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Sukimaswitch 10th Anniversary

Sukimaswitch 10th Anniversary"Symphonic Sound of SukimaSwitch"

sukimabudoukan1.jpg今年7月にデビュー10周年を迎えたスキマスイッチ2013年のライヴはアツかった。
まず2012年からの繋がりでスタートさせた二人で全都道府県をまわった【TOUR 2012-2013 "DOUBLES ALL JAPAN"】から、全4会場・5公演のアリーナツアー【Sukimaswitch 10th Anniversary Arena Tour2013 “POPMAN'S WORLD”】へと進む。
その間に「Augusta Camp」(今年はスキマスイッチプロデュース)やイベント、夏フェスもあり、スキマスイッチにとってはまさにライヴラッシュの2013年。
mFoundでもこの2つのツアーをライヴレポート。
都度、音楽やファンへの愛情が詰まった演出とパフォーマンスに感動を覚えた。

そして12月28日(土)、2013年を締めくくるにふさわしい【Sukimaswitch 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch”】が日本武道館で開催された。

スキマスイッチとして初の日本武道館公演はフルオーケストラとの競演。
オーケストラの楽器たちが重厚な二階建ての上段にずらりと並び、開演を待つ会場からもいささか緊張ムードが漂う。
拍手に包まれ41名のオーケストラメンバーが登場する様はそれだけで圧巻だった。

コンダクターである藤野浩一氏が常田を呼び込み、オーケストラと常田真太郎のピアノによる“overture”でライヴがスタート。
バンドメンバーに続き大橋卓弥(Vo.G)が現れるとオーケストが奏でる“ボクノート”のイントロに歓声が上がる。
「武道館ー!」
笑顔で叫ぶ大橋の表情が会場の上空、左右に備えられたスクリーンに映った。
続く“ゴールデンタイムラバー”のダイナミックさは毛穴が開くほど興奮した。
ファンキーなベースラインが、何故バイオリンやチェロの繊細かつ凛とした音色とこんなにも合うのだろうか。
しかもほぼ全ての楽器が音を発している。それなのにどの音もぶつかり合うことなく、まるで空中戦を繰り広げているかのごとく、見事に大橋の歌声を力強く後押ししているではないか。
今回はそういった個々の持つ技術力の結集と、オーケストレーションを担当した常田の才能が随所に花を咲かせている。

「どうもスキマスイッチです!【Sukimaswitch 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch”】へようこそ!昔からオーケストラでのライヴをやりたいという想いはありましたが。」と大橋が念願のオーケストラとのライヴについて語り始めると、常田も「しかもこんな場所で。」と続け、大きな拍手が沸き起こった。
しかしどんな形態であろうとスキマスイッチの基本テーマはアットホームなので、肩肘張らずゆったりと楽しんで欲しいと大橋は言う。
更に「今回はシンタくんが先に出て来て、シンタフィーチャーみたいな。」という大橋の言葉に、常田からもオーディエンスからも笑いがこぼれたが、ライヴ終了後、大橋は今回本当に常田が中心に居て、支えられていることを感じながらライヴをしたと語っていた。

“双星プロローグ”ではホーンの音が爽快に突き抜け、大橋はリズミカルに身体を動かす。
心地よりリズムが…と、突然大橋の歌声も演奏もピタリと止み、会場からは「え?」という反応。…が、少しの「間」を楽しむように大橋がアカペラで「会いたくなったー!」と伸びやかな歌声を響かせるとオーディエンスも熱狂。

いつもと全く違うという大橋の言葉に、すかさずオーケストラを指差しながら「いつもと違うしね。ここ(武道館)も初めてだし。」とツッコむ常田。
早くもアットホーム感全開になりそうな予感のMC。
しかし大橋は、こういうセットでのライヴが年間で何度か出来たらいいと思いつつも「今日1日限りなので噛み締めないと。」と言い、今度は常田も「今日はメッチャ考えたから、本当に。楽しみにして下さい。」と笑顔を見せた。
その後学生時代柔道部だった常田が、当時柔道で武道館を目指していたが夢遠かった話や、大橋が携帯を新しくするも新たなMAP機能を使いこなせないという身近な話など、やはり会場がどこであろうとスキマスイッチらしいMCが繰り広げられ、会場からも何度となく爆笑が起こった。

sukimabudoukan6.jpgメロウなベースが響く“願い言”は大橋の歌声も甘く、オーケストラのシンフォニックな音達がピッタリの“スカーレット”では、少しだけ重なり合う大橋と常田のハーモニーが優しい気持ちにさせる。
まるでミュージカルの一幕を見ているような音世界はいつものスキマスイッチのライヴとはやはり違う色合いを見せ、時にドラマチックに会場を包み込む。

「まだまだ行きますよ、武道館ー!」と大橋の煽りから“view”で一気にテンションを上げるとステージの端ギリギリのラインで歌い、ブルースハープを吹く。
続く“ユリーカ”では上昇するメロディとハンドクラップが武道館の日の丸まで届きそうな勢いだ。


sukimabudoukan4.jpg
オーケストラによる組曲「惑星」より“木星”から“SL9”の流れは圧巻としか言いようがない。
大橋の声はステージを走りながらも途切れることがなく、本編最後の“全力少年”では「武道館、上からも声が降り注いできそう。年末だから今年の全てを出し切って!」とオーディエンスとのメロディの掛け合いに大橋も常田も笑顔を見せていた。

二人だけで登場したアンコール、大橋がピアノの前に座った途端に沸き上がった「キャー」という歓喜の声に訳が分からず「どうしたの?」と後ろをキョロキョロ見回し、見えないものが見えたのかと思った大橋は「こわいこわい!」とビビり気味。
しかし常田が「ビートルズでもいたんじゃない?」というと大爆笑に。
そして「自分でいうのも何ですが僕、スキマスイッチのお客さん好きなんですよ。」と大橋は感謝の言葉へと繋げると、弦一徹カルテットを呼び込み、“小さな手”を。
本編の後半戦であれだけ盛り上がりをみせたオーディエンスも、この曲では微動だにせず歌声と演奏に耳を傾けた。

「オーケストラとのコラボ、楽しんでますか?」
常田の呼びかけに歓声で応えるオーディエンス。
オーケストラも再び登場するが、曲を聴かせたい気持ちとこの時間が終わって欲しくない気持ちが混在する大橋の気持ちが手に取るように分かる。
しかし“トラベラーズ・ハイ”で再び盛り上げると、「僕たちが作った音楽をこうやって聴きにきてくれてありがとうございます。最高な形で10周年が締めくくれました。まだまだ二人でやりたいことがたくさんあります。いい意味で皆さんを裏切っていけるよう、シンタくんと考えます。11年目もスキマスイッチ走っていきますので、どうぞよろしくお願い致します!」と、挨拶。
【『Sukimaswitch 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch”』】のラストは、“ラストシーン”。
一夜限りのスペシャルなオーケストラとのライヴは幕を閉じたが、オーディエンスの心にスキマスイッチの想いがそっと咲いた。


TEXT:秋山昌未


<バンドメンバー>
Gt.石成正人、Ba.種子田 健、Dr.佐野康夫、Key.浦 清英、Perc.松本智也
<オーケストラ>
Cond:藤野浩一
Vl:弦一徹、森琢哉、カメルーン真希、藤田弥生、黒木薫、海和伸子、藤村政芳、伊能修、松本亜土、執行恒宏、
長岡聡季、竹田詩織、河裾あずさ、高橋和葉
Va:三木章子、門脇大輔、西村知佳子、島岡智子
Vc:堀沢真己、村中俊之、徳澤青弦、謝名元民
CB:竹下欣伸、一本茂樹
Tp:田中充、中野勇介  Tb:鹿討奏、五十嵐誠  Sax:本間将人、鈴木圭  Hr:藤田乙比古、勝俣泰
Fl:高桑英世、岩佐和弘 Ob:庄司さとし、浅間信慶 Cla:山根公男、畑中真理
CPc:大石真理恵、大場章裕  Harp:朝川朋之
 

セットリスト

M0.overture
M1.ボクノート
M2.ガラナ
M3.ゴールデンタイムラバー
M4.晴ときどき曇
M5.双星プロローグ
M6.Hello Especially
M7.冬の口笛
M8.願い言
M9.スカーレット
M10.奏(かなで)
M11.view
M12.ユリーカ
M13.SL9
M14.全力少年

ENCORE         
M15.小さな手
M16.トラベラーズ・ハイ
M17.ラストシーン

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