LOVE PSYCHEDELICO インタビュー Page3


ー 例えば天候の違いで見え方は変われど、どんなに離れていても同じ「空」をみている訳だから、そういう意味ではすごいことなのかもしれないですよね。

NAOKI:そうそう。その、同じものを見ているっていう発想も勿論そうだけど、空で繋がっていると思うと、地球上の全部の人って実は地続きでしょ。それってすごいよね!そういうイマジネーションを持っていたいという曲です。


ー サウンド面でも、ギターのストロークが印象的ですよね。イントロのギターの鳴りのクリアさが溜まらなく心地いいですし、先ほどKUMIさんが言われていましたがやはりシンプルで、リフを楽しむ今迄のサウンドとはアプローチが違いますね。

KUMI:そう、サウンドもやっぱりこだわったね。リフはあえて今回違うかなって思っていたし。生演奏感というか、ほんとKUMIとNAOKI…人が演奏している感じというのを意識しました。リフを入れると、匿名性が出るから。それはそれで好きだし、それに沿った曲も多いですけどね。

NAOKI:あと、ファッション的な部分ってあるじゃん。

KUMI:そうだね。グルーヴで心地いいというか。

NAOKI:LOVE PSYCHEDELICOのそういうファッション的部分が好きな人もいるだろうけど(笑)、だけど今回はもう少し真摯にね。

KUMI :やっぱり “伝えたい” という部分が一番強かった。

NAOKI:リフは今時カラオケでも出来るでしょ。でもギターのストロークはコンピューターでは作れないし、匿名性もない。そういう原始的な部分にこだわったね。そのかわりにストリングスが入ってる。…そのかわりにストリングスを入れてること自体、原始的なんだけどね(笑)60年代、70年代のやりかたですね。


ー ただストリングスの音をかなり落としているじゃないですか?ストリングスを入れているにもかかわらず、ここまで音を落とすというのがすごいなと(笑)

KUMI:うん、あんまりないよね(笑)

NAOKI:そうか(笑)


ー あれは何人編成だったんですか?

KUMI:15人編成です。


ー あれは最初からそういう狙いだったんですか?

NAOKI:そうだったよね。

KUMI:ええ、ああいうイメージでしたね。

NAOKI:ギターのストロークと歌がメインの歌だから。世の中にはストリングスがすごくデカくてびっくりする曲とかあるよね(笑)気持ちとして分かる部分もあるけど、ベース入ってるのに、チェロの方が音デカイっていう。


ー 追求するのは、マイナスの美学でしょうか?

NAOKI:よく言われるんだけどね。

KUMI :引き算の発想はないよね。足さないっていうのはあるけど、本当にシンプルなものが好きだから必要なものしかないという感じ。足さない、引かない(笑)

NAOKI:あと、飾らない。

KUMI:そうね。飾りはいらない。


ー すごく複雑な構成なのに、聴くとシンプルという作りが面白いです。

NAOKI:昔からそうだね。今回はシンプルに聴こえるけどストリングスが入っている分実はトラック数が多いし、メロディも後ろでずっとハーモニーをつけているので、楽譜にしたら相当なハーモニーなんだけど、シンプルに聴こえる感じがいい。


ー 今回、カップリングにクラプトンの「Lay Down Sally」を収録されていますが、これはクラプトンがレイドバックした頃のサウンドですよね。

NAOKI:ナッシュビル・サウンド!


ー 何故この曲をカヴァーしようと思いましたか?

KUMI:もともと1曲はカヴァーをやりたいというのがあったんです。今回「It’s You」に言いたいことを集約させたので、もう1曲オリジナルを作るというよりは、純粋に音楽を楽しみたかった。別にそういう部分まで自粛する必要はないし、グルーヴをとても大切にした曲をやりたくて。最初にグルーヴのイメージがあったんですよ、このドラムのリズムとアルペジオと。で、コードが2つか3つしかない曲でとなると「Lay Down Sally」が合うかなって。先にそういうアレンジのイメージがあって選びました。


ー 他に候補曲というのもあったりしたんですか?

NAOKI:ちょこちょこ作りかけのものはあったりするんだけどね。でもこのドラムのグルーヴに「Lay Down Sally」が合うんじゃないかって、すぐに作り始めて。これ、KUMIがドラム叩いたんですよ。


ー え!そうなんですか?

KUMI:軽く(笑)本当に簡単なフレーズだけなんで。


ー じゃあ、改めてドラムをじっくり聴いてみなきゃ。

NAOKI:あんまりアラ探ししないでね(笑)


ー とんでもない、とんでもない(笑)でも、作りかけのカヴァーがあるということは、今後も色々聴けるという感じでしょうか。

NAOKI:どうだろうね。カヴァーは気が楽な部分はあるよね。歌詞書かなくていいし(笑)。


ー え、そこですか?(笑)

NAOKI:いや、でも正直言って気は楽だよね。楽しむだけだから。アイデアがあったら何にも苦しむものはない。

KUMI:楽しい、楽しい。原曲そのままというよりはすべて自分達なりのアレンジにできるし。

NAOKI:そのままカヴァーするのは、作品として残す意味をあまり感じないんで。

KUMI:ライヴは演奏してるだけで楽しいんだけどね。

NAOKI:そうそう。でもわざわざレコーディングするなら歌のメロディだけじゃなくて、サウンドに対して自分達の哲学を反影させたい。そうしないと、ただ歌だけ他の人が歌ってるという感じになっちゃうし。

KUMI:カラオケだね(笑)


 

アーティスト情報

LOVE PSYCHEDELICO インタビュー Page3
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■ CD 収録曲

  1. 01 It’s You
  2. 02 Lay Down Sally
  3. 03 Dry Town ~Theme of Zero~(2011 Remasterd)
  4. 04 Shadow Behind(2011 Remasterd)

■ 初回限定盤 DVD 収録曲

  1. 01 「It's You」ビデオクリップ
  2. 02 「Dry Town ~Theme of Zero~ / Shadow behind (2songs complete ver.)」※9分に及ぶ幻のビデオクリップ初収録!
  3. 03 「Dry Town ?Theme of Zero-」ビデオクリップ
  4. 04 「Shadow behind」ビデオクリップ

■ Link

LOVE PSYCHEDELICOオフィシャルHP:http://www.lovepsychedelico.net/