元気ロケッツ「GENKI ROCKETS II 〜No border between us〜」インタビュー Page1


「Rez」「LUMINES」「Child of Eden」などの音楽ゲームを手掛ける、世界を代表するクリエイター水口哲也と、様々なアーティスト(YUKI、中島美嘉、flumpoolなど)を手掛ける音楽プロデューサーにして、クリエイター集団アゲハスプリングス代表の玉井健二によるハイブリットプロジェクト 元気ロケッツ。昨年は3D、フルCGと5.1chで制作されたミュージックビデオ「make.believe」が話題を呼び、今回、約3年半ぶりにファン待望の2ndアルバム『GENKI ROCKETS II -No border between us-』をリリース。今作では今迄のデジタルクリエイトされたサウンドのみならず、生楽器を用いた新たな一面もみせてくれている。作品に織り込まれた、現代社会における人との繋がり方や、成長したLumiが興味をもっていること、水口と玉井のルーツ音楽などさまざまな切り口から話を伺いました。


ー 約3年半ぶりのアルバムですね。

玉井:タームだけは外タレ並みです(笑)

水口:3年に1枚のペース(笑)


ー でも昨年12月に“make.believe” 3D Music Clips e.p. 今年6月には“Curiosity” 3D Music Clips e.p. をリリースされましたし、海外でのライヴなどもありましたから、かなりお忙しかったのではないですか?

水口:そういう意味では意外と休んでいないですね。

玉井:3Dがありましたから、そこではかなり時間も労力も使いました。

水口:元気ロケッツは初挑戦が多いですから、その分エネルギーは必要になります。

玉井:"前例がない" って、一言で言うと薄っぺらく聞こえてしまいますが、それってどういうことかというと、参考になるものがなにひとつ無いし誰にも聞けないんですよ。方法を知っている人がいないので、一つ一つが手探り。幸い、想像力豊かな人達が集まっているので色々話し合いながらできるのは面白いですけど。


ー 今年1月ラスベガスで開催された2011 INTERNATIONAL CESで1027インチの巨大LEDスクリーンにて3Dライブを行われたそうですが、「Curiosity」は その時に初披露されたんですよね。

水口:そうです。


ー 1027インチというのが、想像を絶しているのですが。

水口:東京で映像制作をしている時に、そのリアルな大きさというのが分からないんですよ。体感できなかったので。実際現場に行って一同その大きさに驚いた。実際ちょっと想像の域を越えていました(笑)

玉井:大きさとしては具体的に言うと、画面自体が25mプールより一回り大きい位です。横にすごく大きいんです。1枚の画面にはなっているんですが、厳密にいうと3枚を横に並べているんです。

水口:LEDのパネルを組み合わせて1枚にする技術をSONYが持っているんです。LEDだけならその大きさはありますが、それが3DのLEDというのは世界最大と言われています。それだけのものですから、やはり会場に来た人達は食い入るように見ていましたし、多分みんな観たことのないようなライブだったと思います。やっている側としてはなかなか満足感がありました(笑)

玉井:あと翌日、現地の新聞「USATODAY」の一面に載っていて、素直に嬉しかったですね。

水口:うわっ!新聞に出てる。しかも、一面じゃん!って(笑)


ー 映り方などの改善点はありましたか?

水口:沢山ありました。

玉井:例えば、星が迫ってくるスピードの感じ方が実際に観るサイズによって全然違うんです。僕は結果的にもっとゆっくりでスピード感を感じられると思った。速さとサイズは当然関連していて、そこが掛け算になっているんです。スタジアム級のライヴではアーティストが実際はゆっくり動くじゃないですか?でも、ライヴハウスくらいだとこちょこちょ動いてる。それと同じだと思いました。だから映像の動き自体もあれだけ画面が大きいと、少しゆっくりの方がいいとか、本当に細かい精度の話なんですけどね。BPMでいうと、1とか2レベル。

水口:「make.believe」を一番最初に六本木ヒルズで披露して、それからベルリンに行って、ラスベガス行ってと、段々分かってくることもあります。

玉井:ベルリンとべガスもまた違いましたよね。

水口:ベルリンは縦方向に大きかったから。視野をどれ位覆うかによっても違ってくる。そういう意味ではべガスの横長に細長い3Dスクリーンは宇宙船の窓の向こう側に風景が広がっているような、不思議な光景だったね。

玉井:そうでしたね!


ー 日本でも観てみたいです。

玉井:実現したいですね。


ー では、今作『GENKI ROCKETS II -No border between us-』のコンセプトやテーマについて教えてください。

水口:今回は副題に" -No border between us- "という言葉を入れていますが、 例えば「音楽」と「映像」、「デジタル」と「アナログ」のような色々な境界線を越えたところに元気ロケッツは向かっていくんだという表明でもあり、それがテーマでもあります。

玉井:宇宙で生まれた女の子 "Lumi"の視点に立つ・・・地球で生まれていない人の感覚というのを意識しました。地球上は国と国、宗教と宗教、服の趣味や好きなカルチャーなど区切ることで成立しているけど、逆にそれが故に争いも起こる。僕らはそうやって区切ることで自他を確認しあって生きているけれど、宇宙で生まれた子にはそういう感覚がないんだろうと思うんです。元気ロケッツはある種の悲劇を利用してドラマを作ったり、辛いことや理不尽に感じることへのカウンターカルチャーとして何かを生み出すということはやらず、ひたすら揚がる!上に前に!!気分もポジティブにというものを作ろうということで始めました。でもそうなるにはボーダーのない視点を獲得することが必要だったんです。


ー アプローチなどで、前作との違いを意識しましたか?

玉井:実は申し訳ない位に意識はしていないかもしれません。水口さんも僕も、お互いこういう仕事をしながら毎日と言っていいほど新しいものと出会ってるので、率直にそれを活かして、今の気分を反映させながら3Dとの掛け算を追求していくという感じです。だから案外狙っているようで狙っていないんですよ。


 

アーティスト情報

元気ロケッツ「GENKI ROCKETS II 〜No border between us〜」インタビュー Page1
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LOUD 200th Issue Anniversary Party-「 WOMBLIVE ONE SPECIAL LIVE×LIVE」

会場:WOMB

日時:2011年9月10日(土)
OPEN 14:00 CLOSE 21:00

料金:前売り ¥2,500 / 当日 ¥3,000
※入場時、別途ドリンク代¥500

アートアクアリウム展 江戸・金魚の涼 「ナイトアクアリウムミュージアムラウンジ」 ナイトアクアリウムミュージアムラウンジ最終日SPECIAL EVENT!!

会場:日本橋コレド室町 三井ホール4F

日時:2011年9月12日(月)
OPEN 21:00 / LIVE START 22:00

料金 : 3,000円 / フライヤーご持参の方:2,500円

■ Link

元気ロケッツ 公式HP:http://www.genkirockets.com/