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BUMP OF CHICKEN 2012 TOUR「GOLD GLIDER TOUR」代々木公演 2012.07.08

BUMP OF CHICKEN 2012 TOUR「GOLD GLIDER TOUR」代々木公演 2012.07.08

DSC043820120803111824.jpg4月7日(土) 、千葉 幕張メッセ国際展示場を皮切りに始まった<BUMP OF CHICKEN 2012 TOUR「GOLD GLIDER TOUR」>も、7月14日(土) 、宮城セキスイハイムスーパーアリーナにて無事終了した。

国立代々木競技場第一体育館4公演のラスト、7月8(日) はすっかり夏空で、夕方だというのに敷地内に停めてあるツアートラックのボディはピカピカと光を放っていた。

今ツアーの初日にも行ったが、そこでも彼らの熱量の高さを確信し、ファンを愛する彼ららしい”企画”も実に楽しかった。今回も用意されていたが、それは本文を読み進めて欲しい。

ステージのスクリーンに映し出された映像は、光る地面から生まれた星、空を飛ぶクジラや鳥、飛行船など、まるで宮崎アニメの世界を彷彿とするような幻想とロマンを広げた。その後登場したメンバーのシルエットが紗幕越しに映し出され、大きな歓声を受け、ライブはスタート。

藤原基央(Vo,G)の声が会場に響き渡り、水面のような青の照明が揺れると、”宇宙飛行士への手紙”でスクリーンが落ち、メンバーが姿を現したと同時に、パーン!と金の紙吹雪が星空のごとくアリーナ席に降り注いだ。両サイドの大型スクリーンにモノトーンで映し出されたメンバーの表情に、オーディエンスは歓声を高くした。ステージ背後には満点の星。旋回するライトがオーディエンスの高く上げた手や笑顔を照らし出すと、直井由文(Ba)は耳に手をあて、みんなの手拍子や歓声を聞いている。

”ゼロ”は、何度聴いてもやはり名曲だと思う。切なげな、しかし揺るぎない藤原の声は切ない旋律をなぞり、踊るバレリーナと降り注ぐ矢の標的になり羽を散らす鳥がリンクする。

「みんな、周りを観てください。一万人! 凄いよ。この一万人の組み合わせ、一生で一度しかありません!」 直井は笑顔で挨拶すると、何故一生で一度の組み合わせかということを「もし2週間後に、この組み合わせと同じ面子で集まろうとしても、例えば、工場に務めている鈴木さんが納期に間に合わず、会場にこれない」という細かーい設定(笑)を例に話しはじめ、会場にも笑い声が溢れた。それでも「今日は初めてのライブだし、今日が最後のライブのつもりで演奏します!だから最高のライブにしようぜ!!」と、どのライブでも常に唯一無二のステージにしようという意気込みを語ると、割れんばかりの歓声と共に盛り上げた。

優しく深いメロディと、歪みながらフィードバックするギターの音色のコントラストが特徴的な”Smile”に続き、「Good Luck」のショートムービーがVMAで最優秀映画ビデオ賞を受賞したことに感謝しながら『ALWAYS 三丁目の夕日'64』の主題歌、”グッドラック”を演奏。美しいオレンジと青の光を背負いながら藤原は両手を大きく広げ、決して大げさになりすぎないが、幸福感に満ちあふれたサウンドを響かせた。

うっすら客電が灯ると、モニターにはメンバーがどこかに移動する映像が映し出された。そう、このレポの冒頭で言った”企画”というのがこのこと。

アリーナ南側のC席とD席の間位にいつの間にか小さなステージが用意されていた。興奮で騒然とする会場の歓声を尻目に、メンバーはふざけながら、もうひとつのステージへと上っていく。

オーディエンスとの距離が近いことから命名されたこのステージの名前は”ハズカシ島”(笑)。「ハズカシ島へようこそ!」と直井が挨拶すると、直井がメンバー本人のことを問題にしたクイズを出すという企画に発展。BUMP OF CHICKENの若頭、増川が一番好きな鍋(答:水炊き)や、全国ツアーで藤原が一番多く口にした食べ物(答:トマト)など、かなりユルいクイズをしながらも「一旦本職に戻らせてもらいます。」と、リズミカルで可愛いメロディの”ホリデイ”を聴かせてくれた。

メンバークイズの他に直井は、このステージで用いているアップライトベース(ウッドベースのエレキバージョンで細いボディが特徴)の音を試して聴かせたり、「恥ずかしいけど、この島に来て良かったです!」と 増川は照れくさそうな笑顔を見せたりと、始終和気あいあいムードのハズカシ島。

本ステージへ戻ると中盤から後半のステージではよりヒートアップ!

“星の鳥~メーデー” では、真っ赤に映し出されるメンバーと、疾走するメロディにオーディエンスがジャンプ、直井が手を上げ、まだまだと煽る。

「楽しんでますか?大丈夫?」と、藤原はいつものように具合悪いオーディエンスがいないか気遣う。すると客席から繊細なビジュアルの藤原へ「フジくん大丈夫?」の声。「僕は大丈夫。小さい頃からこんなんだし…」の一言には会場も大爆笑に。続く増川は、その話を広げようとしたのか、藤原と中学一年の時にプールをさぼっては、草をむしってたというエピソードを話し始めるが「ごめん、こんな暗くなる感じのこと言わなきゃよかった!!」と慌てて訂正するが、当然そのMCにも爆笑。

しかし、「感謝の気持ちを込めて歌います。今日は来てくれて本当にありがとう!」と藤原が挨拶すると爆笑は大きな拍手へと変わった。

力強いコーラスの”supernova”では、オーディエンスの左右に揺れる手が会場いっぱいに広がり、ちょっと圧巻だった。藤原のかけ声で大合唱になり、大型スクリーンには汗を光らせ歌うオーディエンス達の笑顔が映る。

4公演あった国立代々木競技場第一体育館のラストであるこの日藤原は「4日間あっという間でした。最後の日のお客さんが君たちで本当によかった。ありがとう!!」と感謝の言葉を延べ、大歓声でオーディエンスは応えた。

アンコールで再登場するとカメラマンの古渓氏を呼び込み、オーディエンスも含めた記念写真を撮影。
「こうしてアンコールを迎えられるのも、一重に皆さんのお陰です。そもそも来てくれてありがとう! 素晴らしい空間を作ってくれたのは、皆さんだと思うのでありがとう。」と、藤原はとにかくオーディエンスに感謝した。

演奏後、ひとしきり挨拶したものの、メンバーの足は去りがたいようにステージにとどまっていた。そんな雰囲気の中、急遽藤原がギターを取るとメンバーと数秒打ち合わせをし、人差し指を突き出しながら、 あともう1曲というジェスチャーで” DANNY”のイントロを響かせた。会場は轟音のような歓声でボルテージもMAXに!

「すげー幸せでした!!また来ます!」

藤原も高揚しているのがわかる。国立代々木競技場第一体育館という大きな会場での4公演に対して、心身ともに大変だった想いを藤原は語ったが、メンバーの顔には、それをやりきれた嬉しさに満ちあふれていた。前ツアーも含め、3年半待っていてくれたオーディエンスというのはメンバーにとって、何よりかけがえのないものだろう。でもそれは、どんなに大きな会場でライブをやろうが、メンバーの胸の中にある”初心”という衝動が常に軸に強くあるからだと感じた。

この4公演への気持ちに関して藤原は「ここだけの、僕たちと君たちだけの秘密だから」と言っていたので、あえて詳しく書くのはやめておこう。ライブでの一期一会を是非、次のライブで体感してほしい。




撮影:古渓一道
TEXT:まさやん

 

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