4月にシングル『君と僕の挽歌』をリリースした、さかいゆう。亡くなった友への手紙のようなパーソナルな楽曲と語る彼のその歌詞、メロディは、さかいらしい、テクニカルのグルーヴの面白さというより、心の奥の奥へゆっくりと届く楽曲に想えた。
そして今回5月23日にアルバム『How’s it going?』をリリース。今回は、作詞を様々な人へ依頼することで、また新たなさかいワールドが広がったように感じる。その楽曲達に対しての想いやエピソード、そしてさかいがプロデュースをした、6月13日リリースの福耳4年ぶりのシングル『LOVE & LIVE LETTER』のことも織り交ぜ、話を聞いてみた。
ー 前回のシングル『君と僕の挽歌』インタビューに続き、よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
ー 少し振り返りますが、シングル『君と僕の挽歌』は、タイトルの”挽歌”という言葉も含め、ある意味、新しいさかいさんを感じました。シングルとアルバムというのは、アプローチや意味合いというのは違いますか?
意識としては、あまり変わらないです。というか、今は配信という形もあるから、そういう意味での垣根がなくなってきていますよね。
でも、誰かが自分の曲を何らかのもので反応してくれるだけで僕は満足です。それはシングルかもしれないしアルバムかもしれない、もしくは配信かもしれない。それは何でもいいんです。
ー 2nd Album『How’s it going?』ですが、『君と僕の挽歌』でも、”How’s it going? ”という歌詞が出てきますが、今、さかいさんの中でこの言葉というのはもしかしてキーワードのようなものになっていますか?
そうですね。”How’s it going?”というのは、日本語だと、”調子はどうだい?”という意味ですが、まさにその言葉そのものがコンセプトかもしれません。
ー こういう風に伝えたいというような想いはありますか?
そういうのはないんですよ。どうやって受け取ってくれるかは想像できないですから。
ただ、自分が想うことを正直に書けたと思います。アルバムというのは、聴くたびにどんどん変わっていくから。勿論個人的にこういうところを聴いて欲しいというのはありますが、それを言うことはあまり意味がないかなと最近思うんです。
ー それは何故ですか?
イメージを限定してしまうので。でも、以前はそういう気持ちもありました。「勘違いされたくないな」とか。でもやっぱり違うんです、それって。だから例えば「君と僕の挽歌」が軽い感じで歌われても、それはそれでいいと思います。人それぞれ色々な受け取り方があるので、そこを限定する意味はあまりないと考えるようになりました。だって実際、マイルス・デイビスは限定していないでしょ。何十年経った後で、例えば”So What”は音楽の歴史を塗り替えて、モードプレイがどうのこので、そういうところを聴かなければ駄目だなんて聞いたことないし(笑)。
ただ自分がやりたいことをやって、言いたいことを言って、それをみんなが聴いてくれる。それで十分だと思っているので、今回コンセプトは特にないです。
ー なるほど。
ただ、今までのアルバムよりはメロディと言葉が飛んでくる気はします。あまり奇をてらった感じではないですし、トリオ+歌で、コーラスも分厚くはありませんし。これはちょっと矛盾した言い方になりますが、あくまでも僕の中での客観的なイメージとして、シンガーソングライター色が一番強いのではないかと思いました。…と言っても今回僕、半分も歌詞を書いてないんですけど(笑)。
ー 今回そうなんですよね。しかも歌詞を担当されている方がキャラクター豊かに感じました。
そうですね。
ー これはさかいさんからオファーされたんすか?
はい。ただ、森雪之丞さんだけはうちの事務所(オフィス・オーガスタ)の森川社長と話し合って決めさせていただきました。
ー そもそも、何故今回、作詞を色々な方にお願いしようと思ったんですか?
やはり地震があって、皆さんそれぞれ何を想っているのだろうと考えていたんです。
今回「Jammin'」の作詞をお願いした内田壮志さんは、ニューヨークに住んでいて、海外に住む彼が今何を考えているかすごく知りたかったですし。だからあえて歌詞のイメージなどを限定せずにお願いしました。
ー 歌詞と曲はどちらが先に出来ていたんですか?
ほとんど曲が先です。
ー 昨年リリースしたMini Album『ONLY YU』では、多重録音などサウンドの技巧など素晴らしかったですが、今回も全く違うアプローチですよね。『ONLY YU』との違いなど意識しましたか?
自分的には同じようなものは作らない方がいいと思っていたので、毎回、前回とは違うアルバムにしようということは考えていました。でも、特にすごく意識したということはありません。だから今後もしかしたら、今作と前々作が同じようなアプローチになることはあるかもしれませんが、つまりその程度の意識という感じです。
ー でも、そうならすごいですよね。ゆるぎなく「さかいゆうの世界」というものは確立されているのに、どんどんと新たな花を咲かせていくというのは。
それは嬉しいです。本人はそれが新しいことかどうかわからずやっていますから(笑)。
ー 1曲目の「Intro」ですが音の質感や靴の音など、まさにこれから何かが始まるイントロダクションという感じがしました。
ちょっとスペーシーな音も使ってますしね。これは一発録りなんです。2曲目の「Jammin'」のイントロみたいな感じにしたくて、こういう感じに仕上げました。
ー そこから、間髪いれず「Jammin'」に進みますが、完全に英詞だけの楽曲というのは、今迄にもありましたっけ?
そういえばオリジナルでは初めてです。
New Album「How’s it going?」
2012年5月23日(水)発売!
初回生産限定盤[CD+DVD]
AUCL-80~81 ¥3,675(税込)
※初回特典DVD「さかいゆう Live in New York 2011」
2011年10月に行われた、New Yorkでの貴重なライブ映像&インタビューを収録!
さかいゆうのライブ・パフォーマンスが観られる唯一の映像作品。
通常盤
AUCL-82 ¥3,059(税込)
収録曲(初回生産限定盤/通常盤共通)
●DISC-1(CD)
M1. Intro
M2. Jammin’
M3. パスポート
M4. LOVE & LIVE LETTER ~さかいゆうtrio ver.~
M5. もしも あの朝に…
M6. Lalalai (ソニー<ブラビア>CMソング)
M7. ペテン師と臆病者
M8. How Beautiful ~English ver.~
M9. サンバ☆エロティカ
M10. されど僕らの日々
M11. 君と僕の挽歌~Album ver.~
M12. パズル
●DISC-2(DVD|初回生産限定盤のみ)
「さかいゆう Live in New York 2011」
M1. 上を向いて歩こう
M2. ROCK WITH YOU(カバー / Original:Michael Jackson)
M3. Train M4.故郷(ふるさと)
他
New Yorkでのインタビューやドキュメンタリー映像も収録
待望の全国バンドツアー さかいゆうTOUR2012 “How’s it going?”
5/23(水) 名古屋・アポロシアター 18:30 / 19:00
5/26(土)福岡・DRUM SON 17:30 / 18:00
5/27(日) 高知 X-pt 17:00 / 17:30
5/29(火)大阪・Music Club JANUS 18:30 / 19:00
5/31(木)仙台・MACANA 18:00 / 18:30
6/3(日)東京・LIQUIDROOM 17:00 / 18:00
6/6(水) 札幌・cube garden 18:30 / 19:00