そしてドレスコーズとして7月11日にリリースしたばかりのデビューシングル『Trash』は、毛皮のマリーズ後期に見せた、オーケストラ的美しい旋律とは全く違う、実にシンプルなバンドサウンドで、とにかくカッコ良かった。だから、このライブはとても興味深く、特に6月の1stライブツアー<Before The Beginning>を見損じてしまった私は、初のドレスコーズライブにいささか興奮しながら、端とはいえかなり前方でペンを走らせていた。
The Beatlesの”Ticket to ride”のような”Trash” のイントロのが流れると、歓声は更に強まり、それに負けずとも劣らぬ勢いで、菅 大智のドラムが着火する。 取材の際、メンバーはふざけて「ドラムがうるさい!!」と笑っていたが、うるさいかどうかは別としても(笑)、実際、菅のドラムはものすごいインパクトとパワーを持っていた。
キース・ムーン(THE WHO)を敬愛する菅のドラミングは、まさに、キースのようで、さながら67年の<Monterey Pop Festival>と言いたいところだが、これは渋谷のライブハウスであり、ここに居るのは”THE WHO”ではなく、紛れもなく”ドレスコーズ”なのだ!