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サンボマスター「待たせたな!新曲出来たぜ!!~という夢を見た~ツアー2013」

サンボマスター「待たせたな!新曲出来たぜ!!~という夢を見た~ツアー2013」

SMB832.jpg7月5日(金)、この日は気合いを入れてかからねばと思っていた。
なぜなら、サンボマスター<待たせたな!新曲出来たぜ!!~という夢を見た~ツアー2013> の東京2DAYS公演の2日目、ツアーファイナルだからだ。しかも会場は渋谷CLUB QUATTRO!

6月22日からスタートしたこのツアーは、大阪、名古屋、東京の各CLUB QUATTROで2日間ずつ、計6公演開催。
「爆音ナイト」「ムーディナイト」「やるっきゃナイト」と3つのコンセプトを持っている。
3000人超えの会場をSOLDOUTにするバンドが約800人キャパの会場でツアーファイナルをやろうというのだからそれは気合いも入る。(勿論SOULDOUT)しかも「やるっきゃナイト」。これはやるっきゃない!
当然関係者エリアなるものなど存在しない。中央フロアでのレポはまず無理だろう。ならば入り口左側のドリンクカウンター奥、ここだ。少し柱が邪魔だがステージにも近い。どうにかいけそうだ。開演30分前にしてフロアの熱気はすでに半端ない。

SEの“モンキーマジック”が流れるとオーディエンスの波は左右に揺れながら前に動くが、それでも後ろを見ればまだ人で溢れている。
登場する3人に浴びせられる大歓声はどこかプロレスの登場シーンにも似ていた。
バンドもオーディエンスも一触即発、戦闘意欲満々!
だがこれから始まるのは当然喧嘩でもプロレスでもない。ロックンロールだ!

「いきますよ、皆さん!」
山口 隆(Vo.G)の呼びかけで先の “モンキーマジック”をシンガロング。
山口の「怪我だけはするな、させるな。痴漢は殺す!!!」に大声援。
「おめーらのクソヂカラ見せてくれ!!!」そう続けると“世界をかえさせておくれよ”でライヴスタート。
「ツアーファイナル、こんなもんですか?言っとくけど名古屋と大阪はこんなもんじゃなかったぞ!!!」しょっぱなから浴びせられる山口の煽りで妄想恋愛女子と男子は叫ぶ。(この下りは是非ライヴで体験して欲しい!)

続く“ミラクルをキミとおこしたいんです”は6月26日にリリースされたばかりのW-Asideシングル『ミラクルをキミとおこしたいんです/孤独とランデブー』のタイトルトラックで木内泰史(Dr.Cho)のドラムがパワフルに炸裂。
続く“恋する季節”では近藤洋一(Ba.Cho)によって謎の呪文をかけられた(笑)オーディエンスが「みーちゃった みーちゃった あの娘の恋人みーちゃった♪」とシンガロングすると、3人の楽器は爆発的な音を打ち鳴らす。

SMB851.jpg「なんで6曲もノンストップでやっちゃったんだろう。」
息を切らしながらそう言う山口を見てオーディエンスは嬉しそうに笑い声をあげる。
インスト曲“静かに光りつづけるもの”で山口は、ステージ前方へ出るとタッピング奏法で盛り上げ、近藤と向かい合いジャンプ。

「木内がめちゃくちゃ練習してきたから、ツインペダル。」と、更に期待を煽ると木内はイヤイヤイヤと手を左右に振りながら謙遜しているジェスチャーを見せる。が、前日4日(木) 同会場での「ムーディナイト」でドラムを早めに切り上げたことを突っ込まれ苦笑。
しかしすぐに「やれるともさー!!!」と叫ぶとドラムソロへ。

SMB805.jpg加速する木内が叩いているのはシンバルだかタムだかスネアだかすでに判別不能! 一旦終わったかと思えばまた叩き始める。
さすがの山口も「わかったよ、わかった!」と圧巻の木内ドラムソロに感服。
「MC ブラザー近藤洋一! MC ブラザー木内泰史!」
熱狂の中、そう紹介されるといつしかドラムから離れていた木内がプチミラーボールを持って登場、近藤は手持ちのステージライトでそれを照らす。


SMB853.jpgここからがこのライヴ、もうひとつの見せ所!
ミラーボールが光る中、木内が「今日はスナック渋谷にようこそ。」とエコービンビンのマイクでスナック臭プンプンのトークを繰り広げれば「一曲歌っていいですか?」と“孤独とランデブー”を近藤、木内で歌い、一列に並ぶとEXILEバリにグルグルとダンスを披露。
他曲とはまた毛色の違う熱狂を見せながらも空間すべてが開放的で、ただただ気持ち良い。


モッシュ炸裂の“青春狂騒曲”後、「うるせー曲でグワーッてやりたいけど、静かな曲でもグワーッてやりたいのよ。君の夜に忍び込めるように歌う。君の心に歌いたいんだ。」
山口はそういいながら“あなたのことしか考えられない”を静かに歌い始めると、同じフロアとは思えない程の静けさが訪れ、近藤の低いベースの音が響き渡った。


SMB801.jpg
「物販の隣に募金箱があります。」チューニングをしながら山口は「ミラクルをキミとおこしたいんです募金」の話を始めた。
この募金は、サンボマスターがツアー等で募金を募りながら、集まったお金を東日本大震災による被害を受けた地域への支援に使うというもの。今回はライヴハウスで集めたお金なので『東北ライブハウス大作戦』への寄付することが決定している。

山口は次に歌う “I love you & I need you ふくしま”について、「この曲は誰が歌ってもいいと思っている。だからJASRAC ( 日本音楽著作権協会)にも登録していない。」」と語り「 I love you & I need youという想いは60年前にTHE BEATLESが歌ったのと一緒。初期衝動は60年前と変わっていないし故郷が好きという気持ちは60年後も変わらない。」と続けた。
そしてサンボマスタースピリッツを持ったオーディエンスは “I love you & I need you ふくしま”を一緒に歌いながら、歪んだ現実も、希望を忘れてはいけない現実も刻み込む。

ライヴ後半“光のロック”の頃にはもう熱気と湿気でレポノートがたわみ、文字が乗らないという事態に陥るが、それは同時にライヴの凄さを物語っていた。
山口は何度も感謝の言葉を述べ、「みんなのために歌う!」と、和田アキ子さんのカヴァー“あの鐘を鳴らすのはあなた”を高らかに歌い上げると、同時にフロア全員の歌声も響いた。


サンボマスターのライヴは初参戦者に衝撃を与える。しかし決して蚊帳の外にはしない。どの曲でも山口は「いくぞ、いくぞ」「3・2・1」「準備はいいか」など声をかけ、一丸となれる。
もうひとつ恒例なのはタイトルをオーディエンスと共に叫ぶこと。
“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”でもコールされるが、惰性で騒ぐことを許さないのがサンボマスター。
木内はシンバルをチョンと鳴らし、“こんなノリじゃ叩けねぇな”と言わんばかりの表情。
山口も「無理矢理こさせられた彼女もここだけは頑張って!」と笑いを誘いながら再度コール。
確かに先ほどより格段に大きなコールだ。
「すげーツアーファイナルになってきました!!」
上昇するテンションの中、“できっこないを やらなくちゃ”で本編終了。

「ロックンロール!」の大合唱がアンコールの合図。
再びメンバーが登場すると山口は「クアトロで久しぶりにやらせてもらって楽しかったです!」と笑顔。
アンコール1曲目、“全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ”が終わると「ありがとうございました!最高でした、ツアーファイナル!!また会いましょうね!!!」と挨拶。

少しの静寂から山口のギターがラスト曲“あなたといきたい”を鳴らせば、会場一丸の歌声が響いた。
大歓声でライヴが終了すると、SEの“うまくいくんだよきっと”に合わせ山口と近藤は歌い、木内はサイン入りのスネアヘッドをフロアへ投入。
最後に山口が「また来てくれ!何故なら僕たちは君たちとミラクルを起こしたいんです!!!」と叫び、大歓声と拍手の中、宇宙一のミラクルなツアーファイナルが幕を閉じた。


カメラマン:山本倫子
TEXT:秋山昌未
 

セットリスト

M1.世界をかえさせておくれよ
M2.ミラクルをキミとおこしたいんです
M3.恋する季節
M4.美しき人間の日々
M5.ロックンロール イズ ノットデッド
M6.君を守って 君を愛して
M7.静かに光りつづけるもの
M8.孤独とランデブー
M9.青春狂騒曲
M10.あなたのことしか考えられない
M11.I love you & I need you ふくしま
M12.歌声よおこれ
M13.光のロック
M14.あの鐘を鳴らすのはあなた
M15.そのぬくもりに用がある
M16.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
M17.できっこないを やらなくちゃ

en1.全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ
en2.あなたといきたい

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