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RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継

RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継

rad427_2.jpg「CDで十分だったと思ってたけど、ライヴの良さは余裕でCDを超えたよ!」

4月27日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された【RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継】の帰り、まだ湯気が出そうなほど熱狂したオーディエンスが、私の近くで友達らしき人とそんな会話をしていた。

昨年12月にリリースした7thアルバム『×と○と罪と』を引っげた全国ツアー【RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継】は、様々な規模の会場で開催された「会心の一撃編」と、海外公演(韓国/台湾/香港/シンガポール)を含むアリーナ・スタジアム級の会場がメインの「パーフェクトドリーマーズ編」の二部構成で開催し、7月20日(日)沖縄コンベンションセンター展示棟でファイナルを迎える。

それまではセットリストを含め詳細な内容・演出は伏せておくが、今回はあえて時間軸も無視させてもらう。

「想像力」という素晴らしい力でRADWIMPSを感じて欲しい。



レーザー光線、デジタルサウンド、光、映像、歌声、ギターの歪み、ベースのうねり、ドラムの振動…それらが入り交じった空間は高揚感で溢れていた。
「ヤベェな、ヤベェな!ヤバすぎて、“智史 ベース”って言った。」

野田洋次郎(Vo/G)は曲中のメンバー紹介で、うっかり山口智史(Dr)をベースと紹介したことを謝りつつも「それ位みんなからのエネルギーがヤベェってことだよ。ドラムって99.99%頭では言おうとしてるのに、お前らの力がベースって言わせたんだな、うん。」サラッと責任転嫁した野田の言葉に会場も笑う。

しかし「昨日がまた良い日だったんだよ。すごい高いところまで行けたんだよ。」と、2DAYSのさいたまスーパーアリーナ公演初日の4月26日(土)が天空の城ラピュタまで行けた位素晴らしいライヴだったと言うと「今日はその上、目指してみねーか?パズーもシータも行ったことのないところまで行ってみねーか?オイ!」とオーディエンスを煽った。

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ライヴはケミストリーだ。

RADWIMPSの抜きん出た音楽センスとライヴ力、この日集まったオーディエンスの熱量が実際、パズーもシータも行ったことのないところまで行く程の化学反応を起こしていた。

例えば、愛する人との間に生まれる子どもへの愛情を、ちょっとのヤキモチ混じりで歌った“Tummy”はレゲエベースのサウンドに、時にゆったり、時に早口で乗るラップまじりのヴォーカルラインが心地よく、オーディエンスのシンガロングがアリーナクラスならではの壮大感を生んだ。
そしてそれは“パーフェクトベイビー”でのハンドクラップも同じで、淡々としたリズムをハンドクラップと野田のスイングが会場をカラフルに彩る。

しかし、流れるような旋律の“DRAMA GRAND PRIX”では、憂いを引っ張り上げるように山口のドラムがサビへと攻め上げ、武田祐介(B・Cho)はうねるスラップで、桑原彰(G)はシャウトのようなギターで更にテンションを加速させる。

rad427_4.jpgrad427_11.jpgハッピーな気持ちにさせてくれる楽曲、衝撃で圧倒させる楽曲、それらが絶妙なバランスで混在しながら、オーディエンスのテンションを上昇させた。


rad427_14.jpg「これが現実なんだな、本当なんだなと思うと、嬉しくてしょうがないんだ。嘘がいっぱいある世の中だけどこれが本当だと思うとさ、まだまだ明日からとんでもなく素晴らしい世界がきっと、きっと、ありえるんじゃないかなと思えます。みなさん思わせてくれてありがとう、ありがとう、ありがとう。」
野田は溢れそうな感情で何度もありがとうを繰り返す。

後半ほど近い頃山口は「RADは埼玉に想い出がありまして。」と話し始めた。

1st Album『 RADWIMPS』と2nd Album『RADWIMPS 2 〜発展途上〜』は埼玉でレコーディングと合宿をしたらしい。

そして「ここがすべての始まりだったなぁと思って。埼玉で始まって今日この18,000人に繋がっているんだなと思うと、本当にもう感無量で嬉しい気持ちでいっぱいです。みんな今日来てくれてありがとうございます。」と感謝を述べた。


更に「普段絶対イエーイとか言わない人がイエーイって言ってみたり、踊らないような人がめちゃくちゃ踊ってみてもいいと思う。」と続けるが、その話の間何故か野田はずっと昇竜拳のポーズを繰り返す(笑)。

しかし「どうせ昇竜拳とか(世代的に)知らないだろ。」と、そこから世代の話に。
28歳以下の人に挙手を求めると、かなりの数の手が挙り「洋次郎じゃねーよ。“さん”付けしろ!」と18,000人にツッコみ大爆笑。
が、本当は“さん”付けされない方が嬉しいと語るあたりが野田らしい。

「俺、独りぼっちになると寂しいから。俺の声が聴こえなくなる位にみんなの声を聴かせてくれ!」
そういうことも言っていた。

きっとこの人は本当にみんなと繋がっていないと不安でしょうがないのだろう。


MC中、ちょっとしたきっかけでRADWIMPSの友達の(?)味噌汁’sの話題へなった時も、オーディエンスに唆されるように野田は歌の一節を歌わされていたが、それも楽しそうだった。



しかしミュージシャンとしては豹変する。

それは勿論、野田だけでなくメンバー全員に言えること。

特に“実況中継”は天才的楽曲としか言えないだろう。

インド音階とクラブミュージックを実にセンス良く融合させ、かつ、こぼれ落ちる程の独特なリリック達に野田は身を委ねて歌い踊る。

トランスしそうな勢いが、会場を異様な迄の熱気で包み込んだ。

バンドにとってファンやリスナーは鑑だと言う野田は「音楽って、もっともっと自由で良いんだなと思わせてもらいました。誇りに思いました。あなた達の声援や熱やその視線が、僕らがやってきた音楽に対する答えなんだなと思って。RADWIMPSと出会ってくれてありがとう。」と挨拶、大きな歓声と拍手がメンバーに注がれた。


RADWIMPSは7月のツアーファイナルまで、このケミストリーを繰り返しながらオーディエンスを魅了し続けるだろう。



photo by:太田好治
text by:秋山昌未


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