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堀込泰行「YASUYUKI HORIGOME LIVE TOUR 2014」

堀込泰行「YASUYUKI HORIGOME LIVE TOUR 2014」

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今年7月、キリンジ脱退後に初のワンマンライヴを開催した堀込泰行が、【YASUYUKI HORIGOME LIVE TOUR 2014】と銘打ち、11月19 日(水)愛知・名古屋クラブクアトロを皮切りに、名古屋、大阪、東京、福岡の4公演ツアーを開催。
本日12月5日(金)福岡 ・福岡DRUM LOGOSでファイナルを迎えた。

11月28日(金)の東京公演は、7月と同じTsutaya O-East。
その公演同様密集したSOLDOUTのフロアに、伊藤隆博(Key)・沖山優司(Bass)・青山陽一(Gt) ・辻凡人(Dr)が登場すると、少し後から堀込泰行も登場。

堀込は辻とアイコンタクトを取りながら、懐かしい“双子座グラフィティ”でライヴをスタートさせると、伊藤の鍵盤はメンバーのコーラスと共に心地よいハモンドの音を響かせた。
ドラムのリズムにかき消された歓声はそのまま手拍子となり、新曲の“Wah Wah Wah(仮)”へ。

「楽屋でバナナを食べ過ぎて。」

MCでの開口一番が、バナナを食べ過ぎた話って…と思いつつも、フロアと同じテンションでつい笑ってしまう。
ちなみにこのバナナ問題は後々のMCまで続くが、この日はツアー3本目ということもあり、演奏だけでなくMCも饒舌(?)な堀込。

horigome_main2.jpg「今日は新曲もいっぱいやります。」
言葉通り、ファンとしては待望の新曲も続々披露した。
そのひとつ、フォルクローレからインスパイアされた“火の鳥(Firebird)(仮)”は今年の4月、【HARCOの春フェス 2014 in TOKYO】に出演した際、出来たての新曲としてプレイしたが、アレンジも含めこの日は全ての音がしっくりと馴染んでおり、今後ファンから支持される曲となることは容易に想像できた。
となると、いよいよソロアルバムが待ち遠しくなってくる。
それでも“フェイバリット”のようなキリンジ時代の名曲を聴けば、様々な場面でこの曲を聴いた懐かしさに胸を焦がし、余韻に浸る拍手がゆっくりと広がった。
オーディエンスの拍手や歓声は、新曲なのか懐かしいバラードナンバーなのか、バンドサウンドをフルに活かしたアップテンポのナンバーなのかで当然変わる。
しかしこの日は特に繊細に変わるその音を感じていた。

…が、「バナナの発酵がすごい。」と、またバナナの話へ逆戻り(笑)。
「新しいエネルギーっていうんですか?変えのきくエネルギーを。そういうのが進んでいるじゃないですか。バイオ何とかって。」と、リハで食べ過ぎたバナナの話からバイオマスの話まで持ち出す堀込に対し、いてもたってもいられなくなった青山が「何の話?」と思わずツッコミを入れ、フロアも爆笑。

続く“あの世で罰を受けるほど”では、冒頭のギターリフをミスり、「大阪公演と同じ間違いを、来れなかった人のために(笑)」とユーモアたっぷりの発言。
キレの良いテレキャスの音に没頭する姿や、しなやかな歌声、他愛のない(笑)MCと、この日の堀込はかなりライヴを楽しんでいるように感じた。

童謡「通りゃんせ」のフレーズが特徴的な“Chewing Gum On The Street”では、イントロのアバンギャルドな世界、その後のバンド一体となった圧倒的なプレイがフロアの熱量を高めた。
拍手喝采を浴びながら「東京でやるのは2回目の、準新曲を。」と“最後の週末”を披露。
この曲は今年9月に開催された矢野博康主催の【YANO MUSIC FESTIVAL】、通称「矢野フェス」への出演に合わせ作った新曲。

更に「今日は予定外のところで喋りすぎて、ここで喋ることがなくなってしまった(笑)。どうしたら良いんだろう。(沈黙)…メンバー紹介しましょうか。」と、ここで前倒しのメンバー紹介。
しかも沖山からの質問で、リハ前だと言うのにバナナ3本、おにぎり2つ、サンドイッチ2つもたいらげたことが発覚。
さすがにフロアからも驚きの声が漏れた。
辻は、リハまでは髭をそらずに来た堀込に対して「『がんばれ元気』の海道卓みたい(マニアックな!) でカッコ良かったですよ。」と褒め、堀込は「いやいや。」と照れる。
そんな調子でMCは終始和やかムード。

ライヴ中盤、個人事だが筆者が馬の骨のナンバーでも1、2位を争うほど好きな“燃え殻”では、青山のギターソロがアウトロを彩り、スティーリー・ダンの影響を色濃く感じられる“むすんでひらいて”のイントロギターリフには歓声が湧いた。


horigome_main1.jpgヴォーカルに感情の起伏を持たせない分、タムの力強さやフラッシュライトの激しい点滅がスキャットからのループをエモーショナルな世界へと誘った。
つづく“Lullaby”からの歓声を飲込みながら“クモと蝶”へ。
ステージ背後の黒幕が開くと、白い壁には堀込とメンバー、それぞれの楽器のシルエットが曲調にも似た艶かしいリズムで揺らめく。
本当はこの曲終わりのMCでメンバー紹介する筈だったらしいが、何のためらいもなく再びメンバー紹介すると、「デジャヴューな感じが。」と堀込は小さく笑った。

「暖まって来たところで。」と、クロマチックハープを磨きながら“ビリー”へ。
「down down down down」と、メンバー各々がヴォーカルラインを担当するパートは立体的にサウンドを盛り上げ、すし詰め状態のフロアも体を揺らした。

更にダンスナンバー“Shootin’Star”では、ミラーボールと堀込のトークボックスがテンションを上げると、“最低速度を守れ!”では堀込のギタープレイに大興奮!
オーディエンスと共に堀込自身もヒートアップ。
アグレッシブな表情のまま、“MUSIC!!!!!!!!”へと続けると、曲が終わっても歓声が続いた。

そして11月19日に配信リリースされた“ブランニュー・ソング”についても語る。
この曲はオルガントリオ、レゲエ調など、イベントに出るたびに形態を変えてた楽曲で、当初は“マルガリータ”という失恋の曲だった。そうやって歌詞や演奏を変えながら、自身のワンマンライヴを開催するにあたり、このバンドメンバーと基本的なアレンジを作り直し、冨田恵一氏と共にレコーディングをしたと言う。
コーラスと心地よいメロディに聴き入るオーディエンス。

「本当にブランニューな曲を。」
譜面台が用意されると、 本編最後は東京公演からセットリストに追加されたカントリーベースのゆったりとした楽曲“Swamp(仮)”を披露。


「新曲をやっちゃいました。アレも色々と形が変わっていくのかなと思っていますけど、今はこんな感じです。これから楽しみにしてもらえればいいなと思います。」
アンコールの冒頭、そう語る堀込。
その最初の音を聴けた喜びは大きい。

“スウィートソウル”が終わると「寒い時期になってきまして、雪なんか降っていると思うんですが…。」雪などまだ降らぬ東京でいきなりそう言った堀込の言葉にフロアは短い沈黙と笑いが。
さすがに「何を言い出してしまったんだ。」と苦笑するも「要するに寒い時期にピッタリの曲を。」とインストの“SNOW”から“CAROL”へと続けると、ウィンドチャイムの煌めく音色や暖かいメロディが、クリスマスを含むこの時期独特の多幸感を呼び入れ、約3時間弱にも及ぶ【YASUYUKI HORIGOME LIVE TOUR 2014】東京公演は “誰かの詩”で幕を閉じた。

そして、この東京公演(他の公演も同様だと思うが)は、これからの堀込泰行のソロ活動が楽しみな一夜となった。



PHOTO:立脇卓
TEXT:秋山昌未



配信限定シングル
「ブランニュー・ソング」
iTunes/レコチョク/music.jp ¥250(tax in)

ハイレゾサイト(mora/ototoy/e-onkyo music/VICTOR STUDIO HD-Music)¥400(tax in)
2014.12.19 Release

 
7インチアナログ盤
「ブランニュー・ソング / ブランニュー・ソング -Instrumental-」
LABEL:Natural Foudation / JET SET
1,200円(tax out)
 
・コロムビア堀込泰行サイト
 
・Facebook
 
・Twitter
※Facebook、Twitterはスタッフによる更新となります。また、期間限定となります
 
・JET SETサイト

セットリスト

【YASUYUKI HORIGOME LIVE TOUR 2014】
11月28日 Shibuya Tsutaya O-East

M1  双子座グラフィティ
M2  Wah Wah Wah(仮)<新曲>
M3  鋼鉄の馬
M4  火の鳥(Firebird)(仮)<新曲>
M5  秘密
M6  フェイバリット
M7  あの世で罰を受けるほど
M8  Chewing Gum On The Street
M9  最後の週末(仮)<新曲>
M10 涙にあきたら
M11 燃え殻
M12 むすんでひらいて
M13 Lullaby
M14 クモと蝶
M15 ビリー
M16 Shootin’Star
M17 最低速度を守れ!
M18 MUSIC!!!!!!!!
M19 ブランニュー・ソング
M20 Swamp(仮)<新曲>

Encore
EN 1 スウィートソウル
EN 2 SNOW
EN 3 CAROL
EN 4 誰かの詩

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