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長澤知之「黄金の在処」発売記念~シークレット ライド7~ 渋谷 WWW

長澤知之「黄金の在処」発売記念~シークレット ライド7~ 渋谷 WWW

nagasawa_ride7_1.jpg独自のメロディセンスを持つ長澤知之の2nd Full Album『黄金の在処』は、インストバンドNabowaや津野米咲(赤い公園)、ボカロPれるりりをはじめ、多くのミュージシャンがゲスト参加。
たな長澤の魅力に溢れていた。
そんな『黄金の在処』を引っさげ、12月14日(土)渋谷 WWW、 12月17日(火)大阪 Music Club JANUSで【「黄金の在処」発売記念~シークレット ライド7~ 】を開催。
渋谷WWWのシークレットゲストは赤い公園。
ライヴはまず長澤の弾き語りから始まり、赤い公園、長澤のバンドセットへと進んだ。

東京公演はSOLD OUT。
定刻の18時30分、長澤は歓声を浴びながら登場。
「こんばんは。よろしくどうぞ。 一曲目は皆さんに捧げます。」と挨拶、弾き語りでの“左巻きのゼンマイ”でライヴはスタートした。
長澤の歌声と鳴りの良いアコギは色彩を持ち、風景や違う音までも想像させる。

「ライド7へようこそ、皆さん。」
静かな口調でのMCは少しナーバスにも聞こえたが、トーンも変えずに「ライド7は、何と言うか…“徹子の部屋”みたいなもので…」と続けるとフロアも爆笑で一気に和む。
ゲストを招いてのスタイルなので “徹子の部屋”か(笑)。
ともあれ長澤は、このライヴを自由に楽しんで欲しいと語り、“無条件幸福”を歌い上げた。

11月の『黄金の在処』レコ発ライヴ@タワーレコード渋谷でも思ったことだが、 長澤の歌声には筋肉質な力強さとしなやかさが加わった気がする。
「引続き楽しんで下さい。」全4曲の弾き語りで一旦退場。赤い公園のステージへ。


「長澤知之さんに呼んでいただきました赤い公園と申します。今日はどうぞ最後までよろしくお願いいたします。」佐藤千明(Vo.G) が挨拶。


nagasawa_ride7_3.jpg赤い公園は約半年間の活動休止期間を経て今年3月に活動再開。
ライヴは復活後最初に配信リリースした“今更”でスタート。
浮遊感と激しさの狭間を行き交う赤い公園サウンド。表現は違えど、長澤同様エキセントリックな感性は刺激的である。

更に今年8月にリリースしたフルアルバム『公園デビュー』に収録の“くい” では佐藤が長澤を呼び込みコラボ。
ファン待望の音源化楽曲を真っ赤なライトの下で(津野の言葉を借りれば、深夜の米軍基地が染める福生の赤い空だろうか)ギターを歪ませ歌う長澤。
その後全6曲で赤い公園のステージは終了。

赤い公園メンバーが退場するとステージにはスクリーンが現れ、楽曲同様津野がゲスト出演している“そのキスひとつで”のMVがこの日初披露。フロアを沸かせた。
そしてバンドメンバーの西川進(G)、松田“FIRE”卓己(Ba)、タナカジュン(Dr)が登場すると「徹子の部屋」のBGMが流れ、再び大爆笑!
その和みムードの中で長澤も登場し、バンドスタイルのステージへ。

今アルバムの中でも「いぶし銀的要素」の“STOP THE MUSIC”が1曲目なのは、正直意表を衝かれた。
気だるげなメロディの中で浮遊感ある西川のギター、長澤のシャウトとアウトロで歪ませるギターは渋さを際立たせた。

タイトル通り、スーパーマーケットで巻き起こる悲喜こもごもを描いている“スーパーマーケット・ブルース”。
「コノヤロウ」と怒りが詰まった歌詞を叩き付けるように歌うと、CD音源の栗原健氏のテナー・サックスではなく、西川と松田がステージ前方で激しい音をぶつけ合いオーディエンスを煽る。
身体全体で音を表現するタナカのリズムも効いている。

「赤い公園は最高のバンドです。彼女達に喝采を。」
長澤の言葉にフロアからも大きな拍手が注がれた。
“追憶”、“零”、“THE ROLE”とハードに加速する流れは否応なくオーディエンスを熱狂させる。
衝撃で圧倒する楽曲だろうが、真っすぐで暖かい楽曲だろうが、西川、松田、タナカの発する音は長澤の音楽と相性が良く思えた。

「徹子の部屋楽しんでますか?」
すっかり汗まみれになった長澤はメンバーを紹介すると少しコミカルな口調で「この4人でお送りいたします!」と笑顔を見せた。

ステージ後ろの黒幕が開くとスクリーンに映し出される水滴達。
“フラッシュバック瞬き”でこの映像はリズムと共に形を変え、 言葉をバンバンと投げかけるラップや長澤の高い声と一緒に不思議な世界観へと誘った。
アルバムのタイトルトラック“黄金の在処”はシンプルなメロディの中に、様々な音がコラージュされている。
松田の手の中でカラカラと鳴るエスニック楽器は風の音だろうか。ギターの弦をこする音は水の中だろうか。更に西川のエレキは高い音色で空間を広げ、上昇しそうなシンバルの細かいざわめきは突如音を止めると、長澤の声へと繋げた
。とてもとても短く暖かいこの曲に、溢れ出る長澤の才能を感じる。というか、感じさせられる。


最新曲 “黄金の在処” の後はデビューシングル曲“僕らの輝き”。
長澤の歴史の極端にある曲は長澤の中で、そしてみんなの中で、それぞれの物語を映し出しているだろう。
オーディエンスへ感謝を述べた長澤は「じゃあ爽快にこの曲をやろうと…」と言いながら自ら吹き出し、「最低なMCだな。」と自虐発言。これにはみんなも笑ってしまった。
しかし、“GOODBYE,HELLO”の軽快なサウンドにオーディエンスは少なからず弾み、長澤からも笑みがこぼれた。

本編が終了。
アンコール1曲目に歌う “そのキスひとつで”について「ここにいる男性、女性が異次元ハニーになってもらえれば何よりです。」と言いフロアを沸かせる。
「今日はマジでありがとうございました!」
改めてお礼を言うと、アンコール最後 “誰より愛を込めて” ではステージ前方ギリギリのラインでギターを響かせ、オーディエンスも軽快にハンドクラップを響かせる。
「赤い公園に拍手を。大好きだぞ! みんなに拍手を!」とオーディエンスへ向けて拍手しながらステージを後にした。

しかし拍手は一向に鳴り止まずダブルアンコールへ。
アコギ1本で“いつものとこで待ってるわ”を歌うも、2番に入る時に突然の沈黙。
「ん?歌詞を忘れた?」
一瞬そう思い冒頭の歌詞を口ずさむ人もいただろうが、「いやいやこれはわざと楽しんでいるんだな。」と分かるとフロアに笑いが。
それでもまた歌い出すとオーディエンスも同じ呼吸でメロディに身を委ねる。
「教えてくれてありがとう!」
粋な挨拶で【「黄金の在処」発売記念~シークレット ライド7~】東京公演は幕を閉じた。

来年2月には長澤知之 “Nagasa・Oneman8 Band Ver.”の開催が決定している。

バンドメンバー
西川進(G)/松田“FIRE”卓己(Ba)/タナカジュン(Dr)



TEXT:秋山昌未
 

セットリスト

・長澤知之 弾き語り
01. 左巻きのゼンマイ
02.センチメンタルフリーク
03. 明日のラストナイト
04.無条件幸福

・赤い公園
01.今更
02.TOKYO HARBOR
03.透明
04.くい with長澤知之
05.私
06.ふやける

・長澤知之 バンド
01. STOP THE MUSIC
02.あんまり素敵じゃない世界
03.スーパーマーケット・ブルース
04.追憶
05.零
06.THE ROLE
07.JUNKLIFE
08.フラッシュバック瞬き
09.マンドラゴラの花
10.黄金の在処
11.僕らの輝き 
12.GOODBYE,HELLO
13.夢先案内人

ENCORE
EN1.そのキスひとつで
EN2.ねぇ、アリス
EN3.誰より愛を込めて

DOUBLE ENCORE
EN4.いつものとこで待ってるわ

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