Galileo Galilei「さよならフロンティア」インタビュー Page2


ー そうなの?

雄貴: 僕らが編集作業している横で和樹がリズムを打込んでいて、いくつか聴かせてくれたんだけど「ダメ、ダメ」って。

和樹:それで最終的にOKが出たものをベースに、もう少し音を厚くして作りました。

雄貴:アナログのリズムマシーンは、デジタルリズムマシーンと違って音のプリセットが入っていないので、イチから自分達で音作りをしていくんですよ。最初はポコンポコンっていうクリックのような音なので、それを自分で編集していって作るんです。


ー あえてアナログにしたんですか?

雄貴:はい。アナログの方が音が強いんですよ。デジタルは聴いてすぐデジタルだってわかるんです。僕たちも最近色々と触ってきたので、楽曲を聴いて、アナログとデジタルの違いが分かるようになってきました。多分デジタルで音を近づけても、アナログの方が太くていい音なんですよ。

和樹:そのリズムマシーンの音を流しながら「もうやっちゃってよ、和樹」って兄ちゃんに言われて、一回やったら「それいいね!」っていう感じで。

雄貴:うまいことリズムが、きちんと間を埋めていったんですよ。最近曲作りではそういうことが多いです。今は自分達で編集もやっているので、波形としてきちんと視覚的に確認できるから、それが頭の中でも図形となって現れて来るようになりました。


ー 耳で聴いた時の音のハマリの良さと波形はやっぱりイコールになる?

雄貴:ほぼイコールですね。でも気持ちいいか気持ちよくないかで考えると、案外少しズレてた方が気持ちよかったりするんですよね。結構やるのが、わざとハイハットだけちょっと遅らせたり、録った音を全部動かしたり、ベースもわざと直さなかったりということです。そうすることでどれ位ズレると気持ちいいかも分かるので、そのズレを意識して録り直してみたり。


ー 作業がどんどん綿密になっていくね。

雄貴: そうですね。でも、いい意味で適当な時もあるし。綿密だけど逆にあまり根詰めすぎないようにはしています。今回、僕と仁司( 佐孝 )で曲作りをやったのもそういう理由があって、1曲に対して全員で向かうとみんな、何がいいのか分からなくなってきてしまうんですよ。「ここ、フレーズ思いつかないじゃん」ってなると、みんな同じ位聴いているから全員思いつかなくなっちゃう。だから第三者的になって客観的にアドバイスしてもらうことをお互いやるようにしています。


ー ただ、カップリングのインスト曲「4」に関しては全員で作曲ですね。

雄貴:これはみんなでセッションして作りました。最初のギターフレーズを僕が弾いて…僕、自分が作ったギターフレーズを覚えられないんですよ(笑)

佐孝:笑

雄貴:歌詞でもそうなんですが、自分で作ったものより人が作ったものの方が早く覚える位で。ちなみに先ほど話した、ゆれるとの対バンライヴの時も、彼らの曲の方が先に覚えてしまいました(笑)。そんな感じなので、この「4」に関してはいつも通り、一小節ずつ作って、次の小節が出来ると、岩井君に前の小節を弾いてもらって思い出しながら繋ぎ合わせるという作業でした。それをメンバー各々が目の前にシンセサイザーとかを置いて作りました。


ー クリアなギターにかぶってくるエレクトロな音や、ひたすらループされてる感じが心地いいですね。

雄貴:僕たちは曲作りで一番割いている時間というのが研究の時間なんです。とにかくいっぱい音楽を買いあさって聴きまくる。その中で例えば「このリズムやリフってどうしてこんなにカッコいいんだろう」って、みんなでカッコイイ理由を探るんです。カヴァーしてみながら研究したりもするし。


ー それってすごく大切なことかも。

雄貴:いや、ほんと大事だと思います。そのカヴァーしたものを活かしつつ曲作りをするので、いざセッションを始めると「ここの部分はこうしよう」みたいな会話にはならないんですよ。録音して初めて「ここカッコわるくない?」って。だから僕らが一番重視する点は、「ダサい」か「ダサくない」かだけ。


ー Galileo Galileiの音楽の中で「ダサい」ってどういう音?

雄貴:例えばツリーチャイムを僕らの音に当てはめようとするとダサい。「4」みたいなインストもそうだし、歌入りの曲もそうだし。


ー それはみんなの中で共通認識としてあるの?

岩井:そうですね。

佐孝・和樹:はい。

雄貴:それからC→G→Aマイナーって流れるコードは歌謡要素を感じるので、僕らの中ではダサく感じてしまいます。こういうのってメンバー内では共通認識としてあるんだけど、あえて「これってダサくない?」って、ふざけたふりしてコードやリフ、メロディの確認をする時はありますね。


ー ちょっとさかのぼりますが、毎回シングルではインストが入るのに『青い栞』の時にインストが入っていなかったのは何か理由があったんですか?

雄貴:実は今迄も、インストを入れなければいけないという感じではなかったんですよ。出来たから入れるという感じです。ただ、今回は「さよならフロンディア」と「くそったれども」を隣り合わせにしたくなかったのでインストを入れました。


ー その2曲を隣り合わせにしたくなかった理由は?

雄貴:2曲とも僕たちの中では満足いく仕上がりで、早くライヴでやりたいと思える曲に出来たんです。ライヴで早くやりたいというのは、ガリレオにとって結構珍しいことなんですよ。今迄は「これライヴでやるの難しくない?」っていう不安感の方が強かったんですが、今は技術的にも追いついてきているので、そこも含めて曲作りが出来ています。
そういう中、この2曲は本当にお気に入りで、どちらも薄れさせたくなかったので「4」はそういう役割も担っています。だから次の作品にもまたインストを入れるかわからないし、突然インストはやめようってなるかもしれない。まぁ結構気分屋なんです(笑)


ー でもバンドは生だから、そういうのはあるよね。

雄貴:その時のモードがありますからね。もしかしたら次のシングルは今、自分達が聴いているものに影響をうけて、全部ダンスチューンになってるかもしれないし(笑)。


ー「くそったれども」は、一見リアルなんだけど、消えようとする主人公やその日その日にあるストーリー、冒頭の子供の声がどこか映画のストーリーみたいものを感じます。

雄貴:たしかに『青い栞』では実体験を箇所箇所に織り込みましたが、今回はそうではないということと、曲も、”僕…死にます…”という暗い感じじゃなくて、”さよなら!僕死にま〜す!!” みたいな軽いテンションにしたかったんです。この3曲ともほぼ同時進行で作ったんですが、1階がスタジオですが3階にもミックス部屋を作ったんですよ。


 

アーティスト情報

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Galileo Galilei ライヴ情報

■ ANOHANA FES.

2011年9月25日(日)雨天決行

秩父ミューズパーク 野外ステージ
【開場】14:00【開演】15:00

■ 東京ワンマンライブ

2011年11月20日(日)

新木場STUDIO COAST
【開場】16:00【開演】17:00
料金(税込)前売¥3,150-(税込、D代¥500-別、オールスタンディング)
問い合わせ先:ホットスタッフ 03-5720-9999
発売日:10/1(土)

■ Link

Galileo Galilei 公式HP:http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/galileogalilei/

公式mixiページOPEN!:http://page.mixi.jp/recent_page_feed.pl?module_id=8242&page_id=1429