ー 逆にシュンタロウさんからはその時点で歌詞の内容についてや、想い、コンセプトなどメンバーに細かく伝えたりはしないんですか？

細かくというより、全く言いません（笑）。だから取材で初めてメンバーが歌詞の意味を知ったということがありました。今作の「円盤飛来」も、イントロの部分を僕がスタジオで弾いてたら、そこにユウキが乗っかって来て、そこから広げていった曲なんです。それで、そのことに対して「適当にジャムセッションしながら作ったよね。」とか言っても、ユウキは覚えていなくてインタビューで分かるという（笑）。


ー え、そうだっけ？みたいな？

そうそう!!


ー でもそれだけ言葉がなくても、出来上がった楽曲として良い仕上がりになるということは、関係性が良い証拠なのかもしれませんね。

確かにそれもあるかもしれませんね。


ー Hello Sleepwalkersというバンド名は、現実味を帯びた「walker」と空想的な世界観を持つ「Sleep」という意味を持って名付けられたということなんですが、当時ハロスリの目指す音楽もそういう部分にあったんですか？

実はこれは後付けといったら後付けなんです。


ー 後付け？

曲が出来た後にバンド名をつけたというか、メジャーデビューする時にバンド名が変わったんです。 タワーレコード限定シングル「センチメンタル症候群」をリリースした時にはデビューアルバム『マジルヨル：ネムラナイワクセイ』の楽曲達も出来ていたので、 曲のイメージに合ったバンド名にしたいと思い、Hello Sleepwalkersと名付けました。いくつか案は出たんですけど、なかなか決まらなかったので、僕とナルミで考えて他のメンバーにそれを伝えて決まったという形です。


ー なるほど。じゃあHello Sleepwalkersというバンド名は、最新の作品、そしてこれから世に出すであろう作品とも合致させていくという感じですか？

そうだといいですね。でも僕は変わっていくということは悪いことだと思わないんです。これからどうなるかは分からないし、これは決して悪い意味ではないんですが、現時点では先のことは何も考えていません。そういう意味で、バンド名に捕われたくはないと思っています。


ー 元々、メンバーの音楽的ルーツはどういうところにあるんでしょうか。

みんなバラバラなんですよ。僕が最初に観たユウキのバンドのライブではベンチャーズを演っていたし。


ー ベンチャーズ!!

ユウキと、ユウキのお父さんと、他の家族でベンチャーズのコピーバンドやっていたんです。タソコはメタルが好きだったし。


ー おー!!

僕は最初、Hi-Standardを聴いてバンドを始めたんですが、そこからJ-ROCKを色々聞き出しました。マコトはTHE BACK HORNとかBOOM BOOM SATELLITESみたいなカッコいい音が好きですね。ナルミは東京事変が好きだし、 何かメチャクチャですよね（笑）。


ー あはは、確かにバラバラだね。ところで、昨年リリースしたタワーレコード限定シングル「センチメンタル症候群」は、ディープ感と疾走感が混在したような感じでしたが、6月6日にリリースのシングル『円盤飛来』はイントロから音が厚くてかっこいいですね。シュンタロウさんのエキセントリックな叫び声がすごく効いている気がします。

ありがとうございます。でもあの叫び声は最初、ジャムセッションの時には入っていなくて、その部分は空白だったんですが、全部録り終えた後に何か入れようかということになって入れました。


ー じゃあ、後からスタジオで？

いえ、僕が自宅で一人で録りました。


ー 自宅で？（笑）

そう。下の部屋に母さんとか居るけど録りました。二階の僕の部屋から、あの叫び声が聴こえてくるというね（笑）

＜一同爆笑＞


ー それ、あらかじめ言っておかないとお母さんビックリしますよね。「どうした、シュンタロウ!!!」って（笑）

でも事前に何も言ってなかったんです。しかも、何テイクか録ったんで、何回も叫ぶというね（笑）。


ー 大丈夫でしたか？（笑）

大丈夫でしたね（笑）。僕、案外何も気にせず部屋で歌を歌ったりするので、その一環だと思ってくれたんでしょうね。


ー なるほど。でも、それにしてはといっては何ですが、しっかり楽曲と合ったエキセントリック感が出ていますよね。

そうだと嬉しいです!


ー タイトル曲でもある「円盤飛来」で一番重きを置いた点はどういうところですか？

僕はあまり、こういうテーマで曲を書こうって決めることがないんです。だからこの曲も最初から何も考えずに演奏も歌詞も一行ずつ作っていくんですよ。


ー え、曲と歌詞は同時なんですか？

そうなんです。それで1ブロック出来たら次のブロックへ移る。ドラムも作って、できればハモリまで作って。