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Galileo Galilei-ワンマンライブ@代官山UNIT

Galileo Galilei-ワンマンライブ@代官山UNIT

その日の駒沢通りはちょっと凄かった。
代官山UNITの前を中心に、“Galileo Galilei”の東京初ワンマンライブ「アメラブの逆襲 ~東京侵略編~」を楽しみにしている人たちの列がずらりといつまでも続いている。

代官山、大阪ともワンマンはすべてSOLD OUT!!

このバンドの事を、ふと思い出す時に頭に浮かぶのは、彼らが桜吹雪が舞う教室で歌うauのCM。
「閃光ライオット」という10代限定のロックフェスでの初代グランプリの栄冠をとった彼らの音を初めて聴いたのは、そのCMだった。
弾けるような若さを持て余す事なく、音にぶつけている感じがとても気持ちよかったのを覚えている。「このバンドはどんな風に成長するんだろう。」などと、ついこの間考えていたかと思えば、今、目の前に広がるのは、彼らのライブを楽しみにしている人たちが驚く程の列をなしているという現実。すごい。

UNITに入ると、顔を紅潮させた女の子達がステージ近くに行こうと少し早足で進む。
男の子達は、ちょびっと照れくさそうにゆっくりと進む。その風景はなんとなく学校の廊下や教室っぽかった。

会場が、かなり満杯になり、そのざわめきを一瞬打ち破るかのように、The Beatlesの”Blackbird”が流れた。すると本当に一瞬だけ静かになった会場が、今度は歓声の嵐へと変わった。

Galileo Galileiが登場。

1曲目に選んだのは、アニメ「おおきく振りかぶって」オープニング曲でもある「夏空」。
観客達はまるで夏の青い青い空を指差すように、人差し指を高くあげはじめ、演奏が始まると同時にジャンプ!タテのりで、フロアが揺れる揺れる。

_MG_13412.JPGのサムネール画像楽器を持つ彼らは、あどけなささえ残っている平均年齢18歳のバンド。 一見すると、ステージと観客の関係に「文化祭」のそれと近しいものを感じる。
しかし、ヴォーカル尾崎雄貴(以下、雄貴)の声はしっかりと強かった。
そのキャッチーなメロディの中に入り込むように楽しむ観客達。
勿論ライブというのは、好きなアーティストのものだから「楽しい」という事に変わりはないが、ことGalileo Galileiのファン達は、精一杯楽しんでいた。
等身大のGalileo Galileiの世界は、若く青いがそれゆえに揺るぎないものを持っている。

「Galileo Galileiです。今日はよろしくお願いします。」
雄貴は、ぼそりと言った。

_MG_47772.JPGのサムネール画像「胸に手をあてて」…曲名の語尾に観客のキャー!という喜び満ちあふれた歓声がクロスする。
ベースの佐孝が、ぴょんぴょんとジャンプすると、その動きに観客もぴょんぴょん。

MCに入ると初ワンマンを祝う「おめでとー!」の声があちこちから聞こえる。
メンバーは照れながら、雄貴が「あ、ありがとうございます。」と挨拶。
最初、バンド名を言った時に、素っ気ないクールな子なのかな。と思ったがそうではなかった。
緊張しているのだ。
確かにこの春、学校を卒業し北海道から上京したばかりで、初の東京でのワンマン。
それは緊張しない方がおかしいし、この若さで変に堂々としていたら感じ悪いかもしれない(笑)
 

 

 

しかし「Answer」や「 扇風機」では、そんな動揺など微塵も感じないほどのパフォーマンスで、切なく激しい曲の世界に、観客達はあっという間に引き寄せられた。
雄貴の切ない声は歌詞の世界を忠実に映像化するようで、雄貴の弟で、最年少の尾崎和樹(以下、和樹)のドラム、佐孝のうねるベースはそこに力強い発色をみせる。
岩井のギターはその全体を形作っていた。

面白いのはそのギャップ。曲が終わりMCに入るとまたあどけない、あの十代の青年の顔を見せる。「東京スゲー! 東京、あつい」雄貴が、たどたどしいMCをしながら自分でも喋りが苦手だと告げると、一気に「頑張れー」の声。

彼らのメジャーデビューミニアルバム「ハマナスの花」のコーラスに参加している ”Chima”が、ここでゲストとして登場。「PIXIE」のコーラスをする。
マッシュな髪型の可愛い声に、カラフルなライト、一気にポップさが増し、会場はさながら下北沢か原宿かという雰囲気になっていた。
岩井はギターを少し高く上げ、観客を煽る。


感性が開花し続ける彼らの楽曲は、意味もなく胸が弾む想いも、どうしようもなく悶々とした気持ちも 全てが等身大で描かれ、まだ枯れる事を知らないキャッチーなメロディもストレートにアプローチしてくる。
「青春ポップス」とはまさにこれだろう!

メンバーの中で唯一、卒業ではなく「編入学」をするのが、16歳の和樹。そのための受験を今がんばっているという。雄貴が兄らしい口調でその話をすると、きっと観客達の中でも今、まさにそんな時期を迎えてる子たちも多いのだろう。リアルな「頑張れ!」と沢山の声が和樹へエールを送った。兄同様、ぽつぽつとした喋りかたで「今、受験生なんで沢山勉強をしてるのですが、元々あたまが悪いので、頑張ります。」といい、会場は爆笑の渦になった。
雄貴は、今度は兄ではなくGalileo Galileiとして、集まった観客達へ初ワンマンの感想を述べた。
「自分たちを観にくる為にライブハウスに足を運んでくれるというのが、すごく自分としては新鮮で、言葉に出すと軽くなってしまうけどみんな大好きだから。」
口を通してでる思いと、心の中の思いができるだけズレないように、一生懸命言葉を探しながら言っているように思えた。

みんなが楽しめる曲を。と紹介したのは「Monday7s」
サビでは、みな「セブンス!」と叫び、歌詞にあわせて指をぐるぐるとまわす。
友達同士できていたファンの子は、それが楽しくてしょうがないといった風に時折互いの顔を見合わせ満面の笑みをたたえる。

ここでChimaが退場。

アルバムタイトルでもある「ハマナスの花」や、閃光ライオットでグランプリを受賞した「 ハローグッバイ」などのキラーチューンに、会場の盛り上がりも絶頂になる。

「ねるら村の感謝祭」は、 Galileo GalileiのLIVEを締めくくる恒例の曲。
村の感謝祭を想像させるこの曲は、なんというのだろう、ロックと民謡を足して割った感じ?
さっきまで甘酸っぱい青春ポップを奏でていた彼らの器の広さは、思った以上に大きいのかもしれない。岩井は手を振りかざし、月明かりのようなライトを浴びた観客達は、まるでそれこそお祭りのように踊り狂う勢いでノッている。
メンバーとファンがものすごく繋がっている瞬間を観た気がした。

アンコールでは「 Ч・♂.P」という、インストをやった。何と読むんだろう?
雄貴と岩井は顔を見合わせ、タイミングを計る。メロディーをどんどんと変えて行くインストをやれるのは、この若さにしては技術もある証拠だろう。転調し、新たに生み出して行くメロディやリズムが面白い。
あ、ちなみに読み方は「アメラブ」だった。

「あまり言う事を決めてなかった。」
雄貴は「自分は稚内に住んでいたので好きなアーティストのワンマンを観にいける事はなかったから、このステージがワンマンとして長いのか短いのかわからないけど、自分は短く感じた。」と続けた。観客達の「始めからやって!」「あと3時間!」なんて声に嬉しそうに目を細める。
岩井は「始まる前は状況が想像できなかった。こんなLIVEは初めて。これからいい音楽を作っていきたいのでよろしくお願いします。」といい、今度は和樹に繋ぐ。
「りっちゃん」という声援を受け、「いい事言えないんで期待しないで。でもりっちゃん(和樹が大好きなアニメ「けいおん!!」のキャラクター)コールが…みんなの中で…根付けば……喜ばしい」なんて、ちょっとたどたどしく、おどおどしている。あんな強いドラムを叩く人には思えないがこのギャップがいいのだろう。
最後のトークとしてのメインディッシュなんて言われ「ハードルがあがったよ!」と焦りながらも佐孝は、「上京したばかりで慣れない生活を送りながらこれでいいのか不安だったけど、このワンマンをやって、みんなの顔をみて、ああ、大丈夫だ!って確信した!」と、しっかりした口調と、達成感溢れる表情で観客達を再度湧かせた。
「管制塔」で締めくくられたライブは、新人のワンマンとしては大成功といえるだろう。

若い時は、その未熟さゆえに気持ちを持て余してしまう事がある。
立ちはだかる矛盾に怒ったり泣いたり、未知の将来に不安を抱いたかと思えば根拠のない自信で突き進んだり。挫折を恐れる事のない強さをピカピカと光らせながら毎日を過ごす。
このライブのMCの時に何度「がんばれー!」の声を聞いただろう。
同世代のアーティストとそのファン。 彼らはそんなピカピカで、クラスメイトのように繋がっているのかもしれない。



Galileo Galileiは、「のりしろ」があるバンドだと思う。
のりしろや余白がなく、びっちりそのままのサイズでいるよりも。世間はもっと大きい。
このGalileo Galileiは、きっと今後悩みもしながら、どんどん枠を広げていくだろう。

LIVEが終わり、最後にメンバーと少し話しをした。
初のワンマンの感想を聞くと雄貴は、「みんなのがんばれの声に励まされ、背中を押されました。いいライブだった。」とすがすがしく言った。

歌詞を忘れたり、少し演奏が走ったっていい。それもライブのおもしろさだし、ありのままを表現しのりしろがある未知数の彼らは、きっと今後沢山の期待をもたせる頼もしいバンドへ成長していくだろう。

_MG_71472.JPGのサムネール画像



<set List>

夏空  
ロックスター
胸に手をあてて

Answer
扇風機

*ゲストコーラス Chima

PIXIE
フリーダム
Swallow
Monday7s

ハマナスの花
ハローグッバイ
ねるら村の感謝祭

アンコール
Ч・♂.P
管制塔
 

 

<CD情報>
ハマナスの花/Galileo Galilei

SECL-848/アルバム/2010.2.24/¥1,500(税込)

音楽の甲子園"閃光ライオット2008"グランプリ!最北端"稚内"から届いた"心の声"

Galileo Galilei「ハマナスの花」SECL848.jpgのサムネール画像    amazon.jpgのサムネール画像

 

◉Galileo Galilei 公式サイト http://www.galileogalilei.jp/index.html

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