LOVE PSYCHEDELICO インタビュー Page1


シングルとしては5年ぶりの書き下ろし「It’s You」は、今迄とどこか少し違う。シンプルなアプローチや歌詞がダイレクトに響き、グルーヴの楽しさというよりメッセージ性の強い作品。でも重くない。その絶妙なバランスはデリコサウンドの魅力である。今回、この曲へ対しての想いや、サウンド面のこだわり、自分達の音楽への哲学などを語っていただきました。


ー 昨年はかなり勢力的に動かれていましたよね。

NAOKI:いや、いつも勢力的ですよ(笑)


ー そうですよね、失礼しました(笑)

KUMI:昨年はアルバム「Remasters BOX」の発売があったからね。プロモーションだったり、ツアーでアジアにも行ったりフェスにも出たり。


ー 6月にリリースした、その「Remasters BOX」のリマスタリング作業のため、ロサンゼルにも行かれていましたね。

KUMI:はい、行きました。


ー ジョー・ガストワート氏の起用ということでロスだと思いますが、作業的に日本と海外って違いますか?

NAOKI:全然違いますね。

KUMI:マスタリングエンジニアさんの感性の違いかな。

NAOKI:あとはスキルもだね。やっぱりロックが生まれた国なのでその違いはあるかも。日本はどうしても今、デジタルに頼り始めているけど、向こうはアナログを大切にしている人が多いんですよ。

KUMI:私達がよく一緒にやっているジョー・ガストワートさんはリアルタイムで60年代、70年代の西海岸の音楽と触れ合っているし私達もそういう音が好きなので、その時代の音をまさに作ってきた人という意味でも特別だよね。

NAOKI:最近、ずっとジョーだね。今作の「It’sYou」もそうだし。


ー じゃあコミュニケーションはバッチリ?

NAOKI:バッチリだね。あの震災の時に一番最初にメールくれたのもジョーだし。


ー KUMIさんが言われましたが、6月から7月にかけて全5箇所の全国ツアーと香港や台湾での海外ライヴ。向こうのお客さんって、日本とノリは違いますか?

NAOKI:たまにしか行ってあげられないから、そういうホットさもあるよね。

KUMI:そう。待っててくれた感というか。だってもう何年ぶり?

NAOKI:もう5年ぶりだね。もともと香港はロックシーンがちゃんと根付いているから、わりとオーディエンスはホットだよね。


ー その他、ジョン・レノン音楽祭2010 Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴに出演されるなど夏以降は勢力的にライヴをされていましたが、今年は地震の影響もあった中、ライヴは、まだされていないですよね。

NAOKI:そうですね。でも今後少しずつやっていくと思います。

KUMI:もともと今年は制作の年にしようと思っていて、前半もずっとレコーディングしていたので、あまりライブは念頭にいれてなかったんです。ただ、何かしらチャリティーライヴには出たいと考えています。


ー あと、今年1月にリリースした佐野元春さんのセルフカヴァーアルバム「月と専制君主」に参加されましたよね。

NAOKI:はい。もともと「僕らの音楽」で僕たちが佐野さんをお誘いして、あの時はボブ・ディランを2曲演ったんだよね。それでアルバムに誘っていただいたり、3月に大阪城ホールで開催した佐野さんの30周年記念ライヴでも共演させてもらったりして。結構キープ イン タッチしてるよね。

KUMI:そうだね。


ー ミュージシャンとして、佐野元春さんはどういう人ですか?

KUMI:カッコいい。すごい素敵です。ピュアだし。

NAOKI:少年のようだよね。

KUMI:そう!少年のように純粋だし、音楽を心から愛してるし。

NAOKI:鎧も着ないし。

KUMI:着ないね。すごくキザなんだけど、全然カッコつけてるわけじゃなくて自然だからすごく素敵。あと、やりたい音楽とか出したい音のビジョンがハッキリしているよね。だから一緒にやっていても「こうしたい」ってハッキリ言ってくれる。でもかといってそれをごり押しするのではなく「君たちどうしたい?」って、私達の意見も聞いてくれるし。だからすごくやり易いです。沢山話してもくれるし、実際に音もそうやりながら作っていくし。

NAOKI:楽しいね、佐野さんとやっていると。レコーディングもライヴもテレビも全部楽しい!


ー そういうのって、いいですね。あとNAOKIさんは3月にリリースしたTHE BAWDIESのアルバムでプロデュースもやられましたよね。

NAOKI:はい、数曲やらせてもらいました。1stアルバムに続いて今回久しぶりだったんだけど、可愛い弟たちみたいな感じですね(笑)。


ー プロデュースというのはいかがですか?

NAOKI:自分達にはずっと一緒にやっている山田信正さんというエンジニアの人がいて、この方は僕らより10歳以上年齢が上なんですが、デビュー当時から色々なレコーディングのスキルを惜しげも無く教えてくれるんです。こちらが興味を持つと、作業を中断しても教えてくれる。その彼の影響は大きいね。そうこうしているうちに僕らも自分達でスタジオを持つようになって、『GOLDEN GRAPEFRUIT』(2007年)の「Freedom」の頃から 自分達2人だけでのレコーディングスタイルに移行していけたのも、山田さんがいたから、そういうスキルが身についていったと思っているんです。だから技術の解放みたいなことが、自分より下の世代に出来ていったらいいなと思います。


ー では自分が今迄身につけてきたことを自分の中だけで、かかえこむんではなくて?

NAOKI:その方がいいよね。

KUMI:うん!

NAOKI:ジャンルは違っても、自分達が信じているような音楽の哲学を下の世代に…あぁ、もうこういうことをいう年齢になっちゃったんだな(笑)。

KUMI:(笑)

NAOKI:でも実際、そうやってバトンが渡っていくのなら嬉しいです。なかなか自分達がやっている、こういう形のロックって、日本ではサウンドとしてもメインストリートにはなりにくかったりするかもしれないけど、宝箱のような確かなものというのを渡していきつつ、自分達も負けないぞって頑張るみたいな(笑)


 

アーティスト情報

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■ CD 収録曲

  1. 01 It’s You
  2. 02 Lay Down Sally
  3. 03 Dry Town ~Theme of Zero~(2011 Remasterd)
  4. 04 Shadow Behind(2011 Remasterd)

■ 初回限定盤 DVD 収録曲

  1. 01 「It's You」ビデオクリップ
  2. 02 「Dry Town ~Theme of Zero~ / Shadow behind (2songs complete ver.)」※9分に及ぶ幻のビデオクリップ初収録!
  3. 03 「Dry Town ?Theme of Zero-」ビデオクリップ
  4. 04 「Shadow behind」ビデオクリップ

■ Link

LOVE PSYCHEDELICOオフィシャルHP:http://www.lovepsychedelico.net/