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サンボマスター「ロックンロール イズ ノットデッド ツアー」 @ ZEPP DIVERCITY TOKYO 11月15日

サンボマスター「ロックンロール イズ ノットデッド ツアー」 @ ZEPP DIVERCITY TOKYO 11月15日

沖縄を皮切りに9月からスタートしたサンボマスターの<ロックンロール イズ ノットデッド ツアー>は、11月15日(木)、16日(金)の2DAYS、SOLD OUTのZEPP DIVERCITY TOKYOで終了。全15カ所、17公演の幕を閉じた。

東京初日の15日(木)、1Fフロアには戦闘態勢ばっちりのオーディエンスの姿。
SEが止み客電が落ちると「Sambo master」と書かれた大型フラッグがステージ背後から歓声を受けて上昇する。

フラッシュライトが瞬く中、ゴダイゴの“モンキーマジック”に乗って、メンバーが登場。それがサンボマスターライブのスタートを告げるアイテムであり、完 全にオーディエンスへ刷り込まれた興奮の記憶。
「おや?全然盛り上がってねーじゃねぇか!!」山口隆がオーディエンスを煽りながらギターを掻き鳴らす と、“衝動バケモノ”でスタートからテンション爆発!

SMB_001.jpgレーベル、事務所の移籍を経て今年7月に待望のニューアルバム『ロックンロール イズ ノットデッド』をリリース。そのアルバムを引っさげてのツアーなのでセットリストもアルバム中心だが、「いろはす(日本コカコーラ)」のCMソングでも耳馴染のあるライブ定番曲“世界をかえさせておくれよ”では、もう何が何だか分からない位の盛り上がりで、オーディエンスがうねる。


「今日はZeppの1日目だということでビクターの社屋を借りてやろうと思ったけど、汗臭くなるから嫌だって。」と、前半戦からの飛ばし気味の山口は、息を荒がながらもシレッとこういう冗談も言うことは忘れない。

しかし、冗談ではないのが今回のスペシャルゲスト!

今年6月にリリースしたタワーレコード完全限定シングル『あなたのことしか考えられない』でコラボした池田貴史(レキシ)と桜井秀俊(真心ブラザーズ)が登場。
二人の登場に大盛り上がりのオーディエンスだが、山口は苦笑いするように一言「この二人が来たのに何なんですが…木内に捧げる曲をやっていいすっか?」。

二人を呼び入れたのに“あなたのことしか考えられない”じゃないの?という笑いと、木内に捧げる曲って!?という期待の歓声がどうにも絶妙なバランスで入り交じるが、このツアーの為に作ったアルバム未収録曲だと告げると、空気がまっすぐな大歓声に変わった。

ドラマー木内泰史にスポットをあてた“スイートソウル ドラマー”は、池田、桜井を交えてゆったりとジャムっているかのようで、そこから“泣いてばかりじゃ見つからないぜ”へと流れると、今度は池田のアグレッシブな鍵盤プレイと、相反する桜井のクールなギタープレイでオーディエンスを魅了。



SMB_001_1.jpgそういえば “泣いてばかりじゃ見つからないぜ”のタイトルには副題として“~ハードコアスイートソウルの誕生~”と、布石のように記されていたということをこの時ふと思い出した。懐かしいナンバー“美しき人間の日々”で近藤洋一は右手をオーディエンスに掲げると、それだけでフロアは興奮の坩堝(るつぼ)と化した。



SMB_002.jpgスイートソウルドラマーの木内はダイナミックなドラミングと、これまたダイナミックなコーラスでその興奮へ更に火を注ぐ。

SMB_003.jpg「ラブソングを書こうと思ったんだけど、何で成功しない曲ばかりになっちゃうんだろう。30歳過ぎても14歳位から成長していないんだと思う。」 山口は曲が終わり、歓声を背中に受けながら水を一気に飲み干した後、笑いながらこう言うと、共感だろうか同情だろうか、山口の名前を呼ぶ歓声が轟く。その妙な連帯感につい笑ってしまうが、山口のラブソングやバラードは絶品だ。穏やかで温かくて悲しげな“青春のかけら”のメロディとバラードで一気に繊細さを浮き立たせる山口の声が今迄ひたすら暴れまくったオーディエンスの動きを止める。



「もう一曲ラブソングやっていいかい?」
その投げかけに拍手で答えが返ってくる。愛に対して、「ホイットニー・ヒューストンはネルソン・マンデラ氏へ「I Love You」と言ったんだよ!俺の「I Love You」って何だろう。」と言い、 再び池田と桜井も入ると”あなたのことしか考えられない”を静かに歌う。

ステージ背後の、Sambomasuterの白いロゴは星空を映し出し、桜井のスティールギターが切なく響く。池田のピアノは、レコーディングで使った震災で流されなかったピアノではないが、心の中では同じ音色を奏でていた。


震災へ対しての想いをピアノに含みながら“I love you & I need you ふくしま”へと続くと、フロアはそれぞれの想いと共にこの歌の持つ何かを咀嚼しているように見えた。
ある人はじっと聴き、ある人は仲間と肩を組んでリズ ムをとり、ある人は力強く一緒に歌う。私は2Fからそういう風景をペンも取らずただただじっと観ていた。

池田と桜井を再び呼び入れ“ビューティフル”で軽快なノリをみせた後、ライブを観たファンが熱いメッセージをくれるという話を始めるが、何故かいぶかしげな表情の山口。
…が、そのまま話を続ける。
「ライブを観た若者がTwitterで、アツいメッセージとかくれるんだけど、“本当のロックンロールって、演奏とか音程とか関係ないと思いました!! ”って言われるんよ。」
更に表情がいぶかしくなる山口にフロアは爆笑、「俺たちだって、セミプロレベルで頑張ってるんだから!!!」と続けると関係者席 まで大爆笑に湧いた。

そして“静かに光つづけるもの”のインストヴァージョンを披露。近藤と山口は向かい合って跳ね合うと、ギターソロで山口はわざとタッピングパフォーマンスを見せ「ほら、こんなことも出来るんだぜ」と言わんばかりにニヤリと笑う。これにはオーディエンスも色々な意味で(笑)大盛り上がり! 今度は桜井と山口が向かい合い、ギターを歪ませる。

SMB_004.jpg桜井のギターソロは言う迄もなくカッコ良いが、終わった後両手でピースをしてしまうあたりのお茶目さもいい!! 近藤はビデオカメラを持ち出し、熱狂するオーディエンスや、ステージ、激しいドラミングの木内を撮影。池田と桜井は木内の後ろに映り込みはしゃぐ!

ちなみに、この “静かに光つづけるもの” のインストヴァージョンは今年の3月11日にスタジオ・ライブで演っており、『ロックンロール イズ ノットデッド』の初回限定盤に収録されている。

「踊れ!踊れ!!踊れ!!!」通常のヴォーカルヴァージョンの “静かに光つづけるもの”で山口が煽ると、キラキラ光るミラーボールに照らされながら手を左右に降り続けるオーディエンス。でもここからが凄かった!!


「木内に薔薇と、とっても安いマントを贈ります!」
ドラムを離れ、ステージ中央に出て来た木内は薔薇を持ち、黄金のマントを身につけると近藤と共に歌い 出した。おー!二人がステージ中央でマイクを持ち歌うのを観るのは初めてだ!!!と、オーディエンス同様興奮する。この際、何故マントと薔薇なのかという のはどうでもよい…いや、よくないが(笑)。

池田、桜井が退場すると、後半戦はひたすら盛り上がるのみ!!


“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”、“できっこないを やらなくちゃ”という鉄板曲では 山口が「みんなの声で自分の声が聴こえないよ!」という位のシンガロングとモッシュが繰り広げられた。

SMB_005.jpg「2000人以上が歌うと、スゲーことになるんだな。」と、山口はボルテージが上がりきった汗だくのオーディエンスを嬉しそうに見渡す。木内も近藤も同じようにフロアの隅々まで見渡し、笑顔を見せた。

本編ラスト“ロックンロール イズ ノットデッド”で、山口の繰り返す「ロックンロール!!」はシュプレヒコールのように響き、サンボマスターの申し子達は拳を振り上げフロアに大きな波を作った。


「ロックンロール! ロックンロール! ロックンロール!」
サンボマスターのオーディエンスは、「アンコール」という代わりに「ロックンロール」という。その声を受け、再び登場したメンバー。

「凄かったな!今回はライブが少ない分、モッシュがえげつないことになってたな。三人で話してたのは、明日のことを考えるのはやめようってこと(笑)」

そう、明日のファイナルを前にこれだけの盛り上がり。お行儀よく次の日のことなんて考えてたらこんなボルテージの針を吹っ飛ばすようなステージはやれない!そこをやっちゃうのが愛すべきサンボマスターだ!



SMB_006.jpg「アンコールだからって手抜くんじゃねーぞ!!!」そう言うと、“あなたといきたい”では本編同様、いや、それ以上の盛り上がりを見せる。オーディエンスもメンバーもテンションは何一つ落ちていない。
「ありがとな。君達が(このライブを)作ってくれたんだ。君たちのことをこう呼ぶよ。ロックンロール!!!」

心からの喜びと感謝を延べ“歌声よおこれ”でライブが終了すると、SEとして流れた“うまくいくんだよきっと” で再びシンガロングが起きる。

汗を光らせ、開放感と達成感、終わってしまう寂しさと最高のステージを味わえた喜び、そんな様々な感情が入り交じった拍手の嵐が起きると、山口も近藤も木 内もステージの端の端まで行き、手を振る。しかし近藤はとうとうオーディエンスの中へ入ってしまった。しかしステージに戻ってくると山口と一緒に歌い、 山口は少し先に退場した木内を、「木内、出て来いよ!」と呼び寄せる。少しすると池田と桜井に引っ張られるようにして木内はまたステージへ舞い戻り、曲が 終わるまでこの盛り上がりはノンストップ。

最後の最後まで数ミリもおざなり感がないステージというのはいつも通りだったが、スペシャルゲストを招いたり木内と近藤が歌ったりと、いつも通りでないステージはオーディエンスだけでなく関係者、スタッフまでも魅了し熱狂を生んだ、まさにスペシャルなライブだった。



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PHOTO:山本倫子
TEXT:まさやん


サンボマスター公式サイト http://www.sambomaster.com/

セットリスト

<セットリスト>

1、衝動バケモノ

2、恋する季節

3、青春狂騒曲

4、世界をかえさせておくれよ

5、スイートソウル ドラマー
 〜泣いてばかりじゃ見つからないぜ

6、君を守って君を愛して

7、あなたに心奪われたから

8、美しき人間の日々

9、青春のかけら

10、 あなたのことしか考えられない

11、I love you & I need you ふくしま

12、ビューティフル
13、静かに光つづけるもの(インストヴァージョン+ノーマルヴァージョン)

14、光のロック

15、あの鐘をならすのはあなた

16、そのぬくもりに用がある

17、世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

18、できっこないを やらなくちゃ

19、ロックンロール イズ ノットデッド

★アンコール
20、あなたといきたい
21、歌声よおこれ

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