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ライブレポート

Augusta Camp 2012 in YOKOHAMA 横浜赤レンガパーク野外特設ステージ 2012.8.5.Sun.

今年はオフィス オーガスタ設立20周年ということもあり、 < Augusta Camp 2012 >横浜公演 は8月4日(土)、5日(日)の2DAYS。赤レンガパーク野外特設ステージ2日目となる本日8月5日(日)は、勢いよく晴れていて、観客は日焼け止めや水分補給に余念がない。

トップバッターのスキマスイッチが登場すると、大きな歓声に湧いた。
しかし常田真太郎が「 奏(かなで)」のイントロを弾き始めた瞬間のみ、更に大きな歓声が湧いたものの、その後は会場総立ちだというのに、青空に響くのは大橋卓弥の強い歌声と常田の切なげなピアノの音色のみ。大橋は指先で歌詞の世界を丁寧に表現する。時に力強く、時に繊細に。


s_sugi5_004620120821164335.jpg「オーガスタキャンプ2日目始まりました!!今日は…暑いですね。」と大橋は笑顔を見せながら、体調管理だけしっかりして、あとは楽しんで欲しいと続けた。前日も聴いたばかりなのに、ニューシングル「ユリーカ」は、やはりテンションがあがる。

抑えきれない高揚感がオーディエンス達の手拍子からも伝わり、「全力少年」で大橋と共に歌うオーディエンス達は歌声を弾ませ…んん?アレンジを変えているため、途中でみんなの歌が合わなくなった。ぱたっと演奏をやめ、オーディエンスの「えー!!」というブーイングが広がると、大橋はシレッとした顔で「そんなに勝手に進められてもね。演奏はこっちのさじ加減なんだから。大体途中でやめるなんて意思が弱すぎる!」と、合点がいくようないかないようなことを言う大橋は、まるでわざとトラップを仕掛けたように笑う。音楽で遊ぶ彼らならではのユーモアと、それを実は知っているオーディエンスとの関係性が見え隠れして実に面白い。


次に登場したCOILの岡本定義の歌声は心地よい風を運ぶ。

s_oka5056320120821164028.jpgゆったりとした「微炭酸」に、オーディエンスもリラックスムード。「佐藤洋介くんが長期休養なので」と、この日は山崎まさよしを迎えての「BIRDS」を披露。オフィスオーガスタの代表、森川氏と杏子にリクエストされたという「バス待ち」を急遽演奏。細い岡本の指が繊細なメロディをつま弾き、甘い声が切ない歌詞を助長させ、少し力を弱めた日差しと、時折通る風を受け、うっとりと聴き入ってしてしまう。



民族音楽を彷彿とさせるような自身の声を重ねたSEで登場したのは、元ちとせ

s_oka5_094020120821164126.jpg音の世界とこのオーガスタキャンプの空気を肚までしっかり落とすように集中し「コトノハ」を歌う。オフィスオーガスタの一員となり十三年。そして衝撃のデビューから10年。色々な出会いや別れを体験したという元は「歌の旅を続けることと、元ちとせの出せる力を120%出して歌を届けたいです。」と、ここにきたオーディエンス達へ感謝の言葉と共に自身の想いを語った。「ワダツミの木」 を歌う元の姿は大地の息吹と常にイコールである気がする。しかし、体をくねらせ天を仰ぎながら絶対的存在感で歌い上げた後の屈託ない笑顔に、オーディエンスからも「かわいー!」という歓声が飛び、元のステージ最後の曲「語り継ぐこと」を歌い終えた後、会場に投げキッスと、最高の笑顔を残しステージをあとにした。



大きな歓声と拍手を受け、秦 基博が登場。オーディエンスの姿をゆっくりと見回しながら、「アイ」のイントロで、一瞬にして自分の世界に引き込んでしまう。
空さえ包み込みそうな柔らかな歌声は、会場に凪のような静寂をもたらした。クリアなギターの音色が止むと、今度は打って変わって大きな拍手がその静寂を打ち破る。

s_sugi5_078020120821164356.jpg「どうも、秦 基博でーす! みんな、大丈夫?…もうすぐ休憩だから、みんな楽しんで。」
あまりの暑さに、秦からはオーディエンスが少しバテ気味に見えたのだろうか。優しい気遣いも秦流で、場が和むのが分かる。本当にオーガスタキャンプを楽しんでいるのが伝わってくる笑顔は、両サイドの大型スクリーンに何度となく映し出された。「キミ、メグル、ボク」で弾んだオーディエンスの手拍子は、キラキラと太陽の光を受け、海の青とのコントラストが美しい。秦は前日も含めこの曲で見事なロングトーンを披露し、会場を湧かせた。



ゲストとして出演したスガ シカオ
「後ろのみんな、元気ですかー!」と、スピーカーに足を掛け、スガがたった今作り出したばかりの生まれたての音と共に「午後のパレード」で盛り上げる。
「お別れをイメージした曲で、みんなの中のお別れのシーンを重ね合わせて聴いてくれると嬉しいです。」と言い、6月に配信リリースをした「傷口」も披露した。



s_oka5_177520120821164200.jpg次に登場した杏子は、「スキマスイッチ、最高でした! 岡本定義、イカしてました! 元ちとせ、グッときました! 秦 基博、ハタキューン!! スガ シカオもお見事でした!…でもね、ちょっと足りない。エロスが足りない!ちょっエロを足してもいいですか!!」と、ノッケからオーディエンスを挑発。
ピンクのハットに、スパンコールがキラキラのピンクの短丈タンクトップ、真っ赤なロングスカートをヒラヒラさせ踊りながら歌う杏子! 「純愛の歌を作ってといったら、この曲を作ってくれたんです。」というと、「ねぇ、もっと」のイントロを弾きながら長澤知之が登場。長澤が高音、杏子が低音をとり、絡み合うように歌う。杏子さん、エロス全開です!!!カッコいい!!!と、ついつい興奮。続く「DISTANCIA~この胸の約束~<20 Years After Ver.> 」では山崎まさよし、あらきゆうこ、秦 基博を迎え入れた。杏子のソロデビュー曲でもあるこの曲は、山崎まさよしと間宮工のリアレンジ、秦 基博のコーラス参加により、20 Years After Ver.として生まれ変わり、10月3日(水)リリースのソロ活動20周年記念アルバム「Sky’s My Limit」に収録される。
※福耳シングル「LOVE & LIVE LETTER」のカップリングにも収録済み



登場と共に大きな歓声を受けたのは、長澤知之

s_sugi5_124620120821164431.jpgロックなギターの歪みと声の限りに歌う「バベル」は説明いらずのカッコよさ!
メジャーコード、マイナーコードを行き来しながら「RED」をエキセントリックにシャウトする長澤に歓声が上がり、茜と呼ぶにはまだ若い大きな雲が「茜ヶ空」のメロディと長澤の声を、風に乗せて空高く舞い上げた。




雄叫びを上げながら登場したさかいゆうはコール&レスポンスで盛り上げると、「まなざし☆デイドリーム」で完全にオーディエンスをさかいワールドへと引き込んだ。

s_oka5_254620120821164222.jpg「お騒がせしております! さかいゆうです!!」と、挨拶後、5月にリリースしたアルバム『How’s it going?』から「サンバ☆エロティカ」を披露。このアルバムでは、作詞をふかわりょう、小谷美紗子ほか様々な人に依頼するという初めての試みがなされていて、この曲も森雪之丞氏の作詞。さかいの口をついて出るのが新鮮な艶かしい歌詞と、アグレッシブな演奏は実にクール!!




山崎まさよしが登場した頃はすっかり太陽も姿を隠し、そのかわりに光量を増した照明を浴びながら「審判の日」でオーディエンスは盛り上がる。

s_oka5_353620120821164248.jpgライヴもあと僅かという寂しさと、長丁場の心地よい披露感が独特の高揚感を生んでいる。「オーガスタの二十周年を盛り上げていただいて、社長の森川も草葉の陰で…まだ死んではいないけど(笑)、喜んでいると思います。」と、オーディエンスを笑わせると、今度は少し真剣に、「後輩たちのステージを、たくましくなったと喜んでみています。二十周年、非常に感慨深いものがあります。」というオーガスタの長男的発言に、大きな拍手が送られた。山崎らしいメロディの「HOBO Walking」が真夏の夜の優しい風にのせて響くと、会場全体はただただ幸せな空気に包まれ、長く伸びたオーディエンスの陰が楽しげに揺れる。前日歌った「 長男~パンを焼く」では、”♪オーガスタの将来、そんなに背負ってない”と歌っていた山崎だが、今日は”♪ちょっと背負っている”と歌っている。きっと両日来ている人もいるだろう。この変化におお!という歓声と共に拍手が巻き起こった。

「横浜と言えば、先ほどさかいゆうのMCでも出て来ました…」あの曲しかないだろう。喜びの歓声が巻き起こる。
山崎も言った通り、さかいは仲間達で高校時代、山崎のこの 「One more time,One more chance」をいつも歌っていたという話をしていた。切ない歌詞が、メロディが、じわりじわりとココロの中に沁み込んでいき、割れんばかりの拍手と歓声で本編最後である山崎のステージは終了した。

オールスターズの登場に再び会場は賑わう。前日は女性陣だけが浴衣姿だったが、この日はスキマスイッチの常田も薄鈍色の浴衣を羽織っている。身長がある常田は浴衣がとても似合っていたが、帽子は…浴衣に帽子は…と、ついついツッコミを入れたくなってしまった(笑)。

「DANCE BABY DANCE」の楽しげなリズムに手拍子も踊り出しそう!普段はクールな表情でドラムをたたいているあらきゆうこも笑顔を見せる。続く「SUMMER of LOVE」では、オールスターズとオーディエンスの笑顔がリンクしながら大きな合唱へと繋がった。

そして忘れてはならない。この両日、2つのハウスバンドがバックアップ、素晴らしい演奏で楽曲たちを彩った。ドラム・あらきゆうこを中心に、キーボード・島田昌典、ギター・秋山浩徳、ベース・ナスノミツルで構成されたバンドは、杏子、元ちとせ、秦 基博、さかいゆうをサポート。ベース・中村キタローを中心に、ドラム・GENTA、ギター・吉川理、キーボード・荒井伝太で構成されたバンドでは、山崎まさよし、COIL、スキマスイッチ、長澤知之をサポート。 

そんなバンドに拍手を送りながら、最後はオーガスタメンバーのみで「 星のかけらを探しに行こう Again」「 LOVE & LIVE LETTER」を オーディエンスの大合唱と共に歌い上げ、最後はやはり花火がこの夏の最高のお祭りを締めくくった。


s_oka5_390320120821164311.jpg9月17日(月・祝)には、さかいゆうの生まれ故郷の高知で、10月21日(日)は、元ちとせの生まれ故郷であり、現在も暮らしている奄美でまたオーガスタキャンプが行われる。

オーガスタ二十周年の夏は、まだまだ終わらない。


カメラマン:杉田 真/岡田貴之
取材・文:まさやん
 

※8月4日のライブレポートはこちら
 

セットリスト

スキマスイッチ
M1    奏(かなで)    
M2    ユリーカ *8/8リリースNEW SINGLE
M3    ガラナ    
M4    全力少年    
M5    ラストシーン    

COIL
M6    微炭酸    
M7    BIRDS(with山崎まさよし)    
M8    夏の約束    
M9    Loveless    
M10    ミュージック    
M11    バス待ち    

元ちとせ
M12    コトノハ    
M13    ワダツミの木    
M14    あなたがここにいてほしい    
M15    語り継ぐこと    

秦 基博
M16    アイ(※弾き語り)    
M17    青い蝶    
M18    水無月    
M19    キミ、メグル、ボク    
M20    鱗(うろこ)    

スガ シカオ
M21    午後のパレード    
M22    傷口    

杏子
M23    タイムリミット    
M24    惑星タイマー(with元ちとせ、スキマスイッチ、さかいゆう)    
M25    イコール (半角アケ)ゼロ(with岡本定義(COIL))    
M26    ねぇ、もっと(with長澤知之)    
M27    DISTANCIA~この胸の約束~<20 Years After Ver.> (with山崎まさよし、あらきゆうこ、秦 基博)    

長澤知之
M28    あんまり素敵じゃない世界    
M29    バベル    
M30    RED    
M31    茜ヶ空    

さかいゆう
M32    まなざし☆デイドリーム    
M33    サンバ☆エロティカ    
M34    ストーリー    
M35    君と僕の挽歌    

山崎まさよし
M36    アフロディーテ *8/1リリースNEW SINGLE
M37    アレルギーの特効薬    
M38    審判の日    
M39    HOBO Walking    
M40    長男~パンを焼く    
M41    One more time,One more chance    

Encore
M42    DANCE BABY DANCE(福耳)    
M43    SUMMER of LOVE(福耳)    

“Augusta Band”
M44    星のかけらを探しに行こう Again(福耳)    
M45    LOVE & LIVE LETTER(福耳)

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