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11月に初の1stシングル「アナグラ」をリリースした黒猫チェルシーの全国ツアー<アナとマタTOUR>東京公演が12月9日、東京・恵比寿リキッドルームで行われた。久しぶりの黒猫ライヴが嬉しくて、ライヴ会場に着くまでずっと黒猫チェルシーを聴いてきた!黒猫三昧!! わくわくしながらスタートを待つと、客電が落ちた。大きな歓声の中、バックライトを浴び、そのシルエットを切り取られた黒猫チェルシーが登場。 Voの渡辺大知はいつもの学ラン姿で登場すると、”スピーカー” でライヴのエンジンはかかった。 澤竜次のギターがうねり、マイクスタンドを操りながら「ものたりない ものたりない」と渡辺の口の中のスピーカーが歌う。 岡本啓佑のドラムはやっぱり破壊力が違う。こういっては何だが、あの甘いルックスと細い体からこんな音(ルックスは関係ないけど・笑)を出すなんて。そこがまた最高にカッコイイ!そこに宮田岳のベースも加われば、お腹からお尻にかけてビリビリと振動しながら痺れるではないか。 渡辺に関して言えば、歌にもステージングにも以前の荒削りさが少し削ぎ落とされているように感じた。それでも狂ったようにブルースハープを吹く”ノーニューヨーカー” を聴くと、最高にカッコイイ泥臭さは変わらないし、何よりクールだ。この、一見すると相見えないと思える二つの要素を彼は見事に調和させている。 ボルテージを上昇させながらの、”あらくれにっぽん” では、ハマりのいいリズムとオーディエンスのノリに、ついこちらまで腕をあげたくなった。 個人的なことをいえば、ライヴ前にもらったセットリストで一番に確認したかったのが ”オーガニック大陸” を演るかどうかということだ。 …あった!同じような音階で淡々と繰り返すヴォーカルフレーズに、渡辺の吐き捨てるようなしゃがれ声は、ライターとしてのボキャブラリーを問われるかもしれないが、やっぱり”カッコイイ!!”としか言いようがない。 そう、彼らはカッコイイのだ! それ以上でもそれ以下でもない。 「『アナグラ』発売したね。カンパーイ!!」 と渡辺は水…いや、エタノール(渡辺は、しきりに水に思える液体をエタノールと言っていた。笑) 「東京、ほんまに演れてよかったわー」と、渡辺は心底嬉しそうな笑顔をみせる。東京でのライヴは今年最後だと言いながらオーディエンスに対し「今年お世話には…なってないけど」と言うと思わず澤が「お世話になってないは、ないやろ!」とツッコム。このツッコミと「いや、直接っていう意味で…」と、しどろもどろになる渡辺の姿に大爆笑。しかし、ライヴでは久しぶりだという “ファンキーガール” を演ると、オーディエンスも(勿論私も!)熱狂する。 「次は楽しい曲、演ります!一瞬時間くれるかな?」 そう言うと、渡辺は退場し、すぐステージ裏からマラカスとカウベルを持ってきて ”マタタビ” でフロアを一気に盛り上げた。歌詞中バリバリ関西弁での「なに騒いどーねん。あほとちゃうか?ー いまの状況、よう見てみさらせ」に、そりゃフロアは熱狂!! 騒ぎまくり! (私としてはこの日一番カッコ良かったと思うナンバーだ) ”ダイナマイトを握っているんだ” を挟み「かますぜ、アナグラ!」と言うと、”アナグラ” で暴れる。渡辺は寝転がり足を高く上げたり、前列のオーディエンスとガチで見つめ合いながら、とうとうと歌い上げる。 今にもフロアへ引きずられるのではないかというオーディエンスのパワーと、黒猫チェルシーのパワーがぶつかり、弾け、混じり合う。 渡辺は始終、猫背で酔っぱらったような滑稽的パフォーマンスをみせるが、それは甲本ヒロトや宮本浩次 (エレファントカシマシ)のそれと相通じるものがあった。 続く”Boy’s Don’t Cry” の終盤で、失速するかのようにみせたスピードを更に持ち上げるリズムとメロ。それに合わせるかのように盛り上がるオーディエンスのリズム。 この時間がたまらなく気持ちいい!という表情の渡辺はすっかり汗が光っていた。 そして顔をくしゃくしゃにして「本当に青臭い奴らやな」と、笑う。 ”オンボロな紙のはさみ” も、アツかった。ラスト2曲だがテンション下がることなく、まるで火を吹くような轟音にフロアのボルテージもあがりっぱなし! メロを先行するベース、怪しく歪むギター、パワフルなドラムに、狂気のブルースハープ。その全てを更に挑発するようにフラッシュライトは激しく点滅を繰り返し、あっという間に”Pop Life” で本編終了すると、最後は本当にポップな色合いでオーディエンスもジャンプ。 「また来年!」と言いながらステージを降りたメンバーがアンコールで再びステージにあがった時、渡辺は上半身裸で「またライヴで会おう!」といいながらマイクスタンドを振りかざした。 アンコール曲 ”嘘とドイツ兵” でもやはり澤のギターは暴れまくるし、宮田と岡本のリズム隊は脳天を震わせ、渡辺のヴォーカルはうなる! 最後、澤はとうとうオーディエンスの中にギターごと突っ込んだ!そうして誰一人カッコ良くない奴がいない黒猫チェルシーの東京でのライヴは幕を閉じた。しかし、何ならもう一度最初から観たいと思ってしまうような最高のライヴだった。 ライター:まさやん ◎黒猫チェルシー公式サイト http://www.kuronekochelsea.jp/
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