていなかったんですが、道外でライブをやらせていただくようになって、「北海道っぽいね」って言われることが多いので、テンポ感や空気感がサウンドにも影響しているのかなと思っています。でもこれ、北海道では言われないんですよ。
——そうなんですか!? 私も初めて聴かせていただいた時に雪の音みたいなものを感じました。
成山:あ、ほんとですか?
——はい。感じました!あと、sleepy.abという名前の由来ですが、成山さんが不眠症の時に考えたとか?
成山:不眠症とまではいかないかもしれないんですが、根室から札幌に来た時に、なかなか馴染めなかったんですよ。僕は眠る前に音楽を聴くんですが、その時にゆっくり気持ちよく眠れる音楽というのをコンセプトに作りたいというところから、この名前にしました。
——でも、眠れる音楽って、クラシックや環境音楽っぽいものが多いですよね。
成山:そうなんですよ! でも、何かロックバンドがいいなって思ったんです(笑)。
——その時は何かバンドをやっていたんですか?
成山:いや、まだ何もやっていなかったんです。僕ら4人とも同じ専門学校出身なんですが、そんなにその頃は接点がなかったんです。好きな音楽のジャンルもバラバラだったし。
——それが何故同じバンドを組むことになったんですか?
山内:卒業した時に、何故かみんなを誘ったんだよね。
成山:そうだね。何か、逆にバラバラの趣味の人がいいなと思ったんです。多分、自分と意見が合うような人だと、そこまでの作品しか作れないという感覚があったんです。
——振り幅がなくなるような?
成山:そうです。その人の持っている個性が入った方が面白いかもしれないって考えたんです。
——でも、ロックって一般的には気持ちがアガるものも多いと思うんだけど。
成山:音そのものというよりも、スタイルとしてのロックの中で、そういう音楽をバンドでやりたかったんです。
——じゃあ、自分達の作った音楽で眠れたりするの?
成山:あぁ、それは相当ありますね(笑)。一番分かり易いのはレコーディングの時です。ミックス作業の時とかみんな、ぽよ〜んとしていますよ。
山内:(笑)
——ライブの時は?
成山:アコースティックライブをよくやるんですけど「おやすみなさい」って言ってから始めたりします。だから寝てる人とかもいますよ。
——え、それは寝てもOKなんですか?(笑)
成山:そうですね。人それぞれ見方が違うんですよ。横揺れで見ている人もいれば、ボーッとどこかを見ている人もいれば、前列の人みんな目を閉じていたり(笑)。ベースの前は結構ゆらゆらしてるかな。だから好きにどうぞっていう感じです。僕たちもあまりそこには触れないんです。
——面白いですね。ところで今回のアルバム「Mother Goose」は前作「paratroop」から約1年3ヶ月ぶりですが、その間はどういう活動をしていましたか?
成山:ライブと制作漬けでした。昨年は全国ツアーを3回やっていたんですよ。その「paratroop」というアルバムを出して、12月1月に全国ツアーを回って、4月からレコーディングを初めて、6月にはアコースティックでの全国ツアー、あとはフェスに出演させていただいたりしながら9月にはまたレコーディングに入っていました。
——じゃあ、かなり忙しかったですね。でも、レコーディングとライブってテンションが真逆にあるので大変ではなかったですか?
成山:割と制作においてはずっと平行してやる流れではあったんですが、大変ではありましたね。山内もツアーの移動中に、楽器車の中でパソコン開きながら制作したりしましたから。
山内:あと、リハが終わって本番前に少し制作をやったりとか。でも意外と忙しい時の方がテンション高くやれましたね。
成山:一度、オフるとエンジンかけるまでに時間かかりますから(笑)。
——「Mother Goose」はどういうアルバムに仕上がりましたか?
成山:すごくポジティブな現実逃避という感じです。一瞬でも現実を忘れて、それこそ絵本のマザーグーズのような世界に逃げ込みたいという願望ってあると思うんですが、それって決して悪いことではない気がするんです。生きる上で前に進んでいなければいけない部分はありますが、立ち止まったり、少し後ろに戻ったり帰ったり、横に反れたりというのは選択肢として全然ありだと思うんです。
——それは、より効果的に前へ進む手段として?
成山:そうです!自分も制作している時に、曲によってはやっぱり気持ちが開いたり閉じたりしている精神的作業の中で自分に向き合わなきゃいけないので、当然停滞する時もあるし。でもそういうことをしつつバランスを保っているんですよね。だからそれも作品の中に見え隠れしている部分があるんですよ。歌詞が出来ない時に、逃げたいと思うと、本当にそういう内容の歌詞ができたり(笑)。「way home」とか「トラベラー」「シエスタ」もそうですね。だから通勤中や登校中にこれ聴きながら「今日、さぼっちゃおうかな」って思ってもらえたら嬉しいです。不謹慎ですけど(笑)。





























