ー 指田さんは楽曲を作る時って、どういう作り方をしますか？例えばひとつテーマを決めて、イメージになる参考音源を聴いたりとか。

参考音源を聴くという話はよく耳にしますね。でも僕はあえてそれをやらないタイプです。「こういうタイプの楽曲を作って。」って言われると逆のタイプが出来ちゃったりするので（笑）。まぁそれは勝手な反発心なのか、単純に出来ないだけなのか自分でも分からないんだけど。だから僕の場合は散歩して鼻歌を歌って作ることがほとんどです。歌詞に関しては、人の話を訊いて作ることが最近楽しくなってきているんです。100％自分のことだと、すごく考えちゃって。「あれ？僕ってこういう人間だっけ？」とか「ちょっと待って。何か違くない？」とか（笑）。そうすると何度も何度も書き直しをすることになる。でも人の話って、言葉悪いかもしれませんが無責任に受け取って、自分が思ったものを書けるので、人の話から自分で勝手にイメージを膨らませて書いた方が全然スラスラ書ける！


ー 客観性の中で想像力が生まれるというわけですね。

そうなんです。でも今回の4曲は、対相手が見える曲が揃いました。人物像を想像して、そこにプラス自分の気持ちという意識で4曲書いたのは初めてです。


ー そういう共通点を持ちながらも、この4曲はサウンド的にそれぞれ違うカラーを持っているから、曲順を決めるのは大変だったのでは？

色々試行錯誤しました。自分で出してきた曲順もあったし、スタッフが提案してくれた曲順もあったんですが、結局自分では分からない部分もあったので、スタッフと相談して決めました。でも最終的にこの曲順が一番ピッタリな気がします。一曲目に“スパム”を持って来るという挑戦も僕の中では結構あったんですが、やっぱりスタートするんだったら自分の中でスタートになった曲は“hello”なので、1曲目が良いかなと。


ー【 指田郁也“しろくろ”しくよろTOUR2014】追加公演が、6月21日(土)東京国際フォーラムホールCで開催されますが、札幌の追加公演も含め4公演終了しましたが、今回はどんなツアーでしたか？

すごく楽しかったです！バンドでツアーを回ったことが初めてだったので。僕は弾き語りの時は弾き語りに合ったパフォーマンスをするんですが、バンドになるとパフォーマンスが全然変わるので、このツアーで初めて動き回る指田郁也を観てくれた方も多かったと思います。


ー バンドだと動けますからね。

めっちゃ動きます！僕自身、元々ロックが好きなので、バンドセットだとライヴパフォーマンスもアグレッシブになりますね。勿論ポップスやAORも好きなんですが、メタルやプログレも大好きなんですよ。


ー メタルとか聴くんだ。

大好きです！メタリカのライヴで、ウワァァーー！！！って騒ぎますし。


ー えー！意外。想像が出来なかった（笑）。

そっちのジャンルの影響も案外多かったりします。


ー まぁメタルも、辿っていくとクラシックになるからなぁ。

そうなんです！構成も第何楽章とかあるし、例えばプログレもJazzの要素がないと出来ない。結局スタートは一緒なのですが、そこから自分たちが進化させた音楽がメタルであったりプログレであったりするわけですよね。だから自分としてもライヴパフォーマンスに、そういうところも取り入れていけたらと思います。それに今回“スパム”のベースもそうなんですが、自分が影響されてきた音楽というのを、ここへ来てどんどん出せている気がするので、最終的にそれが指田郁也のジャンルって言われるようになったら良いなと思います。


ー いいですね。

それで辿っていったら、「あぁ、AORか。J-POP…え、メタリカもルーツとして通ってるんだ。でもなるほどね。」って感じられるものが良いなと思って。


ー 国際フォーラムでのツアーファイナルはどういう形にしたいですか？

国際フォーラムって自分がずっと夢見てきたステージなんです。それこそフォーラムのステージから客席を見た写真というのがあって、以前国際フォーラムの外にある売店で買ったんですよ。いつかこの景色を観てみたいなと思って、それをずっとピアノの上に飾っているくらい、自分にとっては憧れのステージだったので、そこでライヴが出来るというのはすごく名誉なことですし、そのステージに立つだけで自分の音楽に対しての気持ちも変わると思うんです。だから100%とは言わず200%というか、メーター振り切れるくらいのライヴをしたいと思っています。「観ろー！」って（笑）。勿論歌を伝えることも大切にするし、お客さんと楽しむエンターテイメント性も大切にする。でもそれを全部分かった上でアツいパフォーマンスをしたいです。


ー 最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。

今迄、指田郁也の楽曲を聴いたことのない方々も沢山いると思います。 勿論過去作品を聴いてもらうことも有り難いんですが、 今回の『hello - EP』を聴いてもらって、今僕が感じていることや、今僕が出したい音を最前線で触れて欲しいです。この『hello - EP』を入り口にしてもらうことが自分にとっても嬉しいですし、指田郁也の音楽を知ってもらうのも、この4曲ですごく伝わり易いと思います。そして、自分を一番出せるのはライヴなので、『hello - EP』を聴いて是非ライヴにも来て欲しいと思います。


ー ありがとうございました。


取材・文／秋山昌未


■ 指田郁也公式サイト
http://official.stardust.co.jp/sashidafumiya/