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サカナクション『SAKANAQUARIUM 2010 kikUUiki』ZEPP TOKYO

サカナクション『SAKANAQUARIUM 2010 kikUUiki』ZEPP TOKYO

IMG_3445s.jpgサカナクションの凄さは、音の中だけではなかった。

3月17日にリリースした4th Album「kikUUiki」でオリコンウィークリーチャート3位を記録し、 今回の全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2010 kikUUiki』は追加公演を含む全15公演のチケットすべてソールド・アウト!
追加公演ファイナルのこの日、サカナクションへの少し狂気じみてると思える程の注目度の理由が解った!
演奏はもちろん、ステージ演出も素晴らしくまさに、アートとロックのkikUUiki!
カルチャーとしての音楽にこだわる彼ららしいクールなアートワークをステージ上でも表現してくれた。

機材トラブルで少し開演が遅れたZepp Tokyoの会場は、それすらボルテージをあげる為の準備時間に思えた。
19時20分を少し過ぎた頃、 機材調整が完了。
会場が暗転すると、オーディエンス達の破裂してしまいそうな期待が歓声となり包む。

サウンド・コラージュの「intro = 汽空域」に、打楽器の音が重なりお腹にずしりと響く。
ライトが淡い布に、打楽器のシルエットと登場するメンバーのシルエットを次々に映し出していく。
ステージ両サイドで打楽器を叩いているのは、岩寺基晴(G) と草刈愛美(B)。
「21.1」の打楽器の生音と、岡崎英美(key)の弾くエレクトリックなシンセ音、オーディエンスのハンドクラップが入り交じる。熱狂の声を切り裂くように、 “汽空域の世界” という山口一郎(Vo/G)の声が響き、まだ閉ざされたままの幕にはサカナクションの 骨ロゴが投影された。
最初からこのテンションなのか!? と驚くほどの熱狂ぶりのなか、「 明日から」で幕は、するりと落ち、メンバーが姿を現した。

山口のヴォーカルにはブレがなく、ステージの前へと飛び出してくる草刈の動きも小気味良い。江島啓一のドラムは広がりと深さの両方を持ち合わせている。
『セントレイ』『アドベンチャー』『Klee』とアッパーチューンが続き、 オーディエンス達とサカナクションの間でグルーブを生み出していた。

IMG_3194s.jpgIMG_3837s.jpgIMG_3573s.jpgIMG_3294s.jpgそして、ライブというのは音楽だけではなりたたない。音に繊細なアレンジを重ねているように、綿密に計算されたライティングが見事だった。
音速のようにまたたくフラッシュライトや、ブレイクにキレよく光る赤いライト。80年代のレーザービームのようなグリーンのライトは、ライブでありながら、オーディエンス達を まるで ミュージック・クリップの中に紛れ込ませてしまったかのようなマジックがあった。

IMG_3518s.jpgIMG_3720s.jpg彼らの実験的感性が静かに爆発したのが“Paradise of Sunny”(『kikUUiki』初回盤のエキストラ・トラック)だった。
スモークが全てを包み込む頃、そこは深海と化す。
山口は手持ちのカオスパッドを掲げ、60年代のLight showを彷彿とさせる実験的なオイルアートをバックにノイズを深海にばらまく。空間を彩るアンビエント・ダブの気だるさと、胸の奥がざわつく感じが何と心地よいのか!

IMG_3538s.jpgIMG_3466s.jpg「アルクアラウンド」では一瞬オーディエンス達のノリが一段アップしたように見えた。彼らの紡ぐ歌詞やメロディは、がっちりとJ-POPの芯をとらえつつ、ミクロ単位での音へのこだわりと、コラージュのような実験性を兼ね備えている。それはセンスだけではなく、絶妙なバランス感覚を持ち合わせているから出来る技なのであろう。

ロックオペラを彷彿とさせる「目が明く藍色」で、本編は終了。
浅瀬を飛び跳ね、深海に潜り、そして急流に飲みこまれ、思うままに翻弄され泳がされた2時間だった。

アンコールでは8月4日にリリースされる3rd Maxi Single「アイデンティティ」を披露。
宇宙的な愛で、Zepp Tokyoのオーディエンス達を魅了した。

山口はMCで、緊張してるといいながら10月8日(金)に日本武道館でワンマンライブを行うことを発表した。もう、Zepp Tokyoが割れるんじゃないかと思う程の歓喜の叫び!
「北海道出身の自分は、武道館のすごさがあまりわからないけどライブハウスでやるような感じで出来たらいいと思う。」山口は淡々とそう言いながらも、「柔道着着て出ようか?」とおどけてみた。

IMG_3468s.jpgファイナル公演最後は「ナイトフィッシングイズグット」で締めくくった。
ステージからいなくなったかと思えば、山口は最後に「twitterにあげる写真撮っていい?」と、オーディエンス

IMG_3746s.jpg

繊細さと大胆さが混在する最高にクオリティの高いステージだったが、この後出演する多くの夏フェスや、なんといっても初の武道館でのライブが楽しみだ。
更に進化を遂げたサカナクションが待ち受けているだろう。

 

取材・文/まさやん



<セットリスト>
01. 21.1
02. 明日から
03. 表参道26時
04. セントレイ
05. アドベンチャー
06. Klee
07. YES NO
08. アンダー
09. シーラカンスと僕
10. Paradise of Sunny
11. ライトダンス
12. インナーワールド
13. サンプル
14. ネイティブダンサー
15. アルクアラウンド
16. 壁
17. 目が明く藍色

ENCORE
18. Ame(B)
19. アイデンティティ
20. 潮
21. 三日月サンセット
22. ナイトフィッシングイズグット

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