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さかいゆう 5th Anniversary SPECIAL LIVE

さかいゆう 5th Anniversary SPECIAL LIVE


「あれから5年」

女性の声と共にカラフルな光たちが中央のスクリーンから沸き上がる。BGMは、 今年の10月でデビュー5周年を迎えたさかいゆうのデビュー曲“ストーリー”。11月20日(木)大阪・シアター・ドラマシティで、11月22日(土)東京・中野サンプラザホールで開催された【さかいゆう 5th Anniversary SPECIAL LIVE】。チケット即完の中野サンプラザホールに向う途中「こんなに大きな会場でライヴをするようになるなんて、感慨無量だよ。」というファンの声を耳にした。確かにここ最近、さかいの活躍ぶりは飛躍的だった。

バンドメンバーの種子田健(Ba.)、石成正人(G.)、村上広樹(Dr)、吉岡悠歩(Cho)、植松陽介(Cho,Key)、高橋あず美(Cho)を従えて、さかいゆうが登場。「Are you ready?」さかいの声に、オープニングの“N.A.M.E.”から会場は総立ち!

ライヴは生ものだ。同じ曲をプレイしても、その時によってリアクションは違う。いわゆる「お約束」的なクラップやシンガロング、コール&レスポンスは別にしても、ボルテージの高まりが音を立てるように一塊になり会場を包み込む、そんな瞬間をしばしば感じることがある。まさにこの時がその状態だった。更に全編英詞の“Jammin”では、イントロから歓声があがった。シングルでもタイアップ曲でもない、こういう曲に盛り上がりを見せるところが玄人耳を持つ、さかいのファンらしい。

“僕たちの不確かな前途”が終わると、さかいは前転しながら「最後までよろしくー!」と挨拶。(この後、ちょいちょい隠れたる身体能力の高さを披露しオーディエンスを驚かせるも、ピアノを弾くにはまったく関係のない能力と自ら語る・笑。)さかいの故郷、高知県の幡多弁で歌う“Lalalai”。スイングするメロディで弾けた手拍子は、アウトロの見事なピアノプレイで興奮の拍手と変化し、ドラマチックなイントロを持つ“It’s YOU”の音色と共に上昇する。

「これは、立てってコーラスの人に言われたの(笑)?」オープニングからのスタンディングに思わずそんな言葉を口にするさかい。会場からは笑いがこぼれた。アルバムツアーとは違うため、デビュー後の楽曲を出来るだけまんべんなく届けたいと語った。

そして次のナンバーは、バンドでやるのは多分2010年に開催された【TOUR 2010 "YES!!"】以来だという“Room”。確かにかなり久びさの印象があった。個人ごとで恐縮だが、筆者もかなり好きなナンバーだが、「何でやらなかったかというと…曲が難しい!しっかりと作った時のことを思い浮かべながら、もう一回練習しなおしてきました。」冗談めかしにさかいは言う。しかし曲が始まると、この沁み入るバラードに静寂さが訪れた。

その後、“train”が終わるとバンドメンバーは一旦退場。最近シンガーソングライターとしての活動だけでなく、他のアーティストへの楽曲提供も多いさかい。土岐麻子に提供した“How Beautiful”、小泉今日子に提供した“100%”を披露。特に“How Beautiful”のメロディの美しさは奇跡的だと思う。バート・バカラックのような普遍的メロディを持っている。イントロでの鳥のさえずりのような口笛もしかり。また、この曲の最後の歌詞を「懐かしい 中野サンプラザ」と置き換えて歌ったさかいだが、19歳で上京し初めて観たコンサートが、ここ中野サンプラザでの在りし日のレイ・チャールズだったらしく、それを思うと感動もひとしおだと言う。更に、この時や先の提供曲のMCで、さかいに多大な影響をもたらしたというシンガーソングライター・作曲家の中沢ノブヨシの話にも触れたが、なるほど、それは納得だと密かに頷いてしまった。

「私の自慢のバンドメンバーさんを招き入れて、またみなさんを盛り上げていいですか!?」ライヴも後半戦、そう言うとバンドメンバーを紹介しながら再びステージに呼び入れた。しかしコーラスの吉岡に対しては何やらオチ的扱いで、わざと紹介を飛ばすなどで会場を爆笑させた。

更にその後のセットリストに組み込まれている“ピエロチック”に関して、フィーチャリングの秦 基博が残念ながら競演出来ない旨をあらかじめ話し、秦のパートを吉岡と植松のどちらが担当するかをジャンケンで決定。ちなみにジャンケンに勝った吉岡は大阪公演でも秦のパートを担当していたので、今回は植松に譲った。(とは言え、結局吉岡と植松の二人ともがこの日は歌っていた。)

曲順をさかのぼろう。三菱自動車「eKワゴン」のCMソングとしても話題を呼んでいる“薔薇とローズ”の後、「オレは、ヘッドフォンをしてる女の人が大好きだー!!!」と叫びながら“Headphone Girl”へ。さかいのファルセットとグルーヴィーなビートに会場もヒートアップ。曲中でのメンバー紹介からのソロ演奏では、遊び心も兼ね備えたハイクオリティなプレイにさかいも「やばいね!」と興奮気味。更にその熱を保ちながら、“ピエロチック feat. 吉岡悠歩&植松陽介 ver.”へ。大型スクリーンに映るコラージュアートが“まなざし☆デイドリーム”の世界観を更に引き立て、本編最後はさかいの、今は亡き友人へ向けた“君と僕の挽歌”でオーディエンスの胸を熱くした。

アンコールを受け、さかいは一人で登場。ゲストと共にディープなさかいゆうの世界を満喫できるライヴ【さかいの湯 Vol.3】を来年3月に開催することを発表。更に来年2月4日(水)にはコラボレーションアルバム『さかいゆうといっしょ』をリリースすることを改めて告知すると、アルバムにも収録され、現在「帝人株式会社」の企業広告『テイジン未来動物図鑑』シリーズの新テレビCM『みんなのそばに ヘルスケアザラシ』編に起用されている“Mirror”についても触れた。

この曲では、初の試みとして「さかいゆう feat.ファン」を提案。ノリの良い曲なので、みんなの手拍子が欲しいと言うと、すでに行われた大阪公演では驚くほど音が綺麗に揃ったエピソードを話しながら「さかいゆうファンの人が誇らしいですよ。リズム感が良いのか仲が良いのか。」と笑顔を見せた。勿論この中野サンプラザでもしっかり息を合わせ、2テイクでOK!

その後バンドメンバーを呼び込むと、その『さかいゆうといっしょ』から、新曲“闇夜のホタル”を披露。 ポリリズムとブレイクが斬新な“サマーアゲイン”では「とにかく騒げー!」とオーディエンスを煽る。「まだ演ってない曲がある。 まだ演ってない曲があるんだ!この曲からオレのストーリーが始まったー!」さかいの叫びから、デビュー曲“ストーリー”へ。

最後は「始めよう さかいゆうの10周年に向けたストーリー♪」と歌いながら、「この記念すべき日を、みなさんと素敵な時間を共に過ごせたことを、感謝しまーす!」と続け、これから始まるさかいのストーリーに、割れんばかりの拍手と歓声が贈られた。

ジャズ、ポップス、AORにHIP HOP、様々な音楽要素を併せ持ち、深化し続けるさかいゆうの多彩な【5th Anniversary SPECIAL LIVE】は熱狂と共に幕を閉じた。

text by 秋山昌未


■ さかいゆう オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/

 

セットリスト


M01. N.A.M.E.
M02. AHEAD
M03. Jammin’
M04. 僕たちの不確かな前途
M05. Lalalai
M06. It’s YOU
M07. Room
M08. 時季(とき)は巡る
M09. train
M10. How Beautiful
M11. 100%
M12. 薔薇とローズ
M13. Headphone Girl
M14. ピエロチック
M15. まなざし☆デイドリーム
M16. 君と僕の挽歌

Encore
En1. 闇夜のホタル
En2. サマーアゲイン
En3. ストーリー

 

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