miwa スペシャル・インタビュー

 3月3日にデビューシングル「don't cry anymore」をリリースした19歳のシンガーソングライター、"miwa"。
デビュー曲「don't cry anymore」が、レコチョクにてデビュー前の3月2日付けの着うたフル(R)チャートで1位を獲得。また、フジテレビ系火曜9時ドラマ『泣かないと決めた日』の主題歌になるなど新人としては異例の活躍をみせる。
キャッチーなメロディと、背伸びしない「今」の想いを綴った歌詞に共感する若者たちの中で、早くも話題となっている。そんな彼女へ音楽への想い、そしてメジャーデビューの前と今の話などを聞いた。


デビューシングルについて


── 今回のデビューシングル「don't cry anymore」をリリースするにあたって、それぞれの曲への思いや、どの部分が気に入ってるかなど教えてください。

「don't cry anymore」は、強がってでもいいから負けたくないというか、自分自身に負けてしまったら不安とか悩みとかに呑み込まれてしまうので、そういう時でも 自分自身だけには負けちゃいけないって強く思っていれば、きっといつか強くなれるんじゃないか。本当にギリギリなんだけど、でもちょっとでいいから希望を 見いだして、前へ前へ進んでいけたらいいな。という想いを込めて書きました。


── 「don't cry anymore」を含め、他の2曲とも「前向き」なメッセージが込められた曲ですが、それぞれ「主人公」の違いを感じました。

はい、すべて違いますね。「めぐろ川」は、春らしいほのぼのとした曲で、主人公の女の子はひたむきに、遠くにいる彼にその気持ちを届けたいというまっすぐで 純粋な想いを懐かしみながら、春の桜咲くめぐろ川に佇んでいるんです。そこで彼を想う。そんな風景をイメージして書きました。
「Wake Up,BreakOut!」は高校一年生の時に書いたので、何も周りを気にせず、振り返らずまっすぐに前だけ見ていて、勢いのまんまに書いたっていう か…。でも、その勢いを今になって聴きかえしてみると何も恐れない、恐いもの知らずというか、そういう部分が逆に強いなぁって思いました。思うままに行動 するっていう事は、実はすごく大切なんじゃないかなって。



── 背中を押してくれるような?

そうそう!そういう風に仕上がっているなぁって感じたので、今回のデビューシングルに入れたいなぁって思いました。


── この3曲の中でいうと、性格的にmiwaさんはどの主人公に近いですか?

どれも私の一部という感じなので、強がっていたり、すごくほのぼのしていたり、何にも考えずに突っ走ちゃったり。うーん、やっぱり全部私の一部だなぁ。


プロモーションビデオについて


── プロモーションビデオって、歌は勿論ですが、そこに「演技」というものが必要となってきますが、どうでしたか?

そうですねぇー!監督さん(寒竹ゆり監督)と沢山話し合って、アドバイスをいただきながらやりました。初めての事だったので最初は緊張したりぎこちなかった りしたんですけど、やっていくうちに曲や歌詞の世界観とマッチするように出来ました。演技と音楽はリンクしていないようにも思えるけど、ミュージックビデ オを観て知って、何かを感じてくれる人もいると思うので、それも表現のひとつですね。でもほんと緊張しました。


── すごく自然な感じで演技ができていたようにみえました。

えー、ほんとですか(笑)ありがとうございます!でも、実は歩くだけでも「もう一回」って、最初はぎこちなかったんです。


── miwaさんが入った大きな鳥かご。あれすごいですね。

そうなんですよ。あれ美術さんに作っていただいたんですが、本物の鳥かごみたいに、入り口が狭くて入るのも苦労で、あの中で演奏もしているんですけど、ギターも、そぉーっと入れて(笑)。


── 寒竹監督さんはどんな感じの人でしたか?

監督さんっていうと、厳しいのかなぁとか恐いのかなぁとか思ってたんですけど全然イメージが違って、すっごーい優しくて、しかも若くて(27歳)ある意味、同世代のような同じ目線でフレンドリーに接してくれたので、すごくやりやすかったです。
ミュージックビデオというのを初めて撮ったので「カット」の声がかかると、「どうだったんだろう。」「どうやればいいんだろう。」っていうのが、分からな かったんですけど、「こうやってみて。」って、すごくナチュラルに指導していただいてディスカッションとかも楽しくて、いいビデオが出来たと思います。


プロになるきっかけ、影響を受けた音楽について。

── プロになろうと思ったのが15歳ときいていますが、やはり音楽好きのお父さんや、お父さんの聴いて来た音楽の影響は大きいですか?

そうですね。小さい頃からビートルズとかキャロル・キングとか古いイギリスやアメリカのポップスを無意識に聴いていたので、影響はあると思います。あと、 シェリル・クロウが大好きで、15歳くらいの時にギターの弾き語りをやりたいなぁって思ってギターをはじめたんですけど、そういう時にカヴァーしようと 思ったのが、やっぱり小さい頃から聴いていたそういう音楽達でした。それが周りの同世代の子たちの好きな音楽とは違うなぁとは感じていました。でもそれで もやっぱり好きで、カヴァーしてると気持ちが温かくなるし楽しいしっていうのが大きくて、ギターや歌で自分を表現したいと思った時に、今度は自分で曲を書 きたいと思ったのが、シンガーソングライターになったきっかけです。


── ギターは誰かに習ったんですか?

最初は独学です。その前にピアノをやっていたのでコードの名前や音の並びはわかっていて、それが役立ったんですが独学だとなかなか上達しなかったのでその後、習いにいきました。


── 学校が芸能活動にとても厳しいところで、音楽活動をしている事を内緒にしていたと聞きましたが。

そーなんですよ!だから将来なりたいものや、大学受験の話を友達は相談してくれているのに、私は言えない。っていう状況が辛くて。すごく仲がいい子なのに本当 の事が言えないなんて、真の親友っていえるのかな?って思っちゃったり、「今日、遊ぼうよ。」って言われた時にも"今日はライブなんだ。”って、言いたい のに言えないのが辛かったです。本当は友達にも来てもらいたいのに、それが言えないから最初はお客さんの少ない中でライブをやったりしました。だから 「don't cry anymore」の中にも、"孤独感”とかその時抱いた気持ちとかが入っているんですよ。


── そんな時期を経て、今メジャーデビューできましたが周りの反応はいかがですか?

最初はみんなすごいびっくりしてて「えー!あれがmiwaなの!?」みたいな反応でした。でも「全力で応援してるから!」って言ってくれて。驚きと同時に、私が頑張っている事を自分の事のように喜んでくれて「応援するよ!」って言ってくれた事がすごく嬉しかったです。


── 打ち明けられた事で、肩の荷がおりたような?

ええ。やっと打ち解けられたというか「内緒にしなきゃいけない」という事を自分の中で抱え込んでいたので、ピーンって張っていたものが緩んだような気持ちです。


── ご両親は何と言っていますか?

父は音楽が大好きだし、私の音楽の事もサポートしてくれていたので自分の事のように喜んでくれています。
母は、私が雑誌に載るたびにすごく大量買いをして(スタッフ一同大爆笑)親戚みんなに送っています。(笑)


ライブについて

── デビュー前は自分でライブのブッキングをしていたそうですね。

そうなんです。お金もなかったので自転車で行けるところ(笑)って事で下北沢だったんですよ。ネットでオーディション募集を見つけては自宅で作ったデモテープを送ったりしてライブハウスを巡っていました。


── ライブハウスの反応はどうでしたか?

みんなあったかくて、ライブをやった事がないっていう事に配慮してくれて、ライブに慣れていない人たちや、ステージに初めて立つ人たちが出るように日をブッキングしてくれたりしたので、そういう心遣いに感謝しています。


── その時って、まだそんなにオリジナル曲がなかったとの事ですが。

そう、4曲くらいしかなくて「シンガーソングライターズ・ディ」っていうのに、カヴァーを2曲くらいやらせていただいたりして。(笑)

 

── その時は何をカヴァーしたんですか?

たしか、キャロル・キングの" You've Got a Friend"と、シンディー・ローパーの"True Colors"だったと思います。


── ライブは好きですか?

はい! ライブは観るのも好きだし、やるのも好き。ステージに立って、お客さんに直接歌を届けられるっていう貴重な場所なので、楽しいですし。


── これからもどんどんライブはやっていきたいですか?

そうですね。CDでは届けられないライブ感というか、生のコール&レスポンス…お客さんから届いて、私が届けて、またお客さんから届けてもらってっていうやりとりが「繋がってる」って実感できるので、ライブで直接伝えたいっていう想いはすごく強いですね。


ギターについて

── 愛用のギブソンJ-45は、一目惚れならぬ、一聴惚れ?

はい!もう、最初の音のインパクトが大きくて。あと私のは、J-45にしては珍しいローズウッド(木材の種類)を使用しているので重いし厚いしサイズが大きいし…っていうか、大きさは変わらないんだけど、私が持つと大きくなっちゃって(笑)


── チェロみたいになっちゃう?

そうそう!(大笑) …でも、鳴りがすごくいいんですよ。指弾きしてもストロークで弾いてもすごく鳴るギターなので、バンドで弾いてもきっとこれは私を支えてくれると思ったんです。ジャンって弾いた時に「これだ!」って。


── それはいつ購入したんですか?

高校2年の3月ですね。それからこれ1本で。


ブログの話

── ご自身の公式ブログで、ファンからの励ましや、逆に「元気をもらいました!」というようなコメントが沢山寄せられていますが、いかがですか?

すごい嬉しいですね!曲を聴いて共感してもらえると、あぁ、伝わっているんだなぁっていう実感も感じられるし、私が逆にすごく励まされたりしてるので、いつもチェックして、更新する度に、コメントがきてる!って、読んでるんです。


FM802「春のアクセスキャンペーン」について

── 大阪のラジオ局FM802の「春のアクセスキャンペーン」アーティストに選ばれましたが、レコーディングはどうでしたか?

もう最初はすごい緊張しちゃって。自分以外が作った曲っていうのを歌う事がまず緊張でしたし、どう伝えるんだろう、どういうニュアンスで歌えばいいんだろ うって不安だったんですけど、スタジオに着いた時に"JUJU"さんと"JAY'ED"さんがレコーディングしたのを聴いたんですよ。それで「あ、こうい う風に歌うんだなぁ。」って思って。でも逆にまたプレッシャーがかかるというか、ハードルがあがる感じもあったんですけどね。JEFFさんが作る曲なの で、R&B色が強いので私が書く曲とはまた違う感じだったんですけど、JEFFさんがすごく優しくて、歌入れをしている時に「Oh!miwa、 good!!」みたい感じで、すごくテンションをあげてくれたので、楽しんでノッて、歌入れができました。また、ディスカッションしながら自分がいつも やっている歌入れの方法を採用してくれたりして、すごくいいやりとりの中、レコーディングが出来ました。


プライベートな事

── 今、忙しいと思いますがお休みは何をしているんですか?

ショッピングですね。服をごっそり買い溜めしたり(笑)、あとは好きなCAFEにいって友達と「最近どう!?」なんて、ガールズトークをしながら盛り上がったりとか、結構リラックスできてます。


── 最近ハマってる事を教えてください。

健康系ですかねぇ…。昔から好きなんですけど、最近は豆乳にハマってて(笑)。あと、生姜湯もすごく好きで。


── 若いのに(笑)

そうそう(笑)「健康」っていわれるとふっと振り返っちゃうというか。まぁそれは沖縄の祖母の影響で、その祖母がすごく健康に気を遣っていて、私より体柔ら かいし!運動とかもしていて、そういうのをみていると、私もあんなパワフルなお婆ちゃんになりたいって思って。だから健康系にはすごく目がいきま す。(笑)


── 19歳のmiwaさんが今一番関心のある事はなんですか?

なんだろう……??(スタッフと顔を見合わせながらしばらく考える)…
ファッションですかね。ファッションが大好きなんですよ。買い物が趣味みたいになっているので、休みの日はすぐ服を買いにいっちゃいますね。雑誌も何冊か毎月購読していますし。まぁ、あとは…普通です。ごく普通に友達と遊んだり買い物したり。



── 最後にmFoundを見ている方たちへメッセージをお願いします。

シンガーソングライターとして、色々な曲を書き続けて、その曲を持ってライブをして、みなさんに届けていきたいので、是非ライブにも、遊びにきていただけたらいいなって思っています。ありがとうございました。


 

取材・文/まさやん

 

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アーティスト情報

miwa スペシャル・インタビュー
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<収録曲>

  1. 1. don't cry anymore
  2. 2. めぐろ川
  3. 3. Wake Up,Break Out!
  4. 4. don't cry anymore 〜instrumental〜

<miwaプロフィール>

生年月日:1990年6月15日
血液型:A型
出身地:葉山生まれ東京育ち
身長:149センチ
好きな言葉:千里の道も一歩から
大切にしてるもの:家族、友達

音楽好きな父親の影響でいつも音楽が身近にある環境で育つ。

15歳から曲を書くようになる。

高校に入学するとギターを習い始める。
アルバイト禁止の学校だったので内緒でバイトをし、貯めたお金で現在も愛用しているギブソン(J-45)を購入。

高校時代にライブ活動もスタートさせる。
オリジナル曲を持って、下北沢ロフト、渋谷7th floorなど、自分でブッキングして弾き語りライブを始める。
芸能活動も禁止だったため、高校時代は友達にも内緒でライブ活動を続ける。

高校3年冬から、デビューに向けて本格的な楽曲制作に入る。

現在は大学に通いながら、日々制作活動に励み、定期的にライブハウスにも出演している。