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SUGA SHIKAO

SUGA SHIKAO "FUNKASTiC SUMMER 2010" @ NHKホール

suga20100701NHK00094s.jpgニューアルバムFUNKASTiCを携えた全国ツアーの5日目、NHKホール。
スガ シカオのホールでのライブツアーは前作FUNKAHOLiCリリース時以来、2年ぶりだ。スガはここ数年、バラードなしのオールスタンディングライブFUNK FIREを精力的に行ってきた。そして昨年のFUNK FIRE最終日のブログに「まぢホールには戻れない」と書いた。うねるようなグルーヴとエナジーの中こそ自分の居場所であり、それはホールではないと言い切った。その8か月後のNHKホール。果たして、ここはスガ シカオの居場所ではないのか?

「Party People~!」スガの掛け声を合図に、アルバム一曲目のポップチューンからライブはスタート。観客をあおるように、スポットライトが客席をぐるぐると照らし、NHKホールは一瞬でダンスホールに変わった。そのフレーズの通りいきなりパーティーは最高潮。泡吹くまで躍る覚悟はできている、そんな観客の意気込みは、続く「91時91分」でさらに上がっていく。大人しく座って聴くだけのホール的なライブを、スガ シカオも観客も頭っから完全否定だ。とはいえ、バラードをじっくり聴けるのはホールならではの魅力。
シングル曲「サヨナラホームラン」に続き、CMでも話題となった「兆し」へ。どちらもスガ流応援ソング。見えない明日に不安を抱きながらも、一歩を踏み出すきっかけを見出す歌だ。スガは人の闇をきちんと描く、だからこそ嘘のないリアルな光が見えるんだと改めて感じる。

suga20100701NHK00199s.jpgこの13枚目のアルバムFUNKASTiCで、スガ シカオはCD売上男性ソロ13作連続トップ10という日本記録を達成した。「みんながCDを聞いてくれて、ライブにも来てくれた結果。これはみんなと一緒につくった記録だと思っています」と語った。デビュー10周年以降、ベテランの枠に入れられることを拒むように、スガは精力的に新しいチャレンジを続けてきた。そのひとつがヒップホップとのコラボ。周囲からは反対もあったというが、みずからMummy-Dを口説き、ゲスト参加を実現させた。その曲「ドキュメント2010」では、Mummy-D本人がサプライズ出演。観客からの大声援を浴び、会場のボルテージを一気に上げていく。さすが、NO.1 Famousライマー!

suga20100701NHK00296s.jpgスガ シカオの持ち味であった、どろっと濃厚なファンクが、ポップに弾けるファンクにシフトチェンジした。そんなアルバムの世界観をよりファンタスティックなエンターテインメントとして再現した今回のステージ、一言でいえばとにかく楽しい!観てる方もたぶん演ってる方も、楽しんでこそスガファンク!という共通認識のもと、がっちり連携している感じだ。アルバム収録順と同一セットリストという斬新な仕掛けもあり、心地よい流れで、ライブは進んでいった。そして「はじまりの日」でふたたびMummy-D登場。大熱狂とともに、アルバム順のセットリストは終了。

suga20100701NHK00606s.jpg第二部的構成ではじまった「月とナイフ」そして「あまい果実」。神が降りた、とスガみずからが語ったように、それは神々しいまでの響きをもって心の奥底まで深く熱く沁み渡った。スガ シカオの真骨頂に、会場全体が息をのむのを感じた。

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最後のMCでスガは語った。「いま、音楽の価値がどんどん下がっている。だからこそ、新しいことをやらないとダメだと思う。保守はファンクにあらず。あっちにいったり、こっちにいったりすると思うけど、自分がカッコイイと思う音楽をずっと届けるから」
この厳しいJPOP市場の中で、しかもファンクという非常に難しい立ち位置で、商業的な成果を出しながら、みずからが信じるカッコイイ音楽を送り続ける。そんな偉業をやってのけるスガ シカオは、やっぱりすごいアーティストだと思う。

アンコールの「コノユビトマレ」。3500人収容のNHKホールに座ってる観客など見当たらない。こんなに楽しませてくれるのだから、この先、どんな方向に行こうと、時には道に迷おうと、どこまでも付いて行くしかないじゃないの。と改めてファンに決意させるそんなライブだった。

ところで「まぢホールには戻れない」のか。終演後スガにたずねてみた。「3年前のNHKホールの時は、座ってるお客さんもいてかなり煽ったりしたんだけど、今回はみんなすごかった。完全燃焼できた」。FUNK FIREのうねるようなグルーヴとエナジーが、この日このホールでも確かに生まれていた。スガ シカオの居場所は、まだまだスケールアップしていくに違いない。



取材・文/白石フミ子
撮影:矢部志保



Set list

Party People
91時91分
サヨナラホームラン
兆し
ファンゲリヲン
トマトとウソと戦闘機
雨あがりの朝に
ドキュメント2010~Singer VS Rapper~
台風は北北東に進路をかえ・・・
夏色タイム
軽蔑
はじまりの日
月とナイフ
あまい果実
ドキドキしちゃう
SPIRIT
奇跡
午後のパレード

(アンコール)
19才
コノユビトマレ

Interview

Live Report

Blog

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