ー そうなんだ。先日、その山崎あおいさんにもメールインタビューで同じ質問をしたんですが、ギター女子以外で自分を称するとすれば、新山さんは何女子？

何だろう…（しばらく悩んで）心はロック女子で。


ー かっこいい！

いやぁ、何言ってるんだろう、私（照）。


ー いや、新山さんはロック好きだから、まさにその通りだと思いますよ。そういえば今回、シングルにして初めてc/wでカヴァー曲を収録されていないんですよね。

はい。今回はオリジナルのみにしました。


ー それは何か理由があったんですか？

高校も卒業し、自分の進む道が音楽1本になったので、もっと自分の曲を聴いてもらいたいと思ったんです。c/wで関わらせていただいた経験も、これからもっと生かしていけるように頑張ろうと思っています。


ー これからもっと新山さんのオリジナルを聴きたいですね！

ありがとうございます。


ー そのc/wの“分かってるよ”は、“SHORT MOVIE CRASH” 短編映画『寄り添う』の主題歌ですが、藤井道人監督が新山さんとの会話からインスパイアされて作品が出来たと伺いました。

藤井監督とお会いして、ゼロから色々なお話や打ち合せを重ねました。その中で、「寄り添う」というキーワードを決めて、それぞれ場所は違いますが1から一緒に作っていった感じです。


ー「寄り添う」というキーワードに至るまではどんな話をされたんですか？

最初は、それこそ好きな食べ物や好きな色などプロフィール上の質問をお互いにしたり、自分の中学・高校時代はクラスの中にいた時にどういう気持ちでいたかとか、そういう部分を掘り下げて、色々話しを訊いてもらいました。


ー 曲と台本はどちらが先に完成したんですか？

台本が先に出来ました。私も藤井監督とお話させていただいた時に、自分で感じたことを箇条書きにして溜めておいたんです。あとは歌詞までいかない、ポエムのようなものをいくつか書いてみたり。その上で出来上がった台本を見させてもらい、改めて自分の中で言葉を選びながら歌詞にしていました。この“分かってるよ”ですが、サビの「分かってるよ」が一番始めに出来たんです。ただ、その言葉が出てきたものの、その後思うように書けなくて。でも、台本を読ませてもらった時に、主人公の“加奈子”という女の子が本当に自分の学生時代と重なったんです。なかなかクラスメートと過ごす日々に馴染めていなかったり、周りは先のことを決めていたりするのに、自分だけ迷っていたり。その迷っている気持ちもそうだし、写真を撮ることが好きなこともそうだし。勿論それは藤井監督が私との話からインスピレーションで書いてくださったということがあるんですが、それを観ていたらやっぱり自分の中でも再び「分かってるよ！」という言葉が口から出て。


ー 台本を読んで、更に歌詞のイマジネーションが沸いてきた感じですか？

はい。それから部屋の電気を消して、陽の光を頼りに暗い部屋で歌詞を書いていたんです。その状況もこの歌詞には入っています。今の自分の気持ちと、“加奈子”の気持ちを織り交ぜて歌詞を書きました。


ー 完成した映画を観て、いかがでしたか？

曲が流れるタイミングが良すぎて、もう泣くしかないという感じでした！最初、まだ完全に出来上がっていない状態で観させていただいたんですが、その時点ですでに感動しました。同世代、特に10代にはすごく届く映画だと思います。


ー お互いがインスパイアし合える作品というのは、良いですよね。

そうやって1から一緒に作るということが初めてだったので、すごく良い体験でした。藤井監督はおっとりというかシャイな方で、お話していると落ち着くんです。自分と波長が合うのかな。でも本当に映画に対して強い想いがある人なんだと思いました。撮影現場を見学させていただいたんですが、私と話をしている時と全然顔つきが違って。それは当たり前かもしれませんが、真剣に取り組んでいる姿がカッコ良かったです。


ー もし藤井監督に、「次回作は女優として出て欲しい」とオファーがあったらどうしますか？

それはさすがにお断りします（笑）。