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指田郁也『hello - EP』インタビュー

指田郁也『hello - EP』インタビュー


ー 個人的な話ですが、私も曲間がとても気になるんです。だから今回も秒数を数えたりして(笑)。

あぁ、嬉しい!こだわっている分、 曲間まで聴いてくれるのは本当に嬉しいです。やはり “hello”と“スパム”って、どうしても非対称な世界を持っているので、空気を変えるには結構な曲間が必要でした。


ー そうですよね。確かに “hello”はメロディの美しさが際立っているのに対して “スパム”はリズムのカッコ良さで聴かせるというか。

“hello”はどちらかというと春っぽいコード進行やキーを使っているのに対して、 “スパム”は一気にマイナーに持っていっている。でもそこで普通の曲間にしてしまうと“hello”の印象も薄くなってしまうので、より濃さを出すというか。今回はシングルEPなんですけど、これを聴いて「アルバムだよ。」って言われても全然聴けるテイストにしたかったので、そこはこだわりました。


ー その“スパム”ですが、サウンドがすごく面白いですね。個人的には今作の中で一番好きです!

あ、本当ですか?嬉しい!


ー イントロのベースラインに指田さんの咳払いが入っていたり、途中にブレスが入っていたり。それにAメロはマイケル・ジャクソンみたいなファンキーさやセクシーさがありカッコ良いのに対して、Bメロ、サビへのヴォーカルラインはJ-POP要素に移行する。多分楽器の入り方はそんなに変わっていないのに、ヴォーカルラインを変えることでかなり1曲の中でイメージが変わってくる。そこがすごく興味深かったですし、聴いていてワクワクしました。

すごく嬉しい!まさに自分が狙っていた構成がそこだったんです。AメロのA’(ダッッシュ)くらいまでは結構洋楽っぽいことをやって、Bメロで世界を変えてサビメロで和ポップというか、そういうものをやりたいと思っていたんです。


ー なるほど。

レコーディングでベースは別の方に弾き直してもらいましたが、デモは自分で弾いていて、元々もあのくらい歪んだ音だったんです。この曲はあのベースラインから考え始めたんですが、考えたら僕の曲で一気にあそこまで歪んだベースラインって今迄はなかったんです。でもこのくらい荒くれていた方が面白いなと思って。静かな怒りじゃないですが、そういうものが曲から出せたら良いなと考えていたんです。でもエレキでワシャワシャやってしまうと、歌詞の持っている静かでフツフツとしたものが伝わらないかもしれない。だからあそこはベース1本に対して、言葉数の多いメロディを入れた方が面白いんじゃないかという感じでした。歌詞もAとBでエグいことを言うんだけど、サビではこれが言いたいという部分をハッキリさせる。やはり自分は歌モノを作っている人間なので、伝わり易さも大切にしたい。だから今回はそういう構成にしました。


ー 歌詞中にも「SNS」とありますが、現代の人間関係の闇や孤独感が映し出されていて、Bメロの一行で、イラつきから不安へ変わる。だから歌い方というか、声のトーンも変わったという印象を受けました。

そうですね。AやA‘まではモヤモヤした気持ちをサバサバ歌いたかった。そこでもっとアツく歌うことも出来るんですが、アツく歌うのは絶対違うなと思ったんです。この楽曲の主人公は、僕も含んだ20代の「ゆとり世代」と言われている人たちのイライラ感、例えば、別に言われたくないのに「ゆとり世代」なんて呼ばれたり。


ー 指田くんと同じ世代の人から、それはよく聞きます。

グレーゾーンの人たちはグレーゾーンの人たちにしか分からない怒りや悲しみがすごくあって、やはり歩みよっても近寄れないし、逆に離れたら遠いって言われたり。「じゃあ、俺らどうすればいいんだよ。」って。


ー なるほど。

それは音楽に対しても言えることで、自分たちよりだいぶ上の世代の人には「サビをサビサビ」って言われるんですよ(笑)。


ー サビをサビサビ?(笑)

サビらしく分かり易くということらしいんですが。


ー ああ(笑)。

それってすごく時代が影響していると思うんです。僕ら世代の人たちって、サビがハッキリしすぎていると逆に「聴きたくねーよ!」という気持ちになることもあって。その辺の中間域を気持ちよく歌っている音楽がすごく好きな世代なんです。でもそれってやっぱり世代ごとに違うんだなと思って。だから僕的にはそういうモヤモヤ感をそういう声で歌えたらいいなという気持ちがあったので、歌詞の中でも「SNS」や「刺す」という現代ワードを使いました。特に「刺す」というのはキビシいワードだと思うけど、無差別に人を刺してしまう事件があるのも事実なので、そういう現代ワードを最初にどんどん書き出して、そこから物語を作っていきました。『しろくろ』の時にも近いテイストの曲はいくつかあったんですが、その時に女性目線でドロドロの愛をテーマにした“真夜中のシンデレラ” という曲を作ったですが、ものすごく楽曲の評価が良くて(笑)。しかもそれは人から聞いた話を歌詞にした楽曲だったんですが、自分的にもすごく書き易かったし、そこで初めて気がついたこともありました。自分ってそういうドロドロやモヤモヤしている気分を書く方が合ってるのかなって。またそれをライヴでやると、自分の中からすごく良いものが溢れ出てきている気がして、それがまたヴォーカルにのって新しい空気感を作れるというか。


ー いいですね。

だからこういう曲は歌詞を書くのがメッチャ早いです(笑)。


ー そうなんだ(笑)。いつもは?

結構時間がかかる時もあるんですが、今回の4曲に対してはどれもさほど時間をかけずに歌詞を書けたかな。でもその中でもこの“スパム”は群を抜いて早かった。30分くらいで1番は出来ていたので。


ー 早い!

(笑)


ー 先行配信された“documentary”は、フィギュアスケートの羽生結弦選手からインスパイアされ作られた応援メッセージソングだとか。

はい。


 

リリース情報

指田郁也 5th Single-EP
『hello - EP』

2014年4月23日発売
hello_jkt20140330.jpg

WPCL-11783 / \1.500(税別)
初回生産のみファンミーティング応募券付

1. hello (TBS系火曜よる10時ドラマ「なるようになるさ。」主題歌)
2. スパム
3. codumentary.(応援メッセージソング)

4. オレンジ

amazon
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ライヴ情報

指田郁也“しろくろ”しくよろTOUR2014」《追加公演》
6月21日(土)東京国際フォーラムホールC
OPEN 17:00 / START 18:00 全席指定 ¥6,500(税込)
チケット一般発売日:2014年3月29日(土)
(問)H.I.P. 03-3475-9999

Billboard LIVE OSAKA
4月25日(金)Billboard LIVE OSAKA
時間:1st OPEN 17:30 / START 18:30 2st OPEN 20:30 / START 21:30



Billboard LIVE TOKYO
5月11日(日)Billboard LIVE TOKYO
時間:1st OPEN 15:30 / START 16:30 2st OPEN 18:30 / START 19:30

「FM802×FM COCOLO FUNKY MARKET」
5月3日(土・祝)9:00 START/ 17:00 END(予定)

「ABC感謝祭2014 マイドほたるまち!」
5月5日(月・祝)~5月6日(火・休)10:00~17:00
会場:大阪市福島区「ほたるまち」(ABC社屋周辺)
※指田郁也出演は5月5日(月・祝)10:30~「マイドフェス」@ABCホール

「SAKAE SP-RING 2014」

6月7日(土)8日(日)
11:30open/12:00start
会場:DIAMOND HALL/APOLLO BASE/CLUB QUATTRO 他

Sapporo Sound Square vol.2
5月16日(金)18:00~
場所:駅前通地下歩行空間北3条広場
内容:トーク+ミニライブ+「hell-EP」購入者対象サイン会
 

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