ー 以前、岡本定義さんの取材をさせていただいた時に、このレコーディングはユルい雰囲気がちゃんと曲として反影されていると言われていました。
本当にユルい感じで出来ました。歌も「いつもの力強いちとせじゃなくて」というアドバイスがありましたし、そこを想定して作ったと言われました。まぁ妊娠中でしたので、あまり力むとね(笑)。でも実際、サダさんはすごく盛り上げてくれました。山さんはお酒臭いのでブースの外に出てもらいましたけど(笑)
<一同爆笑>
ー 勿論お仕事ですから気を張る部分はあると思うのですが、仲間同士という感じが本当に楽曲から伝わってきます。
あの曲を録るのに、全部が無駄のないユルさでしたね。奄美で録るというのも、あの二人が奄美に来てくれたというのも、私がお腹が大きかったというのも。それに急遽奄美でやることになったライヴに快く出演してくれたこともそうです。集まってくれたお客さんの声もちゃんと収録されましたから。
ー あの賑やかな声は本当のお客さんの声だったんですか。だからすごく心地よさと楽しさが出ているんですね。またそういうのやってみたくありませんか?
やりたいです。でも特に山さんとサダさんとは、いつでもああやって出来るだろうと確信していますし、サダさんは今年も何か出してきてくれそうな予感がしています。
ー 先ほど、島唄が源流にという話をしましたが、子供の頃からあのこぶしをマスターしていたんですか?
島唄を始めたことで、色々な人の歌を聴きながら自分なりのこぶしを見つけただけなんですけどね。
ー 元さんが島唄を始めたのはいつ頃からなんですか?
もともと、小学校5年生の時に三味線を始めたんです。三味線って楽譜がないので歌を覚えないと弾ける曲数が増えないんです。だから歌を覚えていくうちに、三味線と歌を同時に出来る子になっちゃって。でも奄美では当時、男性が三味線を弾いて女性が歌うというのが当たり前のスタイルだったので、すごく珍しがられました。だから中学生位から色々な場所で歌う機会を頂けて、それが修行にはなったと思います。
ー では、子供の頃は島唄歌手になりたかったですか?
いや、なりたいとは思っていなかったかな。ただ当たり前に家には島唄がありました。私は、はた織り工場で育ったんですよ。何台もはた織り機がある中で、おばあちゃん達がはたを織りながら話している途中で歌い始めたりするし。自分の記憶にあるのは家に、はた織り機があって、そこに置いてある大きなレコードプレイヤーで母がいつも大島ひろみさんという人のレコードをかけていたということです。
ー その方の曲はやはり島唄ですか?
島唄を元にしながら、少し変化させた歌い方をされていましたね。新民謡のような。でも、そのうちに集落でのお祭りなどで、唄者がきているのを見ているうち、自分もやってみたいと思いました。
ー そこから、ポピュラーミュージックでプロになりたいと思ったのはいつ頃からですか?
プロを意識したのは、実は2001年のオーガスタキャンプに初めて出演した時でした。最初の入り口は、島唄ではない音楽を自分はどうやって歌えるのかが知りたかったというところでした。
ー 例えばこぶしは、意識的にまわさないことも出来るんですか?
言われれば出来ますけれど、後は不機嫌ですね(笑)
ー あははは!
でも最初は、こぶしを出さないようにしようと頑張っていました。こぶしをつけるとやはり島唄のように聴こえるのかなと思っていましたし。でもそうなった時に自分は歌を歌う意味があるのか分からなくなりました。よく、島唄の歌唱法でお願いしますと言われるんですが、じゃあ逆にJ-POPの歌唱法は何ですか?と思ってしまうんですよ。J-POPにだって色々な歌い方はありますし、もしかしたら例えばですが、ヤイコさん(矢井田瞳)は島唄を歌うかもしれないし。
ー なるほど、そこは分かりますね。
私は奄美大島に生まれ育って島唄をきっかけにこういう歌い方になりましたが、それでも中君と私がまったく同じ歌を歌っているかといえば全然そんなことはありませんし。やはり人それぞれの歌があると思いますが、あの島に生まれたことで、この歌い方が身についたことはものすごく感謝しています。
1st Stage / 開場 17:30 開演 18:30
2nd Stage / 開場 20:30 開演 21:30
1st Stage / 開場 17:30 開演 18:30
2nd Stage / 開場 20:30 開演 21:15
1st Stage / 開場 15:30 開演 16:30
2nd Stage / 開場 18:30 開演 19:30
出演:青山テルマ/元ちとせ/阿部芙蓉美/井手綾香 and more...
MC:大抜卓人
出演:元ちとせ、中孝介、カサリンチュ、井手綾香
出演:中孝介、カサリンチュ、キマグレン、元ちとせ(50音順)他
元ちとせ 公式HP:http://www.office-augusta.com/hajime/
アリオラジャパン:http://www.ariola.jp/