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東京カランコロン『5人のエンターテイナー』リリース記念全国ツアー

東京カランコロン『5人のエンターテイナー』リリース記念全国ツアー"ワンマ んツアー2014"

karankoron_2069.jpg昨年11月にリリースした2ndアルバム『5人のエンターテイナー』を引っさげて3月8日(土) 、 Zepp Diver Cityで【『5人のエンターテイナー』リリース記念全国ツアー“ワンマ んツアー2014” 】を開催した東京カランコロン。
オープニング、“いっせーの、せ!”での、いちろー(Vo.G)を観た時、メンバーもオーディエンスも息切れすることなく、最後までこのライヴを楽しめると予感した。

ステージ中央には東京カランコロンのフラッグが掲げられ、かみむー氏(Dr)のドラムが軽快なリズムで“少女ジャンプ”のイントロを刻むと、オーディエンスもそのリズムに合わせハンドクラップ。
“フォークダンスが踊れない”では虹色のライトの中、せんせい(Vo.Key)といちろーがステップを踏み大歓声。
変態的リズム(最大の褒め言葉と感じて欲しい)にキッチュさ溢れるポップなメロディはやはり「くせ」になる。


「ワンマ んツアー2014ツアーファイナルin Zepp Diver Cityにお越し頂きまして、本当にありがとうございます!! Zeppはさすがに人が多いですね。すごいよ、前の人も後ろをちょっと観てみ。」
いちろーは挨拶の後、あらためて自分たちのワンマンでZeppが満杯になっていることに感無量な表情を浮かべていた。…が約1名、そのムードをぶち壊す(笑)銀色星人がいた。佐藤全部(Ba)だ。
この日は銀色の保温シートを身体にまとい、何故か自分のマイクはチェ・ホンマンでなければ届かないであろう位置に設置。
彼は誰かがMC中であろうが、しっとりしたムードになろうが、天才的にその空気を切り裂く。
この時も結局佐藤の出で立ちや振る舞いに笑うオーディエンスにつられ、いちろーもMCの途中で笑い出してしまった。
しかしそれが彼ららしい。
佐藤の存在は東京カランコロンのライヴを画一化したものにしない。 …勿論限度はあるが(笑)。


「日頃のもやもやを成仏させて下さい。」
まさにいちろーの言葉そのものが歌になった“言え言え言え”ではフラッシュライトを浴びたおいたん(G)のギターソロとシャウトが曲を盛り上げ、いちろーもオーディエンスを煽る。
しかし一転、“てのひら”や “キャラメル”ではフロアいっぱいに甘くアンニュイなメロディを響かせる。

そしてここからは「どきどきゾーン」に突入。
どきどきゾーンとは普段ライヴであまり演らない曲を演るコーナー。
「今日はガチでめっちゃ古い曲をやります。」 いちろーはこれから演る “ランドマークで行き止まり”が、今アルバムのタワーレコード限定「缶バッチ型プレイヤーPLAYBUTTON」に収録されていることを明かすが曲自体はまだこのメンバーになる前のもの。
その後もthe pillowsのカヴァー“ノンフィクション”や『5人のエンターテイナー』ボーナストラックのラップなど、多種多様などきどきゾーン(ファンにとっては、ワクワクゾーンだろう)が続く。

ここで5月14日にリリースするニューシングル『恋のマシンガン』のタイトルトラック“恋のマシンガン”とc/wの“ヒナゲシ”も披露。
いちろーがKORGのカオシレーターを用いてデジタルチックな音を積み上げたポップチューンの “恋のマシンガン”は蔦谷好位置氏のプロデュース。
「最新技術を使って、いつもとはまた違う面白みがある、すごく良い音源に仕上がっているので楽しみにしてほしい。」と語った。


ポップの王道的メロディを持つ“ラブ・ミー・テンダー”は、それでも随所に「らしさ」が鏤められており、この先どれだけ作品をリリースしようが決して色褪せない一曲だと思う。


「一瞬会場を明るくしてもらっていいですか?」
いちろーの言葉で客電がつくと、再びオーディエンスで埋め尽くされたフロアに目をやった。
リハーサルでは昨年【ワンマ んツアー2013” 】の会場だった赤坂BLITZとあまり変わらないと思ったらしいが、人が入った時はその奥行きを感じると語り、「ここからはすごい景色が見えています。本当にありがとうございます!」と感謝を述べた。

初めて”ワンマソ”と銘打った東京カランコロンの自主企画イベントを開催したのは確か2010年12月で、今回そのライヴにも来ていた人はかなり少数だった。
勿論メジャーデビューは大きなきっかけではあったが、この3年ほどで彼らがZepp Diver CityをSOLDOUTにするほどの人気を獲得したわけだ。
しかしせんせいは、「ここに来るまですごく不安で、お客さん入るのかなとか、(赤坂BLITZと比べ)キャパが倍くらいなのにそんな無理して大丈夫かなとかすごい思ったんですけど、こうやって出来ていることに感謝しています。」と不安な気持ちを語りながらも「勿論未来も大切にしてやっていきたいけど、でも私は瞬間瞬間、今笑えているかを大切にして、これからもっと大きくなっていきたいと思っている。この瞬間は忘れないでいて欲しいとすごく思います。今日は本当に来てくれてありがとうございます。」と続け、大きな歓声に包まれた。


更にいちろーは、「今年も多分突っ走ることになると思います。昨年もすごく突っ走って、キツすぎて“なんで走ってるんだろう?”って思った時期もありましたが、無理して頑張ること自体は悪いことではないなと思って。次にみんなに会った時にもっと良いライヴをしてやろうとか、もっと良い曲を届けようとか、前の自分を越えるために無理して走ることは悪いじゃないと思って書いた曲です。」とアルバムリード曲、“走れ、牧場を”を力一杯歌い上げた。
佐藤の低いベースにせんせいの鍵盤がフックとなりオーディエンスのテンションもヒートアップ。


「ワンツー、ワンツー言う準備は出来てますか?」
いちろーは“true! true! true!”で更に煽るとおいたんのギター、かみむー氏のドラムに合わせダンサブルに踊り、シャウト。
バスドラからジャンプ!
マイケルばりのキメポーズでライヴ終盤のテンションもMAXに!
そしてそこからかみむー氏のうねるドラムソロへ続き、本編は“16のbeat”で終了。


アンコールで登場したのはせんせいと佐藤。
どうやらタイムテーブルには「爆笑ミニコント」と記載されていたらしいが、まぁファンならこのユルさは想像しうるだろう(笑)。

昨年は夏フェスも含め、多くのステージでライヴをこなしてきた東京カランコロンだが、何のため、誰のために歌うのか分からない時期もあったといちろーは言う。
そしてその答えが“誰かのエンターテイナー”にはあると続け、この日は5人揃ってステージ中央に並びアカペラバージョンでこの曲を披露。いつもとは違う雰囲気でフロアを沸かした。

セットリストに目をやると次の曲は「未定」になっている。
今迄リリースしたCDから、必ず1曲はやりたいというのが彼らの希望らしく、2010年にリリースした『東京カランコロンe.t』からは“マドモアゼルと呼んでくれ”か“マリメッコとにらめっこ”のどちらか迷った結果、ここにいるオーディエンスに決めて欲しいとなった。…が、両曲とも大人気の曲だけに結果は二分し、結局いちろーとせんせいのジャンケン対決で “マリメッコとにらめっこ”に決定。
この曲は中間で毎回違ったアプローチが入るが今回は「埋め立て地の気持ち〜♪」というコーラス。
あまりの意味不明さに関係者席からも笑いが起こるが、かみむー氏のドラムが強制的に曲へ戻す。その瞬間は当然大歓声!


盛り上がりのアンコールが終わっても、すぐにWアンコールの声が響き、「最後に、うちの隠れた美声が歌い足りないと…。」といちろーがおいたんに目をやると、フロアからはおいたんコール。
最後は“J-POPって素敵ね”でオーディエンスの左右に降った手が綺麗な波を作る。
そしておいたんだけでなく、かみむー氏も「 J-POPって素敵ね〜♬」と生声で歌い、挙げ句の果てにはフロアの後ろにいたマネージャーにまで歌わせ、大歓声の中【『5人のエンターテイナー』リリース記念全国ツアー“ワンマ んツアー2014” 】の幕は閉じた。


インディーズ時代の彼らは猛烈なスタートダッシュで対バンのファンを根こそぎかっさらっていったが、今は東京カランコロンらしい「ユルさ」も含めて、アンコールの幕が閉じるまで余すところなくライヴを楽しませてくれた。



TEXT:秋山昌未
 

セットリスト

01. いっせーの、せ!
02. 少女ジャンプ
03. マッハソング
04. フォークダンスが踊れない
05. 言え言え言え
06. F.L.O
07. てのひら
08. キャラメル
09. ランドマークで行き止まり
10.ノンフィクション(the pillowsトリビュートアルバム『ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-』収録かヴァー)
11.『5人のエンターテイナー』ボーナストラック ラップ
12. 恋のマシンガン(5月14日発売シングル)
13. ヒナゲシ(5月14日発売シングル c/w)
14. 指でキスしよう
15. ラブ・ミー・テンダー
16. ×ゲーム
17. 走れ、牧場を
18. 泣き虫ファイター
19. true! true! true!
20.16のbeat

Encore
En1.誰かのエンターテイナー
En2.マリメッコとにらめっこ

W Encore
En3. J-POPって素敵ね

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