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flumpool Special Live 2013

flumpool Special Live 2013"experience" at 横浜アリーナ 1.12

昨年12月、 約2年ぶりのNew Album『experience』をリリースしたflumpool。その『experience』を引っさげて、1月11日(金)、12日(土)@横浜アリーナ、1月16日(水)、17日(木)@大阪城ホールでスペシャル4Days Live「flumpool Special Live 2013“experience” 」を開催し、大成功で全ての幕が閉じた。

横浜アリーナ2日目の1月12日(土)開演20分前。すでに最上階一番後ろの席まで埋まったオーディエンスが今や遅しとflumpoolの登場を待っている。

客電が落ちると、ステージの大型スクリーンに映る「flumpool」と書かれた白いヘッドフォン。そのジャックがまるで竜のようにメンバーや世相を反映させる新聞の間を抜け、猛烈な勢いで突き進んだかと思えば、ツアータイトル「flumpool Special Live 2013“experience” 」が映し出され、大歓声に包まれた。

flumpool_yokohama1.jpgその歓声と交ざりあうかのように、イントロレスの“どんな未来にも愛はある”で山村隆太の声が横浜アリーナに響き渡くと「ヨコハマー!会いたかったぜー!!」という、力強い山村の言葉にオーディエンスのテンションも冒頭から上がる。

flumpoolらしい疾走感と甘酸っぱさを持つ“君に届け”で山村は、中央にせり出したステージまで勢いよく走り出すと、ステージ奥のスクリーンには満面の笑みを浮かべながら飛び跳ねるオーディエンスの姿が映し出された。

『experience』のリリースにあたりメンバーに取材をさせてもらった時の話。山村は、最前列だろうが最後列だろうが、同じだけ楽しくなければいけないと語っていた。それは flumpool全員の想いでもあるが、今日という日がオーディエンスにとって、そしてメンバーにとっても最高になることだけを願う気持ちが、歌や演奏は勿論、フロントマンである山村の指先からも繊細に伝わる。

「来てくれてありがとう。めちゃくちゃ嬉しいです。2013年は僕たちにとって重大で重大な年です。10月1日でデビュー5周年です!」

拍手を受ける山村の言葉は「えらい経ったものだ。」という、気の抜けたような言い方に変化、会場の雰囲気も和む。しかし真剣な表情にもどった山村はこう続けた。

「5年は1つの区切り。脱皮と飛躍。ひとつ上のステージに上がる大切な年。前日に続き、この日のライブもその年明けとして大切なステージ。この2年間で経験したことが僕らにとっても大切だし、みんなにとっても色々あったと思う。」

この2年間…。そこには絶対的に東日本大震災という、未だ消えない生々しい爪痕がある。そしてflumpoolの活動としては昨年3月から9月、全国42ヶ所52公演に及んだワンマンライブツアー「flumpool 5th tour 2012『Because... I am』」で経験したことの大きさを物語っている。その中でオーディエンスと会えた喜びに触れると、また拍手が舞起こった。

「その拍手も、いい経験だったんですよ。最高ですよ!ね、カズちゃん」

…と、突然ギターの阪井 一生へ話を振るも、阪井が喋り始めようとすると山村は更にシレッと喋り続け、とうとう「喋らせんのかいっっ!!!」と阪井からのツッコミ。ここら辺の関西ノリはさすがだ。会場も一気に爆笑モードへ。

この日はカメラが入っている為、阪井が「みなさん、化粧とか大丈夫ですか?」と、更に笑わせると山村が「笑顔が一番の化粧ですから」と一言。オーディエンスのオー!という歓声を打ち消すかのように阪井が「今のキモイ!」と一喝。歌のテンションとは全く違うが、MCでもバッチリとコンビネーションの良さを見せてくれる。

“Natural Venus” での尼川元気のベースアプローチは、揺らめくようなリズムに重低音を響かせ、阪井のクリアなギターサウンドと絶妙なバランスで絡み合う。スクリーンを通してステージに見事な桜が咲いたのは“今年の桜”。本当であればこの日、ライブへ来たかったけど来られなかった受験生へ、そして被災地までもこの満開の桜たちとflumpoolの歌声と演奏が届くことを願い、続く“証”では、こみ上げるような切ないバラードにオーディエンスは静かに聴き入っていた。

昨年12月31日、flumpoolの所属レーベルであるA-Sketchのメンバーとカウントダウンライブ<『Ready Set Go!!』 Count Down Live2012 →2013 supported by A-Sketch>に出演した際の楽屋では、あけおめメールが飛び交っていたらしい。まぁ当然だろう。特に尼川はかなり来ていたらしく、そんな尼川を尻目に阪井は「俺はオカンからだけ。でもあまりにも恥ずかしかったから、元気には5件って言った。」と少しすねたように言うと、会場は爆笑に湧いた。そして1月21日が誕生日の山村は「もうすぐ28歳になるんですよ。誕生日もライブをやりたかったですけど、でも嬉しいです。」と誕生月にライブが出来たことを喜びながら「27歳までは勢いだけでやっていた。ワー!!!とか(笑)。でもそんなんやってたら、何やってるの、おっさん。って言われそう。」と笑いながらも、これからはもっと意志を持たなければいけないと“Sprechchor”を熱唱。

バーン!とステージから爆発音が響けば、一も二もなく盛り上がる“覚醒アイデンティティ”でオーディンスのテンションも上がり、火花のような細い光とレーザー光線が会場を席巻。阪井も尼川も両端にせり出した花道で煽るようなプレイ!そしてどの曲でも常にサウンドの軸を支えているリーダー小倉 誠司のドラミングは、ひたすら派手なリフを刻むわけでも、パワープレイを気取るわけでもなく、取材でも言っていたように「間」を大切にしている。決して無駄な主張はしないのに、そのスタイルは遠目から観ても魅了される華やかさを持ち、つい目を奪われてしまう。

ライブ後半、盛り上がりはそのまま”Because… I am”へと続き「みなさん、コレの準備はいいですか?」と、山村がグッズタオルを掲げると、会場は“イイじゃない?”で、一斉にタオルを回しながら、テンションもMAXに!!

flumpool_yokohama8.jpgそれでもサビの「イイじゃない!いんじゃない?」の合唱では「聴こえないよー!」と山村は煽り続け、オーディエンスが最高の声を上げると、パーンという音と共にキラキラと輝くテープが発射。「お前ら愛してるぜー!!」山村は叫ぶと、“星に願いを”では会場が一体となり歌い、山村はその歌声にマイクを向けた。そして“Answer”で本編は終了。

大きな歓声と拍手の中、アンコールで再び登場したメンバー。“花になれ”を歌い終わると「横浜の皆さん、今日はありがとうございました。みんなに会えて、これまでで一番の経験をさせてもらいました!」と挨拶。山村は何度も「ありがとう」を言いながら「この胸の中にあるみんなへの、ありがとうの気持ちを込めて歌います。聴いて下さい。」と、渾身の想いを込めて“36℃”を歌い、アンコールは終了。

flumpool_yokohama9.jpgステージ中央に集まったメンバーは長い長いお辞儀をした後、「5周年ということもあり、色々考えています。楽しいことを沢山しましょう!」と改めてこれからのflumpoolもよろしくという想いを込めてステージの端から端まで行くと「また会おうね」「今日は本当にありがと!」「今年もよろしく!後ろまで見えてたよ!!」「今年も頑張っていきましょうね」など全員が手を振りながら挨拶。

そして最後は「会場全員、隣の人と手をつないで」という山村の言葉にみんな少し照れながらも全員が手を繋ぎ合って「せーの」というかけ声でその手を上に掲げた。まさにすべてが繋がった瞬間であった。

大きな拍手に見送られメンバーが退場する中、小倉は最後の最後まで名残惜しそうに残り、ステージ中央に立つと生声で「ありがとうございました!!」と叫んだ。少しの沈黙の後、ワァッ!という割れんばかりの歓声と拍手を受け、小倉は着ていたTシャツもリストバンドも会場へ投げ込み退場。スペシャル4Days Live「flumpool Special Live 2013“experience” 」の横浜2日目の幕は閉じた。


TEXT:秋山昌未
 

セットリスト


01.どんな未来にも愛はある
02.Touch
03.君に届け
04.Natural Venus
05.The great escape
06.今年の桜
07.証
08.僕はここにいる
09.Sprechchor
10.傘の下で君は…
11.two of us
12.覚醒アイデンティティ
13.Because… I am
14.reboot ~あきらめない詩~
15.プレミアム・ガール
16.イイじゃない?
17.星に願いを
18.Answer

・アンコール
19.花になれ
20.36℃

 

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