TAMURAPAN「しんぱい」インタビュー Page3


ー そういう部分は絵を描いたりデザインしたりする田村さんぽいですよね。この曲はインディーズ時代のアルバム「ハロウ」のテイクを一部再録、再MIXしたということですが、全て新たに録り直さなかった理由は何かあったんですか?

歌というのは楽器の音よりも日々変わり易いので、そこはメインで考えました。あと音に関しても、今の感覚の中で、変えたい部分や、逆にどうしても当時のものに近づけることができなかったニュアンスというものもあるんですよ。あの頃のあの瞬間でなければ出せなかった音というものがあって、それはきっと当時の全部の環境が影響して出来るものだと思うんですけど。
だからそういう部分を大切に考えて一部再録という形にしました。



ー 歌詞では、”アイラブユー”ではなく、”アラビュー” と表現したり、”無の花” という表現が面白いですね。

この曲を作る時に、”笑う” と”アイラブユー”って字ではなく発音した時に言葉の回し方が似ていると思ったんです。そのニュアンスを伝えたくてこういう表記にしてみました。
また、”無の花” ですが、今回は道ばたに咲いている花が主役で、それを擬人法を用いてみたんです。この曲では、幸せの基準を描いていて、花という立場から、相手の為というのが幸せなのか、自分の為というのが幸せなのかを改めて考えました。



ー 哲学だ!

そうなんですよ(笑)。相手の為だと思っていても、そこには犠牲感というものがちょっとあるんじゃないかと思うんですよね。自分を”無” にしなければ出来ないというか。そういうところで “無の花” 。だから 「しんぱい」とは真逆のテンションなんですけど、大切な人を思うという部分では共通点があるかな。


ー そういえば、田村さんのブログで「恋愛の中でのワラウって私はなんか切ないイメージ」と書かれていましたよね。

はい。あそこで書いた「ワラウ」というのは、話をしている時にでる笑いとかではなくて、別れ際のイメージ。相手に嫌な想いをさせないとか、見抜かれないようにするのが恋愛のテクニックのひとつみたいなイメージがあって(笑)、一番隠せるというか、とにかく笑えばどうにかなるとか。そう考えると恋愛の中の笑顔って本当なのか分からないなぁって思うんです。


ー あぁ…確かにあるかもしれない。

あはははは!そうでしょ!


ー 今だと、絵文字の笑顔とかもそうですよね。

そうそう!あれだって、それをいれているから丸く治まるってあるじゃないですか。


ー 確かに、確かに。そう思うと実際田村さんのいうことが理解できましたよ。

でしょ!(笑)


ー ジャケットデザインが吉田ユニさんですが、面白い仕掛けがあるんですよね。
(ここで、ジャケットを実際見せてもらいました。)

動かすと私の口がパクパクするんですよ(笑)


ー ほんとだ!面白いです。ユニさんはメルヘンチックな世界を描くのが得意だけど、実際は骨っぽい世界も好きな人ですよね。楳図かずおさんが好きだったり。

そうなんですね。ラブリーになりすぎない。今回はユニさんにも「しんぱい」が意味する恥ずかしい部分をお伝えしました。陰と陽だったら陰の部分の雰囲気を出して、ただの楽しい曲ではないというところをジャケットを観た感じから出してもらえたらという話をして、それをすごく聞いてくださって、”伝える”というテーマを元に、口を動かすアイデアを出してくれました。コンセプトがシンプルなのでジャケットで手に出来る価値を考えてくれました。だからすごく通じていたと感じられて良かったです。


ー PVですが、今回は「ラフ」同様、島田大介監督ですね。実はあの「ラフ」のPV以来、島田監督の世界観のファンになってしまったんですよ。

そうだったんですか。面白いですよね。彼の世界観は。


ー 今回も「ラフ」で出て来た謎の生物が登場しましたね。

そうなんですよ。あれは私も知らなかったんです。多分島田監督の遊び心かなって思いました。それでやはり島田監督にも曲の想いを伝えたんですが、私の中のPVのイメージとしては、色がなくて暗いものだったんですが、島田監督がせっかくこういう感じのサウンドなので、その雰囲気を壊さない方がいいんじゃないかと言ってくれて、”恥ずかしい”というコンセプトの部分を逆手にとってしまう感じでミュージカル調にしてみました。それ位振り切っちゃう方がいいだろうということで。


 

アーティスト情報

TAMURAPAN「しんぱい」インタビュー Page3
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■ 収録曲

  1. 01 しんぱい
  2. 02 WARAW
  3. 03 ラフ (Live Version)
  4. 04 バンブー (Live Version)
  5. 05 フレフレ (Live Version)
  6. 06 ゼロ (Live Version)

■ DVD収録曲 [初回盤特典]

  1. 01 「しんぱい」ミュージックビデオ

■ たむらぱん ライヴスケジュール

たむらぱんプレミアム・アコースティックLIVE @ 重要・有形文化財

7/16(土) 名古屋会場:名古屋陶磁器会館 2Fホール
7/18(祝・月) 東京会場:自由学園明日館 講堂
7/26(火) 大阪会場:大阪倶楽部 4Fホール

3人寄ればポップの知恵

7/30(土) 京都・SOLE CAFE

出演: HARCO & たむらぱん & 河野丈洋(GOING UNDER GROUND)

てら・フェス 2011

7/31(日) 岡崎別院

出演:北川けんいち(ex.ロードオブメジャー)、HARCO、GOING UNDER GROUND、たむらぱん with HARCO・河野丈洋(GOING UNDER GROUND) オープニング(ゲスト)アクト:YeYe

新木場サンセット 2011

8/25(木) 新木場STUDIO COAST

出演: TAMURAPAN/Spitz/The Collectors/SEKAI NO OWARI/高橋優/peridots

ぼくらの文楽

9/17(土)・18(日) 山形県長井市 古代の丘縄文村

出演: Qurage/栗コーダーカルテット/コトリンゴ/タテタカコ/たむらぱん/DE DE MOUSE/トクマルシューゴ/七尾旅人/Laika Came Back/Little Creatures/and more...

■ Link

TAMURAPANオフィシャルHP:http://www.tamurapan.com/