mFound

return
長澤知之 Nagasa・Oneman 7 Band Ver. 2012年10月8日(月祝)新宿BLAZE

長澤知之 Nagasa・Oneman 7 Band Ver. 2012年10月8日(月祝)新宿BLAZE

sPHOTO78020121019122838.jpg6月にミニアルバム『SEVEN』をリリースした長澤知之。そのミニアルバムをひっさげてのツアー<Nagasa・Oneman 7 Acoustic Ver.>が7月に終了し、10月1日(月)からスタートした今回の<Nagasa・Oneman 7 Band Ver.>も10月8日(月祝)、東京・新宿BLAZEでファイナルを迎えた。

18時の定刻通り、バンドメンバーの曽根巧(Gt)、TOKIE(Ba)、山本健太(Key)、秋山隆彦(Dr)と共に登場した長澤。オーディエンスに丁寧におじぎをした後、投げキッスで会場を湧かせると、“夢先案内人”でライブはスタート。時折見せる少しウィスパー気味の歌声は、何度耳にしているか分からぬこの曲を実に表情豊かに聴かせてくれた。

「仲良くしよう。僕は歌が大好きです。みんなも歌好き?ギター好き?ベース好き?ドラムは?キーボード好き?」とオーディエンスへ問いかけ、大きな「好き!!」という声に笑顔で「よし!」と言うと、「歌をすごく大切にした時代を回想して作った曲です。」と“スリーフィンガー”を歌う。 タイトル通りのスリーフィンガーで構成されるメロディと、 70年代ロックを彷彿とさせるギターやハモンドオルガンの音色、美しいコーラス、そんな全てがフロアへ優しく溶け出し、ゆっくりとリズムをとるオーディエンス。

続く“センチメンタルフリーク”ではシアンとマゼンタのライトを遮るように暖色系の白いスポットライトが中央の長澤だけを照らし、 そんな彼の日常を切り取ったような歌詞の世界に、 目の前のオーディエンスや、歌っている長澤の姿まで占領される。

この5人の長澤バンドでは初めての“決別”。

5人というワードから長澤は<5レンジャー>という懐かしい戦隊モノの名前を出し、会場から「おー!」という歓声や、懐かしさから沸き起こる笑い声に包まれた。そして、この曲を紹介する時に「とっておきの愛の歌を歌います。」と言った。

sPHOTO81320121019122924.jpg以前の取材で長澤は「こういう風に完全に憎み合って終わるというのはなかなか無いかもしれないけれど、そういうことだってあるといえばある。こういう曲もあっていいと僕は思う。」と答えている。それは言論の自由がある国なのに、言ってはいけないワードが増えていて、それが歌詞をつまらなくするという見解から来ているものらしく、現場で大いに賛同した覚えがある。とっておきの愛の歌…と言ったのも、そういう気持ちから来ているのかもしれないし、完全な決別は一つの愛の形かもしれない。深いなぁ。と、つい今しがたのMCの言葉の意味をぐるぐると巡らせながら初めてのこのメンバーでの バンドヴァージョンに耳を傾けた。

sPHOTO92720121019123001.jpgこのバンドでは、良い意味で長澤自体が1/5になっていることを随所に感じた。それはバランスが整っている証拠であろう。メロディもリフも一気に変化を見せる、本人曰くの「やけくそパート」では、尖った長澤の高い声に厚みも感じた。

後半、“EXISTAR”、“神様がいるなら”でヒートアップさせると、続く“どうせ陽炎”で長澤は自分の飲んでいたペットボトルの水の残りをオーディエンスにぶちまける!!

おー!こんなこと今迄観たことがない!! フロアからも「もう1本!!!」と声があがるが、今度は上がりすぎたテンションをリラックスさせるような笑顔で「ビールみたいな言い方だね。」と笑う長澤。しかし、これが呼び水となったのか、更に更に盛り上がり、ラウドなギターとへヴィなサウンドの“Blue Blue”の演奏が終わると、割れんばかりの大歓声が起きた。

sPHOTO90420121019122943.jpg「ありがとー!!お前ら愛してるぜー!!」

こういうMCも今迄の長澤から聴いたことがなかったので驚いていると、 照れと、おふざけと本気が入り交じった言い方で「大変な時代だけど、愛してるぜー! 生きようぜー!!…普段は引きこもりだけど」と続ける。キャーという歓声を一瞬で笑いに変えてしまった(笑)。

“茜ヶ空”の暖かい雰囲気で本編が終了すると、アンコールではまだステージセッティングが終わっていな様子だったが、長澤一人が勢い良く飛び出し、椅子にちょこんと座る。

わざと肩をすぼめ、「それじゃ、よろしくお願いしまーす。デビューして6年になります。今日はバンドヴァージョンだけど、アコギの曲もやります。」と、新人めいた口調でおどけたMCに会場も笑ってしまうが、“マンドラゴラの花”で一変。クリアなアコギの音色と、浮遊感のあるメロディから強さを増す後半、 空気を振るわせるようなまっすぐな意思を持つ歌声、 長澤から発せられる全ての音の粒子は霧のようにフロアへ降り注いだ。

CDに収録されている“幸せへの片思い”を一緒に制作した益子 樹氏(ROVO/DUB SQUAD)をスペシャルゲストに迎え入れた。

この曲が収録されている『SEVEN』が虹をイメージしていることは長澤ファンなら周知の事実だが、同アルバムの1曲目“あんまり素敵じゃない世界”で歌っている「虹を刻む」という歌詞は、メロディを刻む、つまり音楽を刻むということだと説明し、それがないと自分の世界は素敵ではないし、こうやってライブが出来ていること、みんなの前で歌えていることが不思議でもあり嬉しくもあると、オーディエンスへ感謝を述べた。

益子との“幸せへの片思い”はやはり格別だった。彼がレコーディングやライブで極めたというシンセ音は水のような透明感を放ち、長澤の”単純に僕は幸せになりたい”という想いを浮遊させる。悲哀の中に幸せを求める繊細な美しさはフロアを包み込み、息をするのも忘れてしまうほどだった。

益子がステージを降りた後、“俺はグビ”を弾き語ると再びキーボードの山本健太を呼び入れた。二人は同い年で、長澤とも話が合うらしい。「健太くんは結構エロいよね。」と、確かに確実にリラックスした口調で長澤は山本と喋る。「語る」というより完全に「喋る」だ。リラックスしている長澤を観るのは楽しいし、嬉しい。

「みなさん、一人一人に捧げます。」

ピアノの音色を響かせる“カスミソウ”のイントロに身を任せるように長澤はギターをつま弾き、メロディを歌う。

「もう少し健太くんとトークします。」

そういうと、山本からエロトークを振られた話や、リハの時、全ての機材やメンバーがいなくなった後、二人だけで話をしたことなどを語り始めた。長澤が「二人とも自虐的」と言うと、山本も「そんなに悲観的にならなくてもいいのにね。」と、日常の自分達へ対して笑う。自虐的といいながらもその、ほのぼのしたムードはオーディエンスをもあたたかくする。

そして再び、他のバンドメンバーも呼び寄せると、“バベル”で盛り上げる。

…が、終わった後長澤は曽根に向かって人差し指で「1」を表す仕草をしている。もう一曲やろうということなのだろうか?と思っていると、曽根は「何その甘えた顔!!」と、”ちょっと可愛いじゃないか(照)”と続けそうな口調で笑うが、どうやら途中の歌詞を一部忘れたため、再度この曲をやりたいということらしい。

「“バベル”、もう一度やってもいいですか!?」

長澤が叫ぶと、オーディエンスは大喜び!大歓声を受け、二度目の“バベル”が更に盛り上がったのは言うまでもない。長澤は再びペットボトルの水をオーディエンスにぶちまけ、ステージを降りた。その後、長い時間Wアンコールを求める拍手に包まれ、 <Nagasa・Oneman 7 Band Ver.>のツアーファイナルは幕を閉じた。

sPHOTO93420121019123019.jpg
今回のライブでは、さまざまな長澤の新たな面を観ることが出来た。それは長澤知之というミュージシャンが動き続けている証拠でもあり、彼のライブは毎回どうなるか目が離せないことを再認識させるものであった。

TEXT まさやん


■ 長澤知之オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/
nagasawa/



■ 読者プレゼント

長澤知之 Nagasa・Oneman 7のツアーTシャツとタオルを抽選でそれぞれ1名様にプレゼント!

t.jpgta.jpg

応募は締切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

※上記未記入の場合は無効となりますのでご注意ください。
※TシャツはLサイズです。
※発表は発送をもって代えさせていただきます。

たくさんのご応募お待ちしています。
 

セットリスト

01. 夢先案内人
02. あんまり素敵じゃない世界
03. 消防車
04. THE ROLE
05. JUNKLIFE
06. スリーフィンガー
07. センチメンタルフリーク
08. はぐれ雲けもの道ひとり旅
09. 決別
10. ラブソング
11. 明日のラストナイト
12. 片思い
13. されど木馬
14. EXISTAR
15. 神様がいるなら
16. どうせ陽炎
17. 真夜中のミッドナイト
18. Blue Blue
19. 茜ヶ空

・Encore
20. マンドラゴラの花(弾き語り)
21. 幸せへの片思い(with益子 樹(ROVO/DUB SQUAD))
22. コーデュロイ(with益子 樹(ROVO/DUB SQUAD))
23. 俺はグビ(弾き語り)
24. カスミソウ(with山本健太)
25. バベル

Amazonで購入

ページの先頭へ
トップページに戻って他のコンテンツを見る
©2015 mFound entertainment All Rights Reerved.