黒猫チェルシー インタビュー
2007年に結成し、2010年に「猫Pack」でメジャーデビュー。濃度の高いガレージやロックを見事に20歳の4人の若者は自分達の音に昇華させている。5月25日リリースの「NUDE+」は、サウンドプロデューサーに土屋昌巳氏を迎えて、更に黒猫チェルシーの新たな面も見せてくれた。「NUDE+」を通じて、土屋昌巳氏から教えてもらった話や自分達のルーツミュージックへの向き合い方などをメンバーに伺いました。
——3月に『黒猫チェルシーTOUR2011春』が終わったばかりで、その後もライブに参加しながら6月からは 『NUDE + TOUR』が始まるというスケジュールで、かなり断続的に忙しいんじゃないですか?
澤:そうですね。でも1年の間でアルバムが出た時がもっとも忙しい位で、そんなに「忙しい!」という意識はしないですけどね。
——3月に台湾の「大港開唱/MEGAPORT MUSIC FESTIVAL」に参加されましたよね。いかがでしたか?
渡辺:すごいよかったです。初めての海外ライブだったんですけど、現地のスタッフさんもお客さんもあたたかくて、ライブ自体も素直に楽しんでくれてる感じがあって、僕らもライブしながら楽しくなりました。言葉が通じない分、コール&レスポンスが言葉なくして出来る感じがよかったですね。
澤:その時は、台湾のバンドと共演したんですよ。インディーズだったんですけど、すごくカッコ良かったです!
——台湾での音楽シーンや、ライブでのノリ方というのは日本と違いはありますか?
岡本:僕らが出演したイベントというのが、台湾のメジャーシーンというよりはインディーズシーンのバンド中心だったので、台湾の人がみんな聴いているものとはちょっと違うかもしれませんね。
宮田:僕らが出たフェスもそうですが、台湾のインディーズシーンというのがそんなに大きなものではないらしいんですけれど、そのレベルがすごく高かったです。
澤:でもそういうフェスでも、人口の割にお客さんが相当来ていたので、凄かったですね。それだけロックに興味がある人が多いのかとも思えます。
—— 今作「NUDE+」 ですが、制作はいつ頃から初めていたんですか?
澤:昨年の夏頃からですね。曲を出したり作ったりを7月位からずっとやっていたのでリリースまでの期間を考えると約1年近くは、かかりました。
——今回はメンバー3人が作詞作曲ですね。でもクレジットに、それぞれの名前の他、” 黒猫チェルシー” とする表記する場合もありましたよね。
澤:「 ヘビーローション」と「北京ベイベー」の2曲ですね。それは、ある程度アルバムの骨組みが見えてきた時点であらためてもう一回メンバー4人でスタジオに入って、その場でアイデアを出し合ったり固めていったりするやり方をしてみようということになったんです。そういうものはクレジットを “黒猫チェルシー” としています。今回は、すごくみんなでアイデアを出し合いながら出来ました。
——「NUDE+」は、今迄の作品より多様性を感じるんですが、どういう仕上がりになったと思いますか?
澤:一番違うのは、作り方ですよね。今迄はアイデアをスタジオに持って行って音を鳴らしながら考えていく作り方を主にしていたんですよ。だからそれぞれが自分で曲を完成させて持って行くということはなかったんです。それで今回生まれて初めてそういう方法をしたので、それぞれが曲を持ち寄った時にアルバムとしてどうなるんだろうかって、今迄で一番想像つかなかった始まりでしたね。でも最終的にそういうそれぞれの個性やパーソナルな部分が散りばめられているし、かと言ってただ単にバラバラになってコンピレーションのような聴こえ方がするものではない、ちゃんと1つの作品として1曲目から最後の曲まで通していいアルバムになったと思います。
渡辺:ヴォーカリストとしては、今回は今迄以上に自分以外の人が出している音へも集中して、他の人が作った曲に持ってる元々のイメージを考えて自分なりに歌ったりしました。 みんなひとりひとり自分のやりたいことをぶつけ合いつつ、 各々がでっかくなったアルバムになったと思います。
宮田:みんなで作品を持ち寄るというコンセプトだったので、1曲1曲に対して、いい曲にしようという意識を高く持てました。また、それを詰める時間もとれたし、最終的にいい意味で聴き易くて良い曲揃いになったアルバムだと思います。そういうやり方を自分達も初めてして自分達自身で気づく点や収穫もありました。
——何故今回、メンバー全員がそれぞれ楽曲制作をしようと思ったんですか?
澤:前作「猫Pack」の時は、先ほどもお話したような、スタジオでアイデアを出してそれを演奏して曲を作るいくというやり方だったんですね。今回も昨年7月位からそういう方法で都内のスタジオに入ったり合宿に行ったりしていたんですけれど、今迄自分達の中にあった「黒猫チェルシー」というものの固定観念のようなものがあった気がするんです。「黒猫チェルシーとしてはこういう曲があったらええんちゃうか?」という不透明なイメージを自分達でも持っていたし、もしかしたら黒猫チェルシーを聴いてくれていた人の中にも持っているかもしれない。例えば「若くてガレージが好きなバンド」みたいな。そういうところでの自問自答もありました。だから曲は出来るんですけど、そうじゃなくてもっと自分達が聴いて来た音楽や、今思っているものを直接的にアルバムに反影させたかったんです。自分達の「内」からでる部分というか。なおかつそれが、バンドとしてきちんとひとつの音になっているというアルバムにしたいという想いがあったので、こういうやり方をすることで、あらためて自分達の音がどういうものかが分かるんじゃないかと思ったんです。
——結果として、自分達の中の音を客観視することはできましたか?
澤:正直まだハッキリとは分からないし、定まっていない部分もあると思います。ただ、それぞれが曲を作るというやり方をしたこの「NUDE+」というアルバムには色々な曲があるけど、ひとつのアルバムとして一環させることは出来ました。今迄だったら、これは「黒猫チェルシーではない」と思っていたような、例えばメロディアスな曲もきちんと成立していて、そういう面では固定観念をぬぐい去れたと思います。どういう曲がきても、自分達がそれをいいと思って演奏すれば、それはもう黒猫チェルシーとして成立するんだということが分かりました。





























